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俺とあいつの歩く道はいつだって同じ方向なんだと思っていた。
いつから進む道が違ったんだろう。
あいつとは徐々に溝っていうか距離っていうか
間に何か見えない壁みたいなものができてて、
子供半分な俺はそれを直すことができなくて、
どんどん深まっていく溝をただ傍観するだけだった。
決定的な座標の違いは中学3年の進路だった。
俺はプロ棋士、あいつは高校に分かれることになった。
「実は引っ越すことになったの」
「は?」
卒業式、あいつは言った。
春休みの間に新しいとこへ引っ越すのだそうだ。
「‥なんで、俺に言ってくれなかったんだよっ?」
「‥だって義高‥わたしのこと、嫌いでしょ?」
**
義高が私といる時間なんてほとんどないじゃない。
いつからか、碁だけが義高を独占してたじゃない。
私と話さなくなったのも義高からじゃない。
「それって・・お前が俺のこと嫌いなだけだろ?」
ちょっと低くて強めの声で義高は言った。
怒ってる。
「お前が嫌いだからって、俺のせいにすんなよ」
うわ、めっちゃ怒ってる。
今まで聞いたことがないくらい低い声。
ちょっと怖かった。
「私は義高のこと嫌ってないよ。
けど、今までそこまで仲良くなかったじゃない」
ねぇ、義高。
私たちの時間ってどこで止まってるのかな。
こうして話してても、知らない義高がそこにいる。
**
わからない。
何を考えているかわからない。
俺たちにはやっぱり、知らない間にできた
大きな溝があって、俺たちじゃ埋められないのかもしれない。
「俺は、友達以上だと思ってたよ」
目を丸くしたあいつがいて、
自嘲気味に笑っていったんだ。
「もうちょっと、早く聞きたかったわよ」
おわり
