short
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それを見つけたのはデパートのエレベーター前の特設ブースだった。
天井まで届きそうな竹に綺麗な飾りと色とりどりの短冊。
もうすぐ七夕の季節。
私は、その短冊のひとつひとつを眺めていく。
消防士になりたい。
試験に合格しますように。
健康で長生きできますように。
志望校に合格しますように。
どれも微笑ましい願い事で、私もつい応援したくなってしまう。
そんな短冊たちの中に、ひとつだけ違うものを見つけた。
『囲碁大会で優勝する』
ぶっきらぼうな字で書かれた短冊は、この中でも一番高い位置に飾られている。きっと、その子の親が高いところに貼ってくれたのだろう。
その光景を想像して思わず笑みが零れる。
きっと負けず嫌いな子なんだろうな。
「なに笑ってんだよ」
「義高」
待ち合わせに現れた彼は、すぐにその短冊を見つけ指さす。
「こいつ昔の俺みてえな奴」
「いつかこの子と対局できるといいね」
「だな」
そう言うと、備え付けの白紙の短冊とペンを手に取り何かを書き始めた。書き終えた和谷は私から見えない位置にそれを飾った。
「なんて書いたの?」
「教えねえ」
到着したエレベーターに私たちは乗り込んだ。
誰も居なくなったエレベーターホールにどこからともなく風が吹いて短冊を揺らした。
『今日のプロポーズが成功しますように』
おわり
2ヶ月遅れで七夕ネタです。すみません。
