日々の僕たち

 「カー! カー! カー!」
 カラスがうるさい
 今日は生ゴミの日か?
 それはないな
 今日は日曜日だ。

 「オーイ! ソッチ行ったぞ!」
 「わー!」
 「キャハハハハ!」
 餓鬼がうるさい
 夏休みだからな
 かくいう俺も夏休み中。

 今日は午前中から宿題に手をつけている
 できれば早く全て終わらせたい!
 夏休み後半は思いっきり遊びたいからな。

 しかしだな。

 こうやかましくては宿題に集中できない
 そのうちセミも鳴き出すぞ?
 一体どうすりゃいいんだ!

 いや、落ち着け、落ち着くんだ。

 イライラしたら奴らの思う壺だ
 それにもう8時間もブッ続けで宿題をしている、腹も減ったし休息も必要だ。

 そう、
 イライラするのも空腹が原因に違いない、母に頼んで何か作ってもらおう。

 スマホを手に取り SNS を開く
 ポチポチポチ・・・
 「お腹が空きました何か食べるものを作ってください」っと。

 はい送信、
 ・・・来た来た!
 なになに、
 「キッチンにカップラーメンがあります」
 俺にカップラーメンを作れ、と?

 ポチポチポチ・・・
 「他に何かないのですか?」
 送信!
 ・・・どれどれ?
 「もうすぐ夕飯にするからそれまで待てば部屋に持って行くよ」
 我慢できないから聞いているんじゃないか、夕飯まであと3時間はあるぞ!

 仕方がないとりあえずカップラーメンだ。

 「つあ〜ぁっとぉ!」
 椅子の上で大きく背伸びをする
 なんか所々ポキポキと音がしたが、明日からは宿題の間に休息を挟んだ方が良さそうだ。

 ペットボトルに残っていた水を飲み干すと、部屋を出てキッチンへ向かう。

 途中、居間の前にさしかかるとテレビの音が聞こえる
 母が見ているのだろう。

 それにしても毎日テレビばかり見てよく飽きないな?
 どこかでテレビばかり見ていると痴呆が早まると聞いたぞ?
 だから俺はラジオしか聞かない!
 ・・・余計なお世話か。

 キッチンに到着。

 早速カップラーメンの捜索だ!
 その前にお湯を沸かしておこう
 やかんに水を入れ、コンロの上に乗せスイッチポン!
 さ〜てラーメンはどこだ?
 ガサゴソ・・・

 とりあえず3つ出てきた
 もうすぐ夕飯だから1つで十分だな
 とはいえ一番カロリーの多いやつがいい
 と、なるとこれだな
 "ビッグ焼きそば一番マヨソース風味"

 ビリビリとラップを剥がし
 ふたを半分まで開けて、かやくとソースを取り出す
 ?まだ何か入っている
 マヨネーズ風味トッピング?
 マヨネーズでいいじゃないか?
 いや、
 何かこだわりが有るのかも知れない!これは楽しみだぞ。

 おっと!
 ちょうどお湯が沸いたところだ
 スイッチポン!
 やかんの持つところが少し熱くなっているが我慢できるな? これくらいなら。

 熱い! 予想以上に熱いじゃないか!
 鍋つかみはどこだ?
 あったあった!
 それでは早速カップにお湯を注ぐ
 少しこぼした、まあいい
 おっと、かやくを入れるの忘れた!
 ビニール袋を破り、慌ててかやくを入れる
 ふたを閉めて3分
 特にする事もないので、ただスマホとにらめっこ。

 スマホのタイマーがカウントダウンを始める
 はい、3分経過

 お湯を捨てるとボコンという音がしたお約束だね。

 ソースとトッピングを乗せてよく混ぜれば、出来上がり!

 「いただきまーす!」

 ずずず〜っ!
 モグモグ・・・
 至って普通のカップ焼きそばだ、一体こだわりはどこに?

 まぁ、いい。

 お腹さえ膨れてくれれば。

 ずずず〜っ、ずずっ
 モグモグ

 黙々と焼きそばを食べる。

 「ハイ!ごちそうさま」
 ふ〜、とりあえずは満足
 これからどうするかな? 近所の本屋にでも行ってみるか。

 「母さん、ちょっと出かけてくる!」
 玄関から居間へ向かって声をかける。

 少しして返ってきた
 「夕飯までには帰ってくるんだよ!」

 家の扉を開けながら
 「判った〜」
 「なんだってー!」
 「わ・か・っ・た!」
 「あんたうるさいよ!」
 なんですと〜理不尽なり!

 家の扉を閉め鍵をかける。

 それじゃあ行ってくるか
 と、いっても歩いて3分はい到着。

 自動ドアが開くと中から心地よい冷気が流れてくる
 涼し〜い! さすが業務用エアコン、パワフルだな。

 それじゃあ早速いつものところへ
 そう、青年雑誌のコーナーだ!

 色とりどりのグラドルたちの表紙が並んでいる
 その中の一冊に手を伸ばそうとした瞬間、後ろから声をかけられる
 「先輩!こんにちは」
 なにィ!
 慌てて隣のコーナーの週刊心調を手に取る!
危なかった、後少し遅れていれば醜態を晒すところだった。

 何事もなかったように週刊誌を手に声のした方を振り向くと、
 部活の後輩女子がいた。

 「君か〜少しびっくりしたよ〜」「先輩もですか?」「何が?」「ジャーン!」
 そう言った彼女の手には週刊分旬が。

 「ライバル、ですね」なにが?
 「負けませんよ〜!」だからなに?

 「それじゃあまた部活で」
 彼女はペコリと頭を下げレジの方に歩いて行った。

 何がライバルなんだろう?
 できれば彼女と週間誌談義をしたかった
 と、言っても週間心調なんて読んだことないから、ココは助かったと言うべきか

 今日はもう帰ろう
 週刊誌は、ついでだから買って帰るか。

 「ありがとうございましたー」
 自動ドアが開くと外からは生ぬるい空気が流れ込んでくる。

 帰ったら夕食、そしてまた宿題か〜

 いや、心調を読むと言う手もあるぞ?
 一体どんな雑誌なんだろうか?

 全くの未知の領域!
 これはこれで期待しても良いのかも。








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