日々の僕たち
「なんだよ〜お前が一番かよ」
学校に着くと校門の前に生徒が一人
校門が開くのは6時30分
スマホを見ると、ただ今6時12分。
いくら部長が朝練に遅れるのはマズいとは言え早すぎだろ。
「色々とさ、準備しないとイケない事が有るんだよ」
部長はそう言うけど朝練が始まるのは7時
校門が開いてからでも間に合いそうな物だと思うけどね。
「別にさ〜一番乗りを目指した訳じゃ無いけど」
嘘だ。
友人のアイツが3年生の部活引退を期に
部長に指名されてから
俺の中の眠っていたライバル心に火が着いた。
何としてもアイツを出し抜きたい!
そのためには誰よりも早く登校して練習に励まないとな。
「おはよ〜」
「二人とも早いね〜」
俺と同じクラスの生徒会長代理だ
相変わらずおっとりして居る
3年生が卒業したら、彼が生徒会長だ
····大丈夫なのか?
生徒会の投票で決まったそうだが
彼らの前でしか見せない顔が有るのかな
だとしたら侮れ無い。
挨拶はビシッとしておこう
「おはようございます!」
部長も続いて
「おはよ〜」
なにィ!!
会長代理と部長は歓談を始めた
昨晩のテレビ番組の話だ。
なんてこった
カラ回りする思いに、軽くめまいを覚えた。
「ガチャン! ガラガラ~」
教頭先生が校門を開けた。
「おはよう!皆んな早いね」
先生は両腕を軽く開いて笑顔で挨拶。
「おはようございます〜」
会長代理が校内に入る。
「おはようございます」
続いて部長。
コレは単なる序列だ、実力じやぁ無い
「おはようございます!」
俺も入ろうとしたら先生に止められた。
「少し待ってて、まだ半じゃ無いんだ」
スマホを見ると27分
先に行った二人を指差すと
先生曰く
「君は一般生徒だろう?もう少し待ってくれ」
なんですとー!
俺の決意は初日にして挫けた。
終