日々の僕たち
放課後
ダレもいない教室。
まぁ、正しくは
ボクとカノジョがいる。
傾く陽射しのなか
ボクはクラスで憧れの女子の席に着き
カノジョは、その机の上に座る。
「見せてよ」
「ダーメ」
さっきからカノジョはスマホに何やら打ち込んでいる。
ボクの密かな愉しみ
"ダレもいない教室で憧れの女子の椅子に座る"
その現場を押さえた事をSNSで拡散しているのかも知れない。
当然それは困る。
明日からボクにはヘンタイのレッテルが貼られるのかな
『カノジョがいるのに信じられない』
『近寄らないでヘンタイ』
『土下座すれば許してあげる』
ああああぁ〜!
どうしてボクが土下座しなければイケないんだ?
いや、まてまて
コレはあくまでもサイアクのケースだ
少し落ち着け
そしてカノジョのスマホを止めさせないと。
「放課後とは言え校内でのスマホ使用は禁止だよ」
我ながら情けない
嫌いな校則に頼るとは
ココは自分の言葉で伝えるんだ。
カノジョをチラ見する
ヤバ、目が合った
なんかイタズラっぽく微笑んだぞ。
「気になる〜?」
トドメをさされた
カノジョをとめる一言が思い浮かばない
カワイければ何でも許されるのか?
理不尽だけどボクは認めるしか無い。
だってさ、ボクはあの笑顔に惚れたから。
だから黙って審判の時を待とう。
「ハッ!で〜きたっと」
カノジョは机から腰を下ろし
ボクの隣でしゃがみ込む。
水色か····
「見えてるよ」
「何を今さら、ソレよりもココ」
カノジョはスマホの画面をボクに見せる。
「診断結果?」
「そう、ソコをタップして」
むぅ、仕方が無い
ポチッと。
「何か出て来た」
「読んで見て」
どれどれ
「あなたと彼の相性は☆☆☆☆☆」
「誰もが羨むカップルです」
なんだ相性診断か
ところで
「まだ読むの?」
「キャ~!」
パチン!カノジョの平手がボクの左頬へ飛んで来た
カノジョは一人で盛り上がってる
ボクは頬がヒリヒリと痛む。
「もし相性が悪かったら、どうするつもりだったの」
ボクは左頬を撫でながら聞いてみた。
「ソレは大丈夫!毎日試してるから」
カノジョはドヤ顔だ。
「毎日ねぇ〜」
思わずニヤけてしまう。
「コノコノ!」
カノジョはスマホでボクのオデコを突付く。
「イタイよ、ヤメて」
ボクは手でオデコを隠す。
「コレで判ったでしょ?キミはワタシの者なのよ!」
カノジョは再びスマホでボクを突付く。
「だからイタイって〜!」
終