日々の僕たち
「今日はどうする〜」
ハンバーガーショップで少し早い昼食
親友の一言に呆れた。
「君が誘ったんだぜ、予定立てて無いのかよ」
親友は行き当たりばったりな性格だけどさ、休日くらいは何か用があると思うだろ。
「ちょっと待ってろよ」
親友はスマホを取り出して検索を始めた
「何かリクエスト有るか?」
特に無いけど親友におまかせコースと言うのも不安だ。
「面白い所かな」
漠然とした答えだが細かく指定して却下されるよりはマシだろう。
「イベント近所面白い入場無料」
「こんな感じか?」
親友が聞いてくる
まぁ妥当なトコロかな。
「問題無いと思うぞ」
入場無料と言うのが引っかかるけど
何とかなるだろ。
「それではポチッと」
「どれどれ〜おっ!」
なにを見つけたんだろう
親友は僕にスマホの画面を見せる。
『ホタテ祭り!1時間無料食べ放題』
『入場料1500円』
『現在地点より電車で20分』
「ホタテか、最近食べて無いなぁ」
画像を見ると
焼きホタテ貝、ホタテ丼それに天ぷらもある。
親友にしてはグッドチョイス!
「そうだろう、俺も食べて無いなぁ」
「ヤベ、ヨダレが出て来る」
僕もヨダレを飲み込む
「コレは混むぞ、早くハンバーガーを食べよう」
「そうだな、ガツガツ!もぐもぐ!ゴクン」
「んーんっ」
親友が胸を拳で叩き出す
早くと言っても急ぎ過ぎだ!
「ほら、コーヒー!」
僕からコーヒーを受け取ると、喉に流し込む。
「んっ、んん~ゴックン」
「プアー!死ぬかと思ったぜ」
「こんな事で死なれちゃ困る」
気を付けてくれよ、まったく〜
「僕は食べ終わったぞ」
「少し待ってろよ、ポテトがまだ」
親友はポテトを豪快に鷲掴みにするとって!
「おい、慌てるな!また詰まるぞ」
少しは過去から学んでくれ。
「おっとっと!ヤバ!」
親友はポテトを元に戻すと一個ずつ食べ始めた。
僕はその間にスマホで会場までのアクセスをチェック
「12時半には会場に着く予定」
「電車は遅れて無いから、問題は会場がどれくらい混んでるかだな」
親友はポテトを口に運びながら
「会場の込み具合は判らないのか」
「今、運営元のホームページ見てる」
「混雑状況は通常だってさ」
「普通に混んでるって事だな」
最後のポテトを頬張りコーヒーで流し込む
紙ナプキンで口元と手を拭いて
トレイを持って立ち上がると
スタッフがやって来て
「お片付け致します」
僕と親友は
「ごちそう樣でした」
と言ってトレイを渡す。
「それでは行くか、待ってろよホタテ!」
親友はかなり気合が入っている。
僕だって負けてはいないぞ!
終