日々の僕たち
「もうこんな時間か」
今日も学校へは行かなかった。
朝起きて
お母さんの用意した朝ごはんを食べて
歯を磨いて顔を洗う。
部屋に戻ると
時間割を見て、カバンの中に教科書、ノートを押し込む。
そして
ハンガーにかかった制服に手を掛ける
その時、言い知れぬ不安感に捕われてしばしフリーズ。
結局
制服の袖を通す事無く
再びベッドに潜り込む。
昼になるとキッチンへ
テーブルの上には弁当箱が置いてある
お母さんはパートに出ているので
一人きりの昼ごはん。
午後は部屋でラジオ番組を聞きながら勉強
いつか登校出来るようになった時
授業に付いて行け無いと困るから。
勉強か····
不登校になったきっかけも勉強。
テスト勉強をがんばって
学年1位の成績を残したけど
待っていたのは言われの無い陰口
気が滅入って学校を休んだら、登校するのが面倒になって。
だって、また何か言われたら嫌だから
学生の本分は勉学に励む事なのに
どうしてあんな事が言えるのか
もう誰も信用出来ない。
そうして休みの日が続く事になって
今日で半年が過ぎた。
始めの内は心配していた両親も
最近は何も言わない。
会話が少なくなった
どうしてこんな事になったのかな
両親だけは信じてくれていると思っていたのに。
この状況から抜け出すには
学校へ行くしか無い。
家族がそろう夕ごはん
思い切って両親の前で言った。
「明日から学校へ行く」
お父さんとお母さんは顔を見合わせた後で
「もう退学届け出したぞ」
「学校へ行かないのに学費払うのもったいないでしょ」
耳を疑う。
両親は理解者だと思っていたのに。
これからどうすれば良いのかな。
終