日々の僕たち

 ん〜!・・・
 ムクリ
 「ふぁ〜あ」
 ゴシゴシと眼をこする
 なんか随分とよく寝たな〜
 今何時だ? 目覚しを見る
 「4時・・・」
 朝の? まさか〜
 枕もとのミネラルウォーターのキャップを開け、ゴクゴクと飲み干す。

 今度はスマホで確認
 「16時、やっぱりね」

 それにしてもよく寝たなー
 まぁ、睡眠は休日の醍醐味だからね。

 しかも今は夏休みー
 全てのしがらみから解放され自由を満喫できる日々の嬉しき事よ!

 一応部活に入部してるけど幽霊部員だからね、今更学校へ通う必要はなし。

 と、なると後は大量の宿題と課題か?
 これは明日にでも手をつけないと!
 八月後半は地獄を見る・・・

 それにしても、この取って付けたような課題ってなんだ?
 終業式の日に聞いたら課題が出てないクラスメイトもいたよ?

 どういう事だろう。

 私が帰宅部だからかな?
 何かぼんやりとした理由だけど、それぐらいしか思い浮かばない。

 まぁ、いいか
 幸い大した量ではないので三日もあれば終わるでしょう。

 ベットから起き上がりカーテンを開く
 空は薄曇り
 「雨でも降るのかな」
 まぁ、今日は後で夕飯を食べて寝るだけだから雨が降っても構わない
 おっと、その前にシャワーを浴びておこう。

 ハイ!浴室に到着〜脱衣場へ入ると、寝間着がわりにと兄から強奪したワイシャツを脱いで洗濯機へポイ!
 下着は・・・洗濯ネットか。

 しかしネットは見当たらない。

 「ま、いいか」
 下着も洗濯機へポイ! 後で母が何とかするだろう。

 風呂場へ入ると湯沸かし器のスイッチをポチ!
 お湯の温度を調節するところだけど、熱めにするか温めにするか?

 う〜ん。

 温めで行こう
 お湯は37°cに設定

 シャワーの栓をひねる
 「冷たっ!」
 またやってしまった
 シャワーの出始めは水だから冷たいのは分かっているのに、なんで毎回この罠にはまるかな〜?

 温かくなってきたシャワーを浴びながら
 風呂場の一角に目をやると多数のボディソープやシャンプーが並んでいる。

 ほとんど母が使うものだ。

 なんかまた増えてないかな?
 私なんかこれ一つ"頭髪から体までこれ一つでさっぱり! ニューアクアソープ保湿成分配合"

 早速手に取り泡立てる
 まずは頭から洗う
 これ以降の洗う順番は決めていないが初めは必ず頭と決めている。

 手からスポンジに変え体を洗う
 ゴシゴシ!ゴシゴシ!
 凄い泡立ちだ全身泡まみれ。

 「まぁ、こんなところでしょう?」
 シャワーを浴びて泡を一気に洗い流す
 「ふわあ〜気分爽快!」

 体を洗ったスポンジを風呂場の一角に放り投げ、シャワーの栓をひねる。

 最後にキュッと音がするのだが、
 なぜか? この音に身体がピクッと反応してしまう
 なぜだろう?
 この謎を解いたら何かの賞をもらえたりして!

 まさか〜ねえ?
 そんなくだらない賞より彼氏が欲しい!
 偽らざる想いである・・・

 脱衣所に戻るとバスタオルを探すがなぜか無い
 仕方がないのでフェイスタオルで全身を拭く
 まだ濡れているけど仕方がない、このまま部屋まで戻ろう。

 浴室から出ると母とばったり
 「あんた〜なんて格好してるの! タオルくらい巻きなさい」
 ここは機転を利かせてジョークで切り抜ける!
 「私、裸族だから」
 母は呆れた顔をして一言
 「あ〜ぁ一体誰に似たんだか」
 よしイイ感触だ
 「そんな事より、なんでお母さんいるの?」
 「今日は仕事休みなのよ」
 そうだったのか、なんとなくそんな気がしてたけどね。

 「ところで母上、今日の夕飯は?」
 「ちゃんと用意してるわよ」
 母は続けて
 「食べたかったら廊下拭いておいてね」
 なるべく愛想よく返事をする
 「は〜いっ」
 母は何かぶつぶつ言いながらキッチンへと戻っていった。

 ヨシ! 無事切り抜けた〜

 さて、辺りを見回すがモップも雑巾もない

 ・・・そのうち乾くだろう

 夕飯まで時間があるね
 もう一眠りするか。

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