日々の僕たち
今日は待ちに待ったデートの日
でもさ
今一つ気が乗らない。
昨日までは楽しみだったのに
どうしたんだろう。
お相手は
同じクラスの子
まぁ、一言で例えれば
優等生。
そしてカワイイ。
でもね〜
たまにクラスの男子が噂話をしていて
それが余り良くない噂なんだよね。
今朝になったら急にそれが気になって
火のない所に煙は立たぬ
そんなことわざも有るし。
どうしよう。
迷っていても仕方が無いか
サッサと用意をしてデートへ行こう。
待ち合わせ場所に着いた
少し早いけど遅刻するよりは良い
それよりも服だよな
迷った末に普段着なんて
彼女の機嫌を損ねないかな。
10分経過
そろそろ来るかな。
20分経過
まだ来ない
場所を間違えたかな。
不安になってスマホを取り出しメモを確認する
ここで間違いない。
スマホをしまうと辺りを見回す
道行く人たちがボクに視線を投げかけている
何だ、ボクがどうかしたのか。
緊張感が高まる。
その時
ちょんちょん!
「うひゃぁ!」
なんだ、ボクの背中を突いたのは誰だ
慌てて後ろを振り向くと
彼女がいた
手で口を覆って笑いをこらえている。
「なんだ、君か〜ビックリさないでよ」
「ゴメンネ」
彼女は笑いながら謝った。
カ、カワイイ!
性格には問題が有るかも知れないけど
こんな彼女を学校では見た事ない。
改めて彼女を見ると、普段着だ。
「オシャレな服の方が良かったかな」
ボクの視線に気付いた彼女が言う。
「普段着の方がいいよ」
「洒落た服なんて、そんなに沢山持って無いし」
少なくともボクはね。
彼女は、すかさず
「そうよね」
「男子は女の子に夢見過ぎよ」
ごめんなさい
ボクも昨日まで、そんな男子の一人でした。
トコロで。
「今日はコレからどうする?」
「そうねぇ」
「とりあえず、お腹がすいたわ」
彼女は両手をお腹にあてる。
それじゃぁ
「ハンバーガーでも食べに行こう」
彼女の目がキラリと輝く
「どのお店にするの」
「そうだね~」
「王者のバーガーなんてどうかな」
ボクの知る限り1番美味しい店だ。
「イエーイ! 王者サイコー!」
彼女は右の拳を突き上げると、左手でボクの右手を取った
「さ、早く行こうよ」
彼女の言動に一瞬とまどったけど
ココは流れに乗って吉!
すぐに彼女の柔らかい左手を握り返して、共に歩み出した。
今日は楽しい1日になりそうだ!
終