日々の僕たち
二限目の授業が終わった
でも
授業内容が頭に入って来ない。
昨晩は遅くまで起きてたからね〜
とにかく眠い。
別に遊んでいた訳じゃないぞ
宿題を片付けていたんだ
この宿題が毎日スゴい量でさ
結局夜遅くまで掛かっちまう
そして寝不足のまま翌日の授業へ。
でも眠いので授業に集中出来ない
それで出された宿題に時間が掛かってたら
本末転倒ってヤツじゃないのかな。
そもそも何でこんなに宿題が出るんだ
学力の底上げでも狙っているのか?
だとしたら何のためにだろう。
もう考えるのも面倒だ。
次の授業まで十五分
スマホのタイマーをセットして
机に突っ伏すと、すぐに睡魔が襲って来る
抵抗はしない
おやすみなさ〜い。
ゆさゆさ
「?」
ゆさゆさゆさ
「んん〜ん?」
誰かが俺の身体を揺さぶる
一体誰だ、気持ち良く眠っているのに
身体を起こすと
目の前には学級委員長がいた。
「次の授業は体育だぞ」
「早く準備をしてくれ」
「はぁ」
「はぁってな、シャキッとしてくれ」
「そんな事じゃケガするぞ!」
委員長に喝を入れられた。
しかたが無い、椅子から立ち上がり
スマホのタイマーを切って
教壇に置いてある
貴重品袋に財布とスマホを押し込んだ
クリップボードに名前と袋に入れた物を書く
係の者が済のハンコを押した
「もう貴重品はないかー!」
クラスメイトに呼びかける。
どうやら俺が最後のようだ。
トコロで今日の体育はどこだろう
貴重品係に聞いて見ると
体育館だそうだ。
とっとと着替えて体育館に行かなければ。
教室の隅では
委員長が俺の事をジッと見ている。
そんなに見つめなくても
いま着替えているだろう?
体操着に着替えて、ロッカーから
体育館履きを持ち出す。
委員長を見ると
右腕を振って
早く教室から出ろと促している。
ハイハイ、判ってますよ
せわしないなぁ〜
俺が教室を出ると
委員長は戸を閉めてカギを掛けた
「なんだ? 先に行っててもいいのに」
別に待ってた訳じゃないけどね
もし遅刻してもさ
委員長と一緒ならばお咎め無しだろ。
「トコロで、お前最近どうしたんだ」
「授業中はボンヤリしてるし」
「休み時間は寝てばかり」
さすが俺の親友、シッカリ見ている。
「今学期に入ってからさ」
「宿題が増えただろ?」
「毎晩遅くまで掛かっててさ〜」
「まぁ、皆んな似たような者だろうけどね」
「俺には、かなりキビシイ」
すると。
「お前が帰宅部だからだよ」
「何かさ、来年度から文武両道の精神で行くとか言ってて」
「今学期は試しに」
「部活やってる者と帰宅する者の宿題の量を調整してるんだ」
なんですとー!
「そんなの聞いて無いよ?」
そう、初耳だ。
「その内、校長先生から発表がある」
「それまで、いま聞いた話しは内緒にしておいてくれ」
それは構わないけどさ。
「うちの高校を進学校にでもするつもりかな」
廊下を歩きながら、声をひそめて話し合う。
「いや、少子化対策だと思うな」
「確かに今年の新入生は少なめだったけど」
文武両道って言う付加価値を付ければどうにかなるのか?
俺には判らないけど
これ以上宿題が増えるのは
カンベンして欲しい。
終