日々の僕たち

 なんて言うかさ
 まぁ、もったいぶる事でも無いか。
 
 卒業を前にして
 言う事でも無いのだろうけど。

 学校に通うのも飽きて来たかな
 授業のレベルは低いし
 クラスメイトだって呆れたヤツばかりだ。

 そもそも好きで進学した訳では無い
 両親がどうしてもって言うから。

 いや、違うかな。

 両親がどうこう言おうが
 押し切る事は出来たはずだ
 あの時のオレは学園生活に何かを
 期待していた。

 新しい友人
 刺激的な知識
 尊敬できる教師
 充実した部活動
 こんなところかな? 全て期待外れだったけどね。

 いっその事
 退学してしまおうか。

 でもなぁ
 オレの家の隣に住んでいる大学生の姉ちゃん
 小さな頃から世話になってるんだけどさ、オレが三年生になってから
 『私が通う大学に進学しておいでよ』
 とか言い出して。

 どう言うつもりだろう
 わかんねーなー
 オレが日頃から学校の愚痴をこぼしているから
 大学生活の楽しさでも教えてくれるのか?
 
 まぁ、それも悪くは無いけど
 いつまでも世話になりっぱなしと言うのもなぁ。

 今までの恩返しのつもりで
 大学を受験してみるか。

 そうと決まれば、さっそく連絡を
 いや、待てよ
 それ以前にオレの家には大学へ通うだけの金が有るのか?
 親父はそれなりの役職に就いている
 家と車のローンも払い終わってるとか聞いた事が有る。

 でも、一応確認を。

 SNSで親父にメッセージを送信
 『オレ、大学へ進学します』
 
 しばらくして返信
 『判った、詳しい話しは帰ってから聞こう』

 これで良しと。

 次は姉ちゃんの方だ
 『大学に進学します』
 送信っと
 ワッ! 秒で返信が来た。

 『本当に! 私待ってる♡』
 
 ハハッ熱烈歓迎だな
 これは是が非でも大学受からないと
 よし、これから勉強だ!



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