日々の僕たち

 「アチィー」
 今日も朝から暑いぞ
 一体どうなってるんだ。

 「だから家にしようって言ったのに」
 そこのコンビニでアイスでも買ってこようかな。

 「俺のお袋うるさいんだよ」
 「勉強しろってさ」
 そりゃあ俺だって 将来は一人前になりたいけどさ
 顔を合わせれば勉強しろって
 鬱陶しいだけだよ。

 「僕の家も 似たようなものだよ」
 「夏休みの宿題は毎日やってるの?」
 きちんと勉強している所を見せれば、そんなにうるさく言われないと思うけどな。

 「宿題なんてやってないよ」
 「お前の終わったら 写させてくれ」
 俺がいつも赤点 ギリギリなのは知ってるくせに。

 「それは構わないけどさ」
 「書き取りとか自由課題はどうするの?」
 一応聞いておかないと
 代わりにやっておいてくれ! とか言われかねない。

 「書き取りは明日からでも少しずつやるよ」
 「自由課題は AI にやらせればいい」
 そうさ、ゲームを遊ぶだけのハイスペック PC じゃないぜ
 AI だって バリバリだ。

 「先生が AI は禁止だって言ってなかったっけ」
 「プリント 読んでないの?」
 この分じゃ読んでないだろうな。

 「そうなのか、でも大丈夫だ」
 「お前が 添削してくれればいい」
 これぞハイブリッド 戦略!
 われながら グッドアイディアだ。

 「添削ぐらい、してもいいけどさ」
 「僕の課題と同じような感じになると思うよ」
 「さすがに先生も見抜いちゃうよ」
 これで 諦めてくれればいいけど。

 「そこはお前の腕の見せ所だぞ」
 「いかにも 俺がやったように書いてくれればいい」
 そう、お前にはそれだけの才能がある
 能ある鷹は爪隠す というやつだ。

 「腕の見せ所って言われても」
 「そんなチート能力 持ってないよ」
 全く仕方がないなぁ。

 「とにかく 任せた 頼りにしてるぞ」
 それにしても暑い
 そこのコンビニでスポーツドリンクでも買うか。

 「あれ、どこ行くの?」

 「コンビニだ」

 「待って 僕も行くよ」 

  

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