日々の僕たち
今日は 登校してから、まだ誰とも話をしていない。
クラスメイトたちは、お互い ピーチクパーチク
よくもあれだけ 話が続くものだ。
おっ、友人が近寄ってくるぞ
「よお!」
手を振って声をかけた。
友人は、すまなそうに顔の前で平手を切って
俺をスルー
少し後ろのクラスメイトと話を始めた
俺とは話ができないと言うことか
仕方がない 誰か適当な相手を探して と、あの辺りが盛り上がってるぞ
俺も入れてもらおう。
席を立ち 数人のクラスメイトへ近づく
「よお! 何盛り上がってるんだ」
笑顔で仲間に加わる。
すると、
リーダー格の一人が
「おいおい! いきなりなんだよ? お呼びじゃないってーの」
そう言うと数人のクラスメイトたちと一緒に他の場所へ移った。
何かがおかしい。
俺は四月ガチャの洗礼を受けているのか。
そんなバカな、今更になってソレはありえない
ま、こんな日もあるさ。
結局その日は 教師以外誰とも話をしなかった。
その日?
まぁ、何と言うか 今日で 誰とも話さなくなって三日目だ
一体どうしたんだろう
このままだと 俺は確実に忘れ去られる
そしてある日、思い出したように陰キャの烙印を押されるんだ。
勘弁してくれよ
でも、まだ仲間外れにはされていないようだ。
あくまで 主観だけどね。
本当のところ クラスメイトは俺のことをどう思っているんだろう
誰かに聞いてみるか
いや、それこそ奴らの思う壺だ
下手に聞いたら、奴らは俺を見下すだろう。そのうち 下僕なんて呼ぶかもしれない。
さすがに 下僕はないか。
俺は、たまたま クラスメイトのどうでもいいやつ というツボにはまったんだろう。
理由がわかれば対応は簡単だ
クラスメイトの鼻をあかせてやればいい。
しかし どうやって?
とりあえず勉強かな
次の授業では積極的に発言してみよう
ちょうど 得意の数学だし。
おっ、始業のチャイムが鳴ったぞ
よし! いっちょこいやー。
授業が始まると 俺は積極的に手を上げ、教師が黒板に書く 難問も苦もなく 正解を叩き出す。
どんなもんよ。これで少しは俺を見直したろ
そして授業は俺のワンマンショーで終わった
数学教師からは高い評価を得ることができた。
しかし。
クラスメイトが俺を見る視線がシラケているのは気のせいだろうか。
まだ足りないってーのか
次の授業は世界史
やってやろうじゃないか
俺は世界史の教科書を開くと 予習を始めた。
授業に出てくる範囲を徹底的に頭に叩き込む。
「ねえ!」
はん、なんだうるさい。
「ねえってば」
しゃーないな
「何の用だい」見上げると一人の女子が俺を見つめている。
「君、勉強できるんだね」
「一緒に 次の授業の予習をしない?」
「その方が効率よく進むと思うんだ」
ライバル登場か、受けて立つぜ?
「俺の方は問題ない、そっちはいいのか?」
「もちろん!」
名も知らぬ女子は弾む声で答えた
そして空いていた椅子を持ってきて
俺と向かい合わせに座った
「さ、始めましょう」
手加減は無しだぜ、本気モードで行かせてもらう!
「おう!」
「で、早速 ここなんだけど」
なんだ、こんなことか そこは······
いや待て安易に正解を示すのは予習にならない。
「君はどう思う? 話を聞いてみたいな」
少し意地が悪いかな、でもこんなものだろう。
「そうねぇ」
「要するに重要なのは 世界恐慌の原因 ね」
なかなか出来るな
普通は世界恐慌の経済的損失の方に目が行きがちだ。
「そうそう」
「経済だけではなく 世界情勢も頭に入れておかないと」
そうして俺と彼女は
とても有意義な時間を過ごした。
「もうすぐ始業のチャイムが鳴るわ」
「次の授業もよろしくね」
おいおい、世界史の次は
「体育だよ」
彼女は頭をかいて
「てへへ、そうでした」
「それじゃあ 体育が終わったらね」
俺は微笑みを浮かべて
「判った」
彼女は手を振りながら自分の席へ戻って行った。
名も知らぬ 彼女か
今はそれでもいい
少なくとも 退屈はしないからな
さ、世界史 頑張るぞー!
終
クラスメイトたちは、お互い ピーチクパーチク
よくもあれだけ 話が続くものだ。
おっ、友人が近寄ってくるぞ
「よお!」
手を振って声をかけた。
友人は、すまなそうに顔の前で平手を切って
俺をスルー
少し後ろのクラスメイトと話を始めた
俺とは話ができないと言うことか
仕方がない 誰か適当な相手を探して と、あの辺りが盛り上がってるぞ
俺も入れてもらおう。
席を立ち 数人のクラスメイトへ近づく
「よお! 何盛り上がってるんだ」
笑顔で仲間に加わる。
すると、
リーダー格の一人が
「おいおい! いきなりなんだよ? お呼びじゃないってーの」
そう言うと数人のクラスメイトたちと一緒に他の場所へ移った。
何かがおかしい。
俺は四月ガチャの洗礼を受けているのか。
そんなバカな、今更になってソレはありえない
ま、こんな日もあるさ。
結局その日は 教師以外誰とも話をしなかった。
その日?
まぁ、何と言うか 今日で 誰とも話さなくなって三日目だ
一体どうしたんだろう
このままだと 俺は確実に忘れ去られる
そしてある日、思い出したように陰キャの烙印を押されるんだ。
勘弁してくれよ
でも、まだ仲間外れにはされていないようだ。
あくまで 主観だけどね。
本当のところ クラスメイトは俺のことをどう思っているんだろう
誰かに聞いてみるか
いや、それこそ奴らの思う壺だ
下手に聞いたら、奴らは俺を見下すだろう。そのうち 下僕なんて呼ぶかもしれない。
さすがに 下僕はないか。
俺は、たまたま クラスメイトのどうでもいいやつ というツボにはまったんだろう。
理由がわかれば対応は簡単だ
クラスメイトの鼻をあかせてやればいい。
しかし どうやって?
とりあえず勉強かな
次の授業では積極的に発言してみよう
ちょうど 得意の数学だし。
おっ、始業のチャイムが鳴ったぞ
よし! いっちょこいやー。
授業が始まると 俺は積極的に手を上げ、教師が黒板に書く 難問も苦もなく 正解を叩き出す。
どんなもんよ。これで少しは俺を見直したろ
そして授業は俺のワンマンショーで終わった
数学教師からは高い評価を得ることができた。
しかし。
クラスメイトが俺を見る視線がシラケているのは気のせいだろうか。
まだ足りないってーのか
次の授業は世界史
やってやろうじゃないか
俺は世界史の教科書を開くと 予習を始めた。
授業に出てくる範囲を徹底的に頭に叩き込む。
「ねえ!」
はん、なんだうるさい。
「ねえってば」
しゃーないな
「何の用だい」見上げると一人の女子が俺を見つめている。
「君、勉強できるんだね」
「一緒に 次の授業の予習をしない?」
「その方が効率よく進むと思うんだ」
ライバル登場か、受けて立つぜ?
「俺の方は問題ない、そっちはいいのか?」
「もちろん!」
名も知らぬ女子は弾む声で答えた
そして空いていた椅子を持ってきて
俺と向かい合わせに座った
「さ、始めましょう」
手加減は無しだぜ、本気モードで行かせてもらう!
「おう!」
「で、早速 ここなんだけど」
なんだ、こんなことか そこは······
いや待て安易に正解を示すのは予習にならない。
「君はどう思う? 話を聞いてみたいな」
少し意地が悪いかな、でもこんなものだろう。
「そうねぇ」
「要するに重要なのは 世界恐慌の原因 ね」
なかなか出来るな
普通は世界恐慌の経済的損失の方に目が行きがちだ。
「そうそう」
「経済だけではなく 世界情勢も頭に入れておかないと」
そうして俺と彼女は
とても有意義な時間を過ごした。
「もうすぐ始業のチャイムが鳴るわ」
「次の授業もよろしくね」
おいおい、世界史の次は
「体育だよ」
彼女は頭をかいて
「てへへ、そうでした」
「それじゃあ 体育が終わったらね」
俺は微笑みを浮かべて
「判った」
彼女は手を振りながら自分の席へ戻って行った。
名も知らぬ 彼女か
今はそれでもいい
少なくとも 退屈はしないからな
さ、世界史 頑張るぞー!
終