日々の僕たち
国民の潜在能力を覚醒させる装置
首相がそのボタンを押してから一時間が経った。
今のところ僕には何の変化もない
家族も同様。
「ただのハッタリだったんじゃないのか?」兄が誰に聞かせるでもなく言った
「どういう事なの?」
僕が兄に聞くと、兄からは意外な答えが返って来た。
「騙されたんだよ、初めから装置なんて無かった」さらに続ける
「国民が慌てふためいている間に裏では何か別の事が行われていたんだ」
「確かにその可能性は大いに有るな」
父も兄と同じ事を考えているようだ
「あらあら、それなら私は子供を産まなくていいのね」
母はホッとしているが何か勘違いしているようだ。
潜在能力の覚醒と少子化問題は違うよね。
でも裏で行われていた事って何だろう
気にはなるけど僕の頭では想像もつかない。
兄に聞いてみよう
「兄さん、さっきの事だけど」
「悪い、ちょっと待ってくれ」
兄は苦しそうに頭を押さえている。
「頭でも痛いの? 頭痛薬を持ってくるよ」僕が話しかけると
「いや、大丈夫だ」
「この騒ぎで朝からろくに食べていない」
「多分そのせいだろう」
そう言ってゆっくりとしゃがみこんだ。
空腹と頭痛は関係ないような気がするけど、僕もお腹が空いていた
母に食事の用意をしてもらおう。
そして
台所に行くと母が倒れていた。
大きく目を見開いて口からは泡を吹いている。
「母さんどうしたの?」
呼びかけて体を揺するが反応がない。
大変だ!急いで皆んなに知らせないと
台所から居間に戻ると
父と兄も倒れていた
状態は母と一緒だ。
どうしよう、とにかく誰かに助けを求めないと!
玄関のドアを開けると目の前に自衛官がいた。
ちょうど良かった
「大変なんです、助けてください!」
「家族がみんな倒れてしまって」
「君は大丈夫なのかい?」
自衛官はそう言うと拳銃を取り出して僕の額に銃口を当て、引き金を引いた。
終
首相がそのボタンを押してから一時間が経った。
今のところ僕には何の変化もない
家族も同様。
「ただのハッタリだったんじゃないのか?」兄が誰に聞かせるでもなく言った
「どういう事なの?」
僕が兄に聞くと、兄からは意外な答えが返って来た。
「騙されたんだよ、初めから装置なんて無かった」さらに続ける
「国民が慌てふためいている間に裏では何か別の事が行われていたんだ」
「確かにその可能性は大いに有るな」
父も兄と同じ事を考えているようだ
「あらあら、それなら私は子供を産まなくていいのね」
母はホッとしているが何か勘違いしているようだ。
潜在能力の覚醒と少子化問題は違うよね。
でも裏で行われていた事って何だろう
気にはなるけど僕の頭では想像もつかない。
兄に聞いてみよう
「兄さん、さっきの事だけど」
「悪い、ちょっと待ってくれ」
兄は苦しそうに頭を押さえている。
「頭でも痛いの? 頭痛薬を持ってくるよ」僕が話しかけると
「いや、大丈夫だ」
「この騒ぎで朝からろくに食べていない」
「多分そのせいだろう」
そう言ってゆっくりとしゃがみこんだ。
空腹と頭痛は関係ないような気がするけど、僕もお腹が空いていた
母に食事の用意をしてもらおう。
そして
台所に行くと母が倒れていた。
大きく目を見開いて口からは泡を吹いている。
「母さんどうしたの?」
呼びかけて体を揺するが反応がない。
大変だ!急いで皆んなに知らせないと
台所から居間に戻ると
父と兄も倒れていた
状態は母と一緒だ。
どうしよう、とにかく誰かに助けを求めないと!
玄関のドアを開けると目の前に自衛官がいた。
ちょうど良かった
「大変なんです、助けてください!」
「家族がみんな倒れてしまって」
「君は大丈夫なのかい?」
自衛官はそう言うと拳銃を取り出して僕の額に銃口を当て、引き金を引いた。
終