日々の僕たち

 今日は休日だけどさ、
 特にする事も無し。
 
 だから自室のベッドの上でゴロゴロしながら
 SNS でトークしているんだけどね。

 トークの相手は、あえて序列をつけるのならば
 一番の親友。まぁ、僕から見ての話で相手はどう思ってるか判ら無いけどさ
 ついでに言うと高校生だと言っているけど本当かどうかも判ら無いしね〜
 それでも大切な親友。

 現役高校生の僕から見て、
 昔の話題でマウントを取って来ようとして、トークがギクシャクしたりするけど、もし本当は三十代とか四十代でも
 僕は一向に構わないよ? それよりも年齢を偽っている事を気にしているのだとしたら「そんな事は関係ないよ」って言ってあげたい。

 思い切って今尋ねてしまおうか。

 嘘の上塗りほど辛い事はないからね。

 それでは早速
 「本当は高校生じゃありませんよね」
 ポチッと。

 しばしの沈黙。

 おっ! 返信だ
 なになに、
 「やはり判ってしまいますよね」
 「本当は三十二歳です」
 「今まで騙していてごめんなさい」
 
 僕は何と答えればいいのだろう?
 そうだな、
 「騙されたとは思っていませんよ」
 「それに僕も嘘をついています」
 
 彼は一番の親友だ、本当の事を打ち明けよう。

 「僕、本当は女の子なんですよ」

 再び沈黙。

 返ってきた
 「冗談ですよね?」
 「信じられません」

 僕の返信は
 「冗談ではありませんよ」
 「僕は正真正銘17歳の女子高生です」
 「男子を装っていたのは SNS での僕なりの処世術です」
 「こちらこそ今まで嘘をついていて」
 「ゴメンナサイ」
 ポチッと。

 きたきた、どれどれ?
 「君が未成年さらに女の子と来れば俺は犯罪者になりかねません」
 「グルーミングはご存知ですか?」
 「もし判らなければ検索してみてください」
 「こんな形でお別れするのは残念ですが」
 
 えっ? ちょっと待ってよ!

 「今までありがとうございました」

 「待ってください何もそこまでしなくても」
 ダメだブロックされている。

 あ〜ぁ、本当の事なんて言うんじゃなかった。
 
 
終 
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