日々の僕たち

 ムクリ!
 「ふわぁ〜あああああっと!」
 目を覚まし、ワザとらしく大あくびをしてみる。

 シーンと静まり返り無音が耳に痛い。

 しばらく様子を見るが人の気配は無し
 「やはりね」
 と、言うか今日は皆んな出掛けると昨日夕食のとき話をしていた。

 時計を見ると午前11時28分
 お腹が空いたよ〜
 そう言えば昨晩なにか用意して置くと母が言ってたっけ。

 「それでは早速いただくとしよう!」

 パジャマのまま部屋を出て階段をドタドタと降りていく
 身だしなみで文句を言われないのが、こんなにも晴やかだとは!
 コレならば毎日留守番でもイイね〜
 はい! ダイニングキッチンに到着。

 まずは乾いた喉を潤すべく、ウォーターサーバーから冷たい水をコップに1杯
 「ゴクゴクゴク、プハァ〜」
 身体中にミネラルが行きわたる!
 ・・・まぁ、あくまでイメージだけど
 しかし本当に行きわたってくれないと!
 高いミネラルウォーターを買っているのだからね! 親が。

 ところで私の食事の用意は?
 辺りをキョロキョロ見回すとテーブルの上に一枚の紙が。

 「あれかな?」

 どらどら?
 "冷蔵庫にオートミールが入っています温めて食べてください 母より"

 オートミール? なんぞ? 聞いたことないよ。

 冷蔵庫を開けてみると片手鍋が入っていた
 「コレかな?」
 片手鍋を取り出し冷蔵庫を閉める
 そして、じっと見てみるが
 ラップが曇っていてよく見えない

 「フッ! こんなラップなど!」
 曇っているラップを一思いに剥がすと
 中には「雑炊?」

 なんだ雑炊のことか〜母上紛らわしい物を!

 それではコンロに置いてスイッチポン!
 早く温まらないかなぁ〜
 もうお腹ペコペコだよ。

 そこで気がつく
 もしかして電子レンジの方が早いのでは?
 でも面倒だし、洗い物も増える! やめておこう。

 「おっ!」表面に小さな泡がプツプツと立ち始めた
 「よし!その調子だ、頑張れ頑張れ」
 温まるにつれ、いい匂いもしてきた
 これは期待してもいいかも?

 泡がプクプクと湧き出した
 温め過ぎると食べる時冷ますのが面倒だから、このくらいでいいかも
 ではスイッチポン!
 ハイ!出来上がり〜!

 鍋敷きをテーブルの上に乗せ
 片手鍋を置く
 さて、スプーンで食べるか? れんげで食べるか?
 食器棚を探してみるが両方とも見つからない、一体どこにあるのやら
 「こっちの引き出しだったかな?」
 あった! れんげ発見やったね。

 席について早速食べよう!

 「いっただきまーす!」

 「ハフ、モグモグ」ゴクン!
 「これは美味しい! 母上腕を上げたな?」帰ってきたら肩でも揉んであげよう

 「ハフ、モグモグ」
 「美味し〜い!」


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