日々の僕たち
朝起きて居間へ入ると家族がテレビを見ながら何やら騒いでいる
僕が「何があったの?」と、聞くと
父が「ニュースを見てみろ」と。
どれ、眠い目をこすってテレビを見ると、お馴染みの解説者が何やらボタンがどうのと言っている
まさか? 「核のボタン!」
僕が叫ぶと家族一同「違う!」全否定
「それならば特に興味はないよ? 早くご飯にして」すると兄が
「ご飯なんか食べてる場合じゃないぞ核のボタンより、もっとヤバいやつが」
なんか胡散臭いがテレビを見てみる事にした
なるほど要約すると、地球を覆っている電波を静止衛星で増幅して日本に照射国民の脳波とシンクロさせて眠っている潜在能力を目覚めさせる。か……
で、そのボタンを今日の正午に総理大臣が押すそうだ。
「兄さん何がヤバいの?」
兄は呆れた顔で「お前バカか? 勝手に頭をいじられるんだぞ!」そして続ける「潜在能力とは言っているけど、国民を都合のいいように操るための電波かもしれない」
都合のいいように? 何のために……
ハッ「まさか戦争!」それは確かに困る僕はまだ戦争に行きたくない!
すると父が「飛躍しすぎているぞ? ニュースをちゃんと聞け、政府は戦争目的を否定している」
確かに解説者はそう言っているし、テロップも戦争のための動員や選挙対策ではないと流れている。
だったらそんなに心配する事はないのでは? でも潜在能力というのがちょっと気になってきた。誰もが持っている秘められし力ねぇ〜
兄に聞いてみた「例えば僕の潜在能力って何?」「そんなの知るか」即答ですか! 「俺だって自分の潜在能力なんて知らないし」大学院生の兄が言うのだから間違いはないのだろう
では国家は何のためにそんな事をするのだろう?
「経済問題に少子化? 私に子供を産めとでも言うのかしらねぇ」母が嘆く
父がコホンと咳払いをしてから
「国難とは言うが今に始まった事ではないだろう? 長い間かかって出した結論がこれか! お粗末だな」
兄は「もし手に負えない潜在能力が目覚めたら、どうするつもりなんだ?」
僕は思わず「警察か自衛隊がなんとかするんじゃないの」兄はすかさず
「そこなんだよ! 国民に銃を向けるつもりなのか?」
うーん、だんだんややこしくなってきたぞ
もう僕の手には負えない
「兄さん後は頼むよ、お腹すいた」
「そうね急いで朝ごはんの支度をしないと」
「母さんお茶を頼む渋いやつな」
「お父さんお茶ぐらい自分で淹れてくださいな」仕方がない僕が用意するか
「父さん僕が淹れるよ」
「そうか頼む」父はそう言うと座椅子に座り新聞を読み始めた
ちらりと兄を見るとテレビに釘付けだ
いつもならばすぐにPCに向かうのに
僕はポケットからスマホを取り出し電源を入れた
シッポのロゴマークが出て、すぐに画面が切り替わった「只今緊急事態につきまして通信制限を行っております?」
「PCも同じだ」兄が忌々しげに言った
「用意周到だな朝刊には本日政府より緊急発表。と、しか載ってない」
父も納得いかない様子。
僕は、その時窓の外から赤い光が差し込んだ
慌ててカーテンを開けようとすると兄が「見るな撃たれるぞ!」
「え!」慌てて窓から離れる
すると兄が「悪い、冗談だよ」
「警察と自衛隊の車列だ」
父が新聞を折り畳みながら言った
「暴動でも起きると思っているんだろう、これが今の政府のやり方だ国民にお願いをしておいて一欠片も信用していない」イライラしているのか諦めているのか、相変わらず父の表情は読み取りづらい
「お茶の用意をしてくるよ」
僕は居間を離れた。
正午まであと四時間
ボタンが押されたら僕はどうなってしまうのだろう? 急に恐くなって体が震え出した。
終
僕が「何があったの?」と、聞くと
父が「ニュースを見てみろ」と。
どれ、眠い目をこすってテレビを見ると、お馴染みの解説者が何やらボタンがどうのと言っている
まさか? 「核のボタン!」
僕が叫ぶと家族一同「違う!」全否定
「それならば特に興味はないよ? 早くご飯にして」すると兄が
「ご飯なんか食べてる場合じゃないぞ核のボタンより、もっとヤバいやつが」
なんか胡散臭いがテレビを見てみる事にした
なるほど要約すると、地球を覆っている電波を静止衛星で増幅して日本に照射国民の脳波とシンクロさせて眠っている潜在能力を目覚めさせる。か……
で、そのボタンを今日の正午に総理大臣が押すそうだ。
「兄さん何がヤバいの?」
兄は呆れた顔で「お前バカか? 勝手に頭をいじられるんだぞ!」そして続ける「潜在能力とは言っているけど、国民を都合のいいように操るための電波かもしれない」
都合のいいように? 何のために……
ハッ「まさか戦争!」それは確かに困る僕はまだ戦争に行きたくない!
すると父が「飛躍しすぎているぞ? ニュースをちゃんと聞け、政府は戦争目的を否定している」
確かに解説者はそう言っているし、テロップも戦争のための動員や選挙対策ではないと流れている。
だったらそんなに心配する事はないのでは? でも潜在能力というのがちょっと気になってきた。誰もが持っている秘められし力ねぇ〜
兄に聞いてみた「例えば僕の潜在能力って何?」「そんなの知るか」即答ですか! 「俺だって自分の潜在能力なんて知らないし」大学院生の兄が言うのだから間違いはないのだろう
では国家は何のためにそんな事をするのだろう?
「経済問題に少子化? 私に子供を産めとでも言うのかしらねぇ」母が嘆く
父がコホンと咳払いをしてから
「国難とは言うが今に始まった事ではないだろう? 長い間かかって出した結論がこれか! お粗末だな」
兄は「もし手に負えない潜在能力が目覚めたら、どうするつもりなんだ?」
僕は思わず「警察か自衛隊がなんとかするんじゃないの」兄はすかさず
「そこなんだよ! 国民に銃を向けるつもりなのか?」
うーん、だんだんややこしくなってきたぞ
もう僕の手には負えない
「兄さん後は頼むよ、お腹すいた」
「そうね急いで朝ごはんの支度をしないと」
「母さんお茶を頼む渋いやつな」
「お父さんお茶ぐらい自分で淹れてくださいな」仕方がない僕が用意するか
「父さん僕が淹れるよ」
「そうか頼む」父はそう言うと座椅子に座り新聞を読み始めた
ちらりと兄を見るとテレビに釘付けだ
いつもならばすぐにPCに向かうのに
僕はポケットからスマホを取り出し電源を入れた
シッポのロゴマークが出て、すぐに画面が切り替わった「只今緊急事態につきまして通信制限を行っております?」
「PCも同じだ」兄が忌々しげに言った
「用意周到だな朝刊には本日政府より緊急発表。と、しか載ってない」
父も納得いかない様子。
僕は、その時窓の外から赤い光が差し込んだ
慌ててカーテンを開けようとすると兄が「見るな撃たれるぞ!」
「え!」慌てて窓から離れる
すると兄が「悪い、冗談だよ」
「警察と自衛隊の車列だ」
父が新聞を折り畳みながら言った
「暴動でも起きると思っているんだろう、これが今の政府のやり方だ国民にお願いをしておいて一欠片も信用していない」イライラしているのか諦めているのか、相変わらず父の表情は読み取りづらい
「お茶の用意をしてくるよ」
僕は居間を離れた。
正午まであと四時間
ボタンが押されたら僕はどうなってしまうのだろう? 急に恐くなって体が震え出した。
終