日々の僕たち

 ドドドドド!
 凄まじい雨だ
 立ち上がる雨霧で外がよく見えないぞ
 この雨で学校に登校させるなよ
 まったく!

 それで体育館に集まって校長先生の話というのが「防災についての心構え」
 そんな事わざわざ話なくったって
 SNS のグループで送信すればいい事じゃないか? 生徒の身を危険にさらしてどうする!
 
 「これでは家まで帰れないじゃないか」 いつのまにか隣に友人がいた
 はいはい、おっしゃる通りです
 「今夜は学校にでも泊まりかな」
 あくまで冗談として返したのだが
 「さっき先生達が話してたぜ? 帰宅困難な生徒を学校に泊めるとか何とか」
 マジかそれ? 
 「でもさ、帰宅困難の目安って何で決めるんだ?」
 友人は少し考えてから
 「例えば電車とかバスが運行中止してる所?」
 学校の近くまで通っている電車もバスも一本ずつだ
 「この学校とか?」
 さっきスマホで調べたらこの辺りの公共交通機関はほとんど運行中止だ
 その旨も友人に伝えた
 「本当かそれ?」
 「残念ながら本当だ」
 
ガラガラー!

 担任の先生が教室に入る
 「みんな席に着けー」
 ガタガタ! みんなが席につくと
 担任が話し始めた
 「今日はあいにくの天気だが学校の方でも色々と準備をしている」
 「まず歩いて帰れる範囲の者についてはそのまま帰宅をしてもらう」
 「それ以外の者については交通機関がストップしているので今日は学校に泊まってもらう」
 「何か質問はあるか?」
 教室がザワザワし始めた
 「静かにしろー」
 「特にないようなのでこれから帰宅組と泊まり組に分かれてもらう」
 「帰宅は教室の前へ泊まりは後ろへ分かれてくれ」
 クラスの1/3が帰宅、残りは泊まりといった感じだ
 意外と帰宅組が多いな
 俺は泊まり組になった。

 担任はスマホで何やら連絡を取った後
 「よし帰宅組は荷物を持って俺の後についてこい、泊まり組は体育館に行くように以上」
 「それと学級委員長」
 泊まり組の中に学級委員長がいた
 「みんなを体育館まで誘導してくれ、その後は俺が戻るまで待機」
 「わかりました」

 みんなでゾロゾロと廊下を歩き体育館に着くと、床には毛布が敷いてあり
 毛布の上にはクッキーの箱とペットボトルのドリンクが置いてある
 これが寝床と夕飯というわけだ。

 ところで俺たちの場所はどこだろう?
 学級委員長に聞くと先生が戻るまで待機してくれとの事だった
 仕方がない待つしかないか
 それにしてもこの手際の良さは何だろう? もしかしてこれがやりたくて俺たちを学校に呼んだのか?
 一体誰が何のために? 相変わらず大人の考える事はよく判らないな。






 
 
 
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