日々の僕たち

 「ん?」
 蝉の鳴き声がうるさい
 そろそろ起きるか? でもね〜察するにまだお昼頃
 それにせっかくの臨時休校
 もう少し眠っていないと勿体ない!
 
 しかし

 目が冴えてしまった以上起きるしかあるまい
 すべてはあの蝉のせいだ。

 ムクリ
 上半身を起こし大きく伸びをする
 「ふわぁ〜あっと!」
 プチン!
 「おっ?」部屋着にしているワイシャツの胸のボタンが飛んでいった
 このワイシャツは兄上のものを強奪したので、当然男物それなりに余裕がある
 しかし最近胸の辺りが窮屈だったのも事実、もしかして私の胸が兄上の体格を上回ったとか?
 「困った事になったもう兄上のワイシャツは着られない」
 自腹を切って部屋着を買う事になろうとは
 いや待てよ、兄上は体育会系だ
 もしかしたら新しいワイシャツはサイズが大きくなっているかもしれない!
 そうと決まれば早速兄上の部屋に潜入
 新しいワイシャツをゲットするのだ。

 はい、あっさりと潜入成功
 そりゃそうだ家には誰もいないからね
 さてと新しいワイシャツはどこかな?
 ふと、ベッドが気になる
 別にベッドの上でゴロゴロしたい! とかそういう訳じゃなくて、ベットの下ですよ奥さん?
 男子高校生のベッドの下と言ったらお約束のア・レ・で・す・よ!
 「どらどら?」ベッドの下を覗くと数冊の雑誌が見える
 フッフッフッやはりな
 それにしても兄上も自分の性癖がこんな事で晒されるとは思ってもいないだろう
 でも、
 「安心して?お兄ちゃん、この事は私だけの秘密にしといてあげるからね」
 ゴソゴソ……
 なになに?「ラブラブ my sister」「妹の下着」「君にもヤレる妹近姦」
 フッフフフッ
 なんじゃこりゃぁー!
 私狙われてるの? やられちゃうの?
 慌てて雑誌を元に戻すとしばし考え込む。

 あの爽やか兄貴がこんな煩悩に苛まれていようとは、知る由もなかった
 これからどうする? 一定の距離を取るか、今まで通りの妹でいるか
 一定の距離をとった場合、逆上して襲われる可能性もある
 「一体どうしたんだよ? なんで避けるんだよ!」みたいな感じでね
 と、なると今まで通りで行くしかないかな? 兄上には悪いけど、もうしばらく悶々としてもらっていよう。

 さて、そうなると新しいワイシャツを探さないと
 確かタンスの3段目に入っていたはず
 ゴソゴソ
 あったあった真新しいワイシャツだ
 早速広げて自分の体に当ててみる
 「ウム、一回り大きいぞ」
 早速着替えよう
 モソモソ
 ちょうどいいサイズ胸の辺りも苦しくないし
 ありがたく頂戴しよう
 今まで着ていたやつは適当に畳んでタンスにポイ。

 それじゃあもう変態の部屋に用はない
 さっさと自分の部屋に戻ろう。

 「妹ねぇ〜」 
 自室のベッドの上で仰向けに寝転ぶ
 とりあえず今は寝よう
 時間がもったいないからね。

 おやすみなさーい。





 

 
 


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