日々の僕たち

 今日も雨かここのところ多いな

 いつもは親友二人と下校するのだが
 夏休みの宿題の出来があまりにも悪く
 二人揃って居残ってやり直しだ
 まあ自業自得と言うやつかな?

 今日は雨なので部活も無し
 この時間にこの辺りを通るのも久しぶりだな〜
 
 そういえば以前、急に雨が降ってきた時に俺の傘に飛び込んできたクラスメイトの女子
 「また明日」だったかな? そんな思わせぶりな事を言い残して去っていったけど
 明日どころか新学期が始まっても全く進展はなし
 いわゆる社交辞令と言う事かな
 それとも俺の積極性が足りなかったとか。もしそうだとしたらちょっと惜しい事をしたかな
 でも急に馴れ馴れしく話しかけるのもな〜
 彼女がそれを望んでいたという確証は無いしね
 それとも、それぐらいは察しないといけないのかな? 「うーん」さっきから彼女の事ばかり考えている。

 もう考えるのはやめよう! 彼女はただのクラスメイトそれでいいじゃないか
 でもなー俺にとっては、またとないチャンス! 彼女いない歴16年にピリオドを打てるかもしれない。

 今日の彼女はどんな様子だったかな?
 席が隣なのに思い出せない!
 なんてこった! これじゃあ駄目だ。

 明日からは気をつけてみよう
 とは言え、ことあるごとにチラチラ見ていたらただの不審者だ
 クラスの女子の間で変な噂が立ちかねない、
 それは大いに困る!

 「つ〜! なんでこんな事で悩んでいるんだ俺は?」
 これと言うのもすべては彼女のせい
 いや駄目だ! これじゃただの逆恨みだ
 しかしなぁ〜
 なんか明日から学校へ行きたく無くなったぞ
 とは言え登校拒否は後々黒歴史になりかねない。

 どうする? 俺!

 思い切って聞いてみるか?
 確か彼女もクラスのSNSグループに入っていたはず
 個人宛にメッセージを送れば、俺のモヤモヤが晴れるかもしれない
 そうと決まれば急いで帰宅だ!

 そして30分後。

 「ただいま〜」
 はい到着!
 「随分早かったわね?部活はどうしたの」居間から母の声が聞こえる
 「今日は雨で中止だよ」
 午後から雨が降り出した事を知らないのか? と、なると……
 
 ガラガラ! 居間の引き戸が勢いよく開いて母が飛び出してきた
 「洗濯物、洗濯物が!」
 やっぱりね
 「手伝おうか?」
 母は慌てながらも
 「今日は少ないから大丈夫。ありがとうね」
 そう言って庭へと駆け出していった。

 俺はその言葉を確認すると急いで自分の部屋へ入る
 鞄を放り出すと、
 ポケットからスマホを取り出し早速彼女へメッセージを送る
 ポチポチポチ
 「今日宿題出てたっけ?」
 この辺りが無難だろう
 ポチッと送信ドキバク!

 しばらくすると返信があった。

 「数学の教科書34ページから38ページまで」
 おおおっ!
 至って普通だ! 特に不審に思われて無いぞ
 それではポチポチポチ
 「どうもありがとう助かったよ」
 送信、ポチッ
 フーッ……
 一時はどうなる事かと思ったが、これでとりあえずは一安心
 それと明日の朝に挨拶をするきっかけが出来た
 これは大いなる前進だ!
 ん?
 彼女から返信
 再びドキバク!
 開くぞ、開くぞ、ポチッ
 「どういたしまして明日もよろしく」

 明日もよろしく?

 俺何かしてるっけ?してないよな
 いや、そうじゃなくてさ!
 一体明日何が起こるんだ?

 ああああっ〜
 やっぱり明日学校休む〜
 なんて訳にはいかないか。




 
 
24/127ページ
スキ