日々の僕たち

 今日は三人でプールに行く予定だったが、朝から涼しい
 市営プールは屋外なので、これではちょっと泳ぐ気分じゃないな〜
 と、いう訳でプールは中止
 いつもの公園に集まる事になった。

 「これからどうするよ?」
 「少し曇ってきたな雨でも降るんじゃないのか」
 「僕はまだ宿題終わってないよ」
 二人ともクリティカルなネタだな。

 「雨はともかく。まだ宿題終わってないや」
 「同じく」
 「どうするの? 夏休みは今週で終わりだよ」
 今日は思い切って勉強会にするか。

 「俺の家に集まって宿題やらないか?」
 「まあ妥当なところかな」
 「明日はどうするの? 毎日宿題?」
 うむ、皆んなどれくらい宿題が残っているかによるな。

 「俺は3/4ほど終わっているが他はどうだ?」
 「ほとんど終わってるけどさ書取りに手をつけてないよ」
 「僕は美術の課題と書き取りが半分くらい」
 たいていの宿題はPCで何とかなるけど美術と書き取りはなぁ〜。

 「それじゃ二人は書き取りを集中的にやっつけて」
 「面倒だな、それに腱鞘炎にでもなったらどうする」
 「うんうん! 確かにそうだよね」
 まさか本当にそんな理由で書き取りの宿題をやってなかったとか?

 「冗談言ってる場合か? 後で泣きを見るぞ」
 「観念するしかないか」
 「やだなぁ〜」
 こいつらときたらしょうがないな。

 「とにかく書き取りだ。それが終わったら他の宿題手伝うよ」
 「ついでにお前がやってくれないか」
 「ナイスアイディア! それで行こうよ」
 おいおい宿題は自分でやってこそだぞ。

 「仮に俺がやってもだな筆跡でばれるぞ! 担任もそれが判らないほど馬鹿じゃない」
 「PCでやればいいじゃないか」
 「確か美術はPCで描いた絵をプリントアウトしても良かったはずだよ。適当に写真を撮ってさ、PCで加工してプリントアウトすればいいじゃない」
 こいつら悪知恵だけは働くな。

 「とにかく駄目だ! 全部自分でやる事!」
 「手伝うっていう話はどうなったんだ」
 「そうだよ親友に嘘をついたの?」
 嘘をついちゃいないが、駄目だこのままだと堂々巡りだ。

 「とにかく二人は書き取りの準備をして俺の家へ来る! 判ったな?」
 「なんだか面倒になってきた。俺、新学期居残りで宿題やってもいいや」
 「僕はなんだか手首が痛い」
 予想通りの答えだ、ならばこれでどうだ!

 「俺の家に来ればジュース飲み放題だぞ? 当然おやつもつく」
 「本当か! 紅茶はあるのか?」
 「僕はアイスが食べたい!」
 よし、流れを掴んだ。

 「紅茶は一通り揃えてある! アイスだって選り取り見取りだぞ?」
 「お前それを先に言えよ! 早速道具を持ってくる」
 「僕も急いで支度してくるよ」
 うまくいったな。それじゃあ俺は家で待機だ。

 そして一時間後

 「おーい! 紅茶おかわり」
 「僕もアイス今度はオレンジがいい」
 一体いつから俺はこいつらの召使いになったんだ? こっちの宿題が全く手につかないぞ
 しかし言い出した以上仕方がないか
 少なくとも二人の宿題は順調に進んでいる。

 「ほら紅茶だぞ今度はカモミールだ」
 「おっ! サンキュー」
 「あっ! このアイスキャンディ、オレンジ果汁80%だって」

 やれやれ俺の宿題はこいつらが帰ってからだな。


 
22/127ページ
スキ