日々の僕たち
学校からの帰り道
いつもならば親友とたわいの無い話をしながら、それぞれの家へと帰るのだが。
今日は住宅街とは逆方向、商店街へ向かってダッシュしている!
なぜなら今日は親友が半年前から楽しみにしていたプラモデルの発売日!
あまりの人気に予約が早々と終了してしまったという曰く付きの商品だ。
親友は予約が取れなかった。
しかし行きつけの模型店の店長から
当日販売分の入荷があると教えてもらい
それを手に入れるために急いでいるという訳。
「ハァハァハァ、少し休もうよ」
僕のペットボトルはもう空だ、ちょうど少し先に自動販売機がある
「悪い、それもそうだよな? 水買わないとちょっと持たないぞ」
今日の最高気温は29℃しかし湿度が高く蒸し暑い
熱中症になりかねない!
親友がミネラルウォーターを購入
続けて僕も同じものを購入
僕は早速キャップを開けて一口ゴクリ親友は熱心にスマホを見ている。
「よかった〜まだ在庫がある!」
親友もペットボトルのキャップを開けグビグビと飲み干した。
「こういう時は少しずつ飲むんだよ?」
僕はペットボトルを振りチャプチャプと音をさせながら言った。
「それどころじゃないだろ?」親友は焦りを隠せない
急ぐ気持ちは分かるけど、それとこれとは別だと思うよ?
ところで。
「どうして早めに予約を取っておかなかったの? 常連だから、それぐらい出来るでしょ」
僕はストレートに聞いた
付き合わされているんだから、これぐらいは当然だ。
親友はすかさず
「そういうやり方はフェアじゃない! 俺は嫌いだ!」
やっぱりね、僕の予想通りの答えだ
でも、そんなところが気に入っている。
だから僕も親友として付き合っているんだけどね〜思わず嬉しくなる
でもさ、予約が取れた人たちは皆んなその手を使っていると思うよ?
これは今言わない方がいいね。
「さて、そろそろ行くぞ」
親友はスマホをしまうと再びダッシュ!
「待ってよ! 急いだって店は逃げたりしないよ?」夜逃げは有るかも知れないけどさ
「店は逃げなくても商品が売り切れてしまう!」あくまで真剣な親友に対して僕は少しおフザケが過ぎるのかもしれない
反省反省。
しばらく走ると模型店が見えてきた!
「ゴールは近いね!」
「よっし!」
親友の眼差しは真剣だ。
店の前に着くと僕は外から店内の様子を伺った「ここからだとよく判らないね?」
お客さんの姿も見当たらない、と言うことは既に?
「コソコソするなよ! 入るぞ」親友がピシャリと言う
「ゴメンゴメンちょっとね?」気になるものは気になる仕方がないじゃん
自動ドアが開く。
よく空調が効いていて涼し〜い!
緊張気味に店内に入る親友、ちらりと店内に目配せ
やっぱり気になるよね? 判るよ、その気持ち。
新商品のコーナーに向かう
「あ!僕の欲しかった戦車が売ってる」
「俺の方は、チッ! 売り切れか」
新商品のコーナーに親友の欲しかったプラモデルはなかった。
その時
「何だお前ら? 来てたんだったら声ぐらいかけろよ!」
威勢のいい店長の声が店内に響く
「店長、すいません」
いつもの親友らしくない返事だ
それも仕方なしかな
「店長これ買いますよ!」
僕は戦車のプラモデルを脇に抱えて言った。
すると、二人ともちょっと待っててくれと言いながら店長はバックヤードへ消えた。
お互い顔を見合わせる。
「ほれ、一つ取り置きしといてやったぞ!」
バックヤードから出てきた店長の手には親友の求めていたプラモデルが!
「やったね!」僕は思わず声を上げた
しかし親友はきっぱりと言った
「それは買えませんよ」
相変わらず堅いなぁ〜素直になればいいのにね?
「俺の好意を受け取れないというのか」
店長の一言
真剣な眼差しで親友を見つめる
しばしの沈黙。
さすがは店長だね、こうなると親友が折れるしかない
「わかりました、どうもありがとうございます!」
親友は店長に頭を下げた。
「ハッハッハ!それ、二人とも早くレジに来い」
会計をしている親友は嬉しそうだ
店長も何やらニヤニヤしている
僕も会計を済ませて、店を出ようとしたら後ろから店長が一言
「また来いよ!」
めでたし~めでたし・・・だね!
終
いつもならば親友とたわいの無い話をしながら、それぞれの家へと帰るのだが。
今日は住宅街とは逆方向、商店街へ向かってダッシュしている!
なぜなら今日は親友が半年前から楽しみにしていたプラモデルの発売日!
あまりの人気に予約が早々と終了してしまったという曰く付きの商品だ。
親友は予約が取れなかった。
しかし行きつけの模型店の店長から
当日販売分の入荷があると教えてもらい
それを手に入れるために急いでいるという訳。
「ハァハァハァ、少し休もうよ」
僕のペットボトルはもう空だ、ちょうど少し先に自動販売機がある
「悪い、それもそうだよな? 水買わないとちょっと持たないぞ」
今日の最高気温は29℃しかし湿度が高く蒸し暑い
熱中症になりかねない!
親友がミネラルウォーターを購入
続けて僕も同じものを購入
僕は早速キャップを開けて一口ゴクリ親友は熱心にスマホを見ている。
「よかった〜まだ在庫がある!」
親友もペットボトルのキャップを開けグビグビと飲み干した。
「こういう時は少しずつ飲むんだよ?」
僕はペットボトルを振りチャプチャプと音をさせながら言った。
「それどころじゃないだろ?」親友は焦りを隠せない
急ぐ気持ちは分かるけど、それとこれとは別だと思うよ?
ところで。
「どうして早めに予約を取っておかなかったの? 常連だから、それぐらい出来るでしょ」
僕はストレートに聞いた
付き合わされているんだから、これぐらいは当然だ。
親友はすかさず
「そういうやり方はフェアじゃない! 俺は嫌いだ!」
やっぱりね、僕の予想通りの答えだ
でも、そんなところが気に入っている。
だから僕も親友として付き合っているんだけどね〜思わず嬉しくなる
でもさ、予約が取れた人たちは皆んなその手を使っていると思うよ?
これは今言わない方がいいね。
「さて、そろそろ行くぞ」
親友はスマホをしまうと再びダッシュ!
「待ってよ! 急いだって店は逃げたりしないよ?」夜逃げは有るかも知れないけどさ
「店は逃げなくても商品が売り切れてしまう!」あくまで真剣な親友に対して僕は少しおフザケが過ぎるのかもしれない
反省反省。
しばらく走ると模型店が見えてきた!
「ゴールは近いね!」
「よっし!」
親友の眼差しは真剣だ。
店の前に着くと僕は外から店内の様子を伺った「ここからだとよく判らないね?」
お客さんの姿も見当たらない、と言うことは既に?
「コソコソするなよ! 入るぞ」親友がピシャリと言う
「ゴメンゴメンちょっとね?」気になるものは気になる仕方がないじゃん
自動ドアが開く。
よく空調が効いていて涼し〜い!
緊張気味に店内に入る親友、ちらりと店内に目配せ
やっぱり気になるよね? 判るよ、その気持ち。
新商品のコーナーに向かう
「あ!僕の欲しかった戦車が売ってる」
「俺の方は、チッ! 売り切れか」
新商品のコーナーに親友の欲しかったプラモデルはなかった。
その時
「何だお前ら? 来てたんだったら声ぐらいかけろよ!」
威勢のいい店長の声が店内に響く
「店長、すいません」
いつもの親友らしくない返事だ
それも仕方なしかな
「店長これ買いますよ!」
僕は戦車のプラモデルを脇に抱えて言った。
すると、二人ともちょっと待っててくれと言いながら店長はバックヤードへ消えた。
お互い顔を見合わせる。
「ほれ、一つ取り置きしといてやったぞ!」
バックヤードから出てきた店長の手には親友の求めていたプラモデルが!
「やったね!」僕は思わず声を上げた
しかし親友はきっぱりと言った
「それは買えませんよ」
相変わらず堅いなぁ〜素直になればいいのにね?
「俺の好意を受け取れないというのか」
店長の一言
真剣な眼差しで親友を見つめる
しばしの沈黙。
さすがは店長だね、こうなると親友が折れるしかない
「わかりました、どうもありがとうございます!」
親友は店長に頭を下げた。
「ハッハッハ!それ、二人とも早くレジに来い」
会計をしている親友は嬉しそうだ
店長も何やらニヤニヤしている
僕も会計を済ませて、店を出ようとしたら後ろから店長が一言
「また来いよ!」
めでたし~めでたし・・・だね!
終