日々の僕たち
「退屈だな」
「だね」
「俺たち 来年受験生だよな」
「あ〜っ!そう言えばそうだった、今まで忘れていたのに 思い出したじゃないか!」
「俺は事実を言ったまでだぞ?」
「例えばこういうことだよ、来年受験生だからと言って肩肘張って勉強していると思うか?」
「それは····どうだろう、俺には判らないことだぜ?」
「少しは察してくれよ 勉強なんかしてないって」
「それじゃ 高卒で就職ってことか」
「俺の人生をもて遊ぶな」
「それじゃあどうするんだ、友人の俺だから言わせてもらうけど、お前の成績 そんな良くないだろ」
「それはそうだけどさ 高卒で働きたくなんかないよ」
「高い金払ってどこかの私立にでも入るのか?」
「おいおい 一体いつの時代の話だよ、今時 そんな私立ないって」
「それじゃあ今から勉強だな、頑張れば1年間で偏差値20は上がるぞ」
「なんでお前が俺の 偏差値 知ってるんだよ」
「そんなの 適当に決まってるだろ?お前だっていつも適当だし」
「否定はしないけどさ、この話はもうやめにしないか」
「そうだな 頑張れよ、 勤労少年!」
「いや、だからさ大学はちゃんと行くって!」
「ふぅ〜っ、お前さ 現実を見ろよ」
「ちゃんと見てるぜ、その上での進学 宣言だ!」
「今までチャラチャラ 遊んできてさ、よくそんなことが言えるもんだ」
「そういうお前はどうなんだよ?そっちだって 進学できるほどの 偏差値じゃないだろ」
「ハハッ当たり前じゃないか、いつも2人でつるんで 遊んでるんだから」
「その割には余裕に見えるぜ」
「俺には秘密兵器がある」
「なんかテストのたびに聞いたような気がするけど一応聞いてやるよ」
「そうか 友よ 判ってくれるか、俺の秘密兵器 それは!」
「それは?」
「一夜漬けだ!この能力で今まで何度も テストをくぐり抜けてきた」
「そうなんだよな お前 学年トップテンに入ってるからな」
「学年トップになったことだってあるぜ」
「なんだよ そのドヤ顔 ムカつくなー!」
「まあそういうなよ、なんなら コツを教えてあげてもいいんだぜ」
「そのコツとやらは俺にフィットする物なのか?」
「それはやってみないと判らないな」
「判った とりあえず 教えてくれ」
「そうか、それじゃあ行くぞ」
「お、おう」
「まず教科書とノートを見て判らないところを全て書き出す」
「ふむふむ、それで?」
「書き出したところを集中的に頭の中へ 叩き込む!この時 スマホで検索しながらやると便利だぞ」
「どうやって頭に叩き込むんだ」
「ノートに書き出したり あるいは 音読したり」
「ノートは判るが 音読 って何だよ」
「聞いての通り 読み込むことだ」
「それぐらい判るって!そうじゃなくてさ〜」
「声に出して読むのが恥ずかしいか?恥は捨てろ友よ」
「くう〜っ、そうだけどさ〜お前は本当にその方法で高い得点を取っているのか?」
「もちろんだとも!」
「判った 今日家に帰ったら早速 試してみるよ」
「そうか 頑張れよ!」
「当面の目標は休み明けのテストだ!」
「テスト範囲とか判らないことがあったらいつでも聞いてくれ」
「そうさせてもらうよ、ありがとな!」
終