日々の僕たち
「部活に参加するのも久しぶりだな」
部室の前で思わず口に出た言葉
今年は受験勉強で忙しくてさ
小説を書いている暇もなかったよ
でも、晴れて志望校に合格
文芸創作学科なので嫌と言うほど書けるぞ
コンコン!
入口の引き戸をノックして
「こんにちは〜」挨拶しながら引き戸を静かに開ける
パン!パンパンパン!
うわ、なんだ?いきなりクラッカーを鳴らされたぞ
「合格おめでとうございます!」
部員たちからの祝福の言葉
なんだ、そういう事か!あーびっくりした
「皆んな、ありがとう!一足先に決めさせてもらったよ」
少し恥ずかしかったけどさ 感謝の気持ちはしっかり表さないとな!
部長が近寄ってきて
「今日は最後までいるんだろう、掌編でも書いてくれよ」
「そのつもりです」
俺は応える。そしてカバンからノートPCを取り出す
「窓際の席が空いてるぞ」
部長は空席を指差す
「ありがとうございます」
部長に礼を言うと俺は席に向かう
途中で何人かの部員と挨拶を交わし席に着く
机の上でノートPCを開き電源を入れると急に懐かしさの波が押し寄せ、思わず涙が溢れそうになる
あと何回この部室で小説を書けるのかな。
終