日々の僕たち

「今だ! それそれ〜!」
 俺は敵機体の隙を突きアサルトライフルを撃ち込む!

 「僕だって遅れは取らないよ!」
 後方からはダチの機体が グレネードを投擲する。

 敵は グレネードの爆発効果【電磁波】でパニックに陥り、四方八方にマシンガンを乱射!

 俺とダチの機体はマシンガンをかわしながら敵に接近、そして俺は敵の射線を見切りタックルを決めた。互いの装甲板が弾けて火花が飛び散る!

 よろけた敵に、ダチの機体が急接近! 密着して両手に構えたハンドガンを情け容赦なく発砲「ヤッタ! スタックしたよ!」

 「よし、任せろ!」
 俺はアサルトライフルをパージして機体装備をブレードに変更、敵機体を一刀両断に切り捨てる! 

 「決まったな····」
 敵は爆炎につつまれた。

 モニターには【YOU WIN!】の表示が。
 「ヤッター!」俺とダチは歓声を上げ ハイタッチをする。

 「さて、ランキングは?」

 「脅威度SSSの敵だからね、かなり上がってるハズだよ!」

 報酬獲得画面をスキップして、全国ランキングの画面へ「ヤッタぜ! 6位だ!」

 「あとワンランクアップで全国大会出場権獲得だね!」ダチは喜んでいるけど、ココからが本番だ。何しろ トップ10のランカーは 今までの AI ではなく、俺たちと同じゲームプレイヤーだからな! 果たしてどんな戦い方をするのか、今のうちから 戦術を研究しておこう。

 「なぁ、これから動画サイトを見ないか?」
 
 「いいけど····あっ! さっそくライバルの研究だね!」

 「そんなところだ」とは言う物の上位ランカーの動画はあまり見たことがない。自分の手の内を明かしたく無いから動画をアップロードしてないと言うのもあるけどさ。

 「う〜ん、参考になりそうな動画は無いね」

 動画サイトを検索していたダチの手が止まる。

 「やっぱりか」
 予想していた事とはいえ、ぶっつけ本番になるのか。これは気を引き締めて行かないと!

 そのとき。

 ドンドンドン! 家のドアを叩く音が聞こえる。「随分と乱暴だな 一体どこのどいつだ」
 
 全くだ、ドアが壊れちゃうよ
 「ハイハイ、今いきますよ〜」

 僕は玄関に着くと壁に備え付けられたインターホンで様子を覗う。しかし誰もいない。
 それでもドアを叩く音は聞こえる。

 後からやってきた友人はインターホンを覗くと、傘立てから バットを取り出して僕にドアを開けろと合図を送る。

 僕はそれに応えてドアを開けた。

 すると「痛い!」と言う声と共にドアが何かに当たった。僕は開いたドアの隙間から顔を出し 外の様子を伺うと、女の人が倒れていた。

 はて、この人は····「お姉ちゃん!」
 半年ほど 行方知れずだったお姉ちゃんが玄関の前に倒れている。僕は外に出るとお姉ちゃんの身体を揺さぶりながら「お姉ちゃん大丈夫?」と呼び掛けた。

 「痛い〜」お姉ちゃんは頭を押さえている。多分 ドアが頭に当たったんだろう、とにかく ここに寝転がっていられると邪魔だ。僕はお姉ちゃんに肩を貸して身体を起こすと玄関前の脇に座らせた。

 「お姉様、大丈夫ですか?」後から出てきた友人が尋ねるとお姉ちゃんは「久しぶりね 下僕、お腹が空いたわ 何か持ってきて」

 友人は僕に向かって「何か食べ物ないかな」あいにく 今は 食べ物がない、さっき お母さんが買い物に出かけた。待てよ 確か カップ麺があったっけ「カップ麺でよければ あるよ」

 「カップ麺がどうしたって?」

 お母さんがちょうど 買い物から帰ってきた
 僕が今までの経緯を説明すると
 「なるほどねぇ、とりあえずここにいられると邪魔だから家の中に運びなさい」

 「はい!」僕と友人はお姉ちゃんに肩を貸すと家の中へ。お姉ちゃんを台所の椅子に座らせて、お茶を出した。

 お姉ちゃんはお茶をすすると「還って来たのね」そう言って涙を流した。

 あのお姉ちゃんが泣いてる!
 半年の間に一体何があったんだろう?








 ストーリートーク「今日はお休み」の登場人物を使って、ちょっとした小話を書いてみました。
 ストーリートークを復活させて!とか言われそうですけど、なんか気が乗らないんですよね。
ただ、ネタは用意してあるので気が付いたら復活してた?なんて事が有るかも知れません。

それでは、また来週!
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