日々の僕たち

 それは些細な出来心
 嫉妬と言う名のね




 大学生の お兄ちゃんに恋人ができた
 先週 家に連れてきて 両親に紹介していた
 聞けば 高校生の頃からの付き合いだという。

 高校生の頃ねぇ····

 私が中学生の時だね
 当時の記憶を遡ってみるけど
 お兄ちゃんにそれらしい女の影はなかった
 当時の私は部活に熱中していて お兄ちゃんどころじゃなかったから。単純に私が気がつかなかっただけかも知れない?

 でもこれからは 違う
 お兄ちゃんを見るたびに あの女の事が頭をかすめる

 ····お兄ちゃん?

 私の方が綺麗だよ
 スタイルもいいし
 勉強だってできる
 料理も上手

 あんな三流大学に通う女を選ばなくたっていいのに
 
 両親だって陰で言ってたよ
 「もっとふさわしい女はいなかったのか」
 「先が思いやられるわ」
 私も同感。

 もしかしたら お兄ちゃん あの女に何か 弱みでも握られてるんじゃないのかしら?
 とは言っても思い当たる節は無し
 私の考え過ぎかも知れない
 何より二人は幸せそうだった
 「羨ましい」

 まぁ、いいわ
 今晩はっきりさせましょう。

 

 夜は更けて。




 私は自室で T シャツ1枚に着替えて
 お兄ちゃんの部屋に忍び込む

 お兄ちゃんはよく眠っている

 私はT シャツを脱ぎ捨て部屋のカーテンを開ける
 夜空が明るい。今夜は満月だったのか····
 月光が 私の身体を照らし出す

 ベッドに近寄り お兄ちゃんの耳元で囁く
 「お兄ちゃん、起きて」
 
 反応がない ぐっすり眠っているようね。

 仕方がないわね
 私はお兄ちゃんを起こさないように静かにベッドに潜り込む

 そして お兄ちゃんの胸に右手を伸ばす
 心臓の鼓動が手のひらから伝わってくる

 「ふふふっ」

 明日の朝が楽しみね
 おやすみなさいお兄ちゃん
 私は静かに目を閉じた。








 ····さて
 このお話しは、先週ノベプラに投稿した物です。

 毎回 この様な話を書いている訳ではありませんが、ネタは新鮮な方がいいでしょ?

 ことの発端は、ノベプラではどんな話を書いてるのですか?と言うXに寄せられたDMからですが、ノベプラで読めばいいじゃん!と思ってから、ふと考えると俺もカクヨムとかなろうの作品は余り読まないなー。。。

 そこで、ノベプラから最新作を持ってきた次第です。

 インターミッションと有りますが来週は「日々の僕たち」最新作を投稿しますので、ご安心を。

 それでは、これからもご贔屓のほどお願いします。
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