日々の僕たち

 今日も学校 遅刻かな。

 ペナルティは3回遅刻で 1日休み扱い。まぁ皆勤目指してる訳じゃないから関係ないんだけどね。でもこれで出席日数が足りなくなると休日に登校する羽目になる。進級できなくなるからね。

 別に俺は留年しても構わないと思ってるけどさ、猶予は1回····2回目が決まると即退学だ。

 さすがに退学の理由が遅刻はかっこ悪い。

 かと言って休日に登校するのも かっこ悪い。

 さて、どうしたものかね?




 「よっ! 遅刻の常習犯が今日はどうしたんだよ」

 「うっせえな たまたま 早く来ただけだよ」

 「クラスの皆で話してるんだぜ? お前が遅刻しなくなったら好きな女子でもできたんじゃないかってね」

 「なんだよ、それは」

 「でさ本当のところはどうなんだ」

 こいつは 何が知りたいんだ? 正直 朝っぱらからいじられるとムカつく。

 「悪いけどさ 朝は放っておいてくれ」

 「おいおい、だったらいつも通り 遅刻してこいよ 面倒なやつだな」

 面倒なのはどっちだよ? 何だって こいつはぼっちの俺に絡んでくるんだ。

 「安心しろ 明日は遅刻だ」

 「何言ってんだよ、お前 進学とか考えてんのか」

 「お前に言われなくたって、大学ぐらいは行ってみせるよ」

 「····なあ?」

 「なんだよ?」

 こいつ 急に顔つきがマジになったぞ。俺何か まずいこと言ったか?

 「お前さ 勉強ができるからって 天狗になってないか」

 「俺が? 天狗に?」

 「そうだよ、世間は甘くはないぜ? 第一 毎日遅刻しておいて大学行きたいなんて 虫が良すぎる」

 こいつ何を言い出すんだ、虫が良すぎるって? 俺が?

 「はっきり言って お前みたいに世間をなめてる奴が俺は一番嫌いだ」

 ふん。

 「甘えが通用するのは学生のうちだけだって? 社会に出れば俺みたいな奴はやっていけないとでも?」

 いつも先生に呼び出されて俺が言われていることだ。オウム返しにしてやった。

 「くっ、お前調子に乗るなよ」

 「お調子者はどっちだよ?」

 バチン! あいつの 平手打ち が 俺の頬にヒットする。机の上に鼻血がポタポタと落ちて。

 「おい、大丈夫か?」

 学級委員長が飛んでくる。

 ハンカチを鼻に当てながら、大丈夫っすよ。そう言おうとしたら意識が遠のいていった。





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