日々の僕たち
「ねぇ、それ貸してくんない?」
彼女またやってるよ。
「写したら直ぐに返すから」
授業中は隠れてスマホを触っていて、休み時間になると他の生徒からノートを借りて自分のノートに授業内容を書き写す。
前に委員長が注意をしたら、なんて言ったと思う? 『たった2、3ページの内容を1時間近くかけて書き取るのは時間の無駄! 勉強をしない訳じゃ無いから良いでしょ?』だって。
言いたい事も判るけれどね、ノートに書き取る授業内容は人によって異なる。理解出来る範囲は省略、判らない所を重点的にっていうのが普通だと思う。
彼女がノートに書き写した内容は他人の考え方。それを理解出来るとは思えない。
実際、彼女はテストの結果があまり良くないしね。
テスト勉強が捗らないか、全く勉強をしていないのか? 考えたくは無いけれどね。
あ、何か私の方にやって来るよ? 無視無視。
「ねえ、さっきの授業のノート貸してよ?」私じゃ無かった、前の席の生徒だ。
ん? 彼女を見るとすでに2冊ノートを持っている。
「ねぇ?」
「なによ?」
「もう、ノート借りてるじゃない」
私の問いに対して彼女は溜め息をついて応えた。
「あんたバカなの? ノートに書いて有る事が皆んなバラバラだから、精度を高めるために何冊か必要なのよ!」
イラッときた。
そこまで判っていてあの成績か、ノートを書き写しても意味無いんじゃない?
そう言ってやりたかったけれど、止めておいた。彼女の方も私にはそれ以上かまわずに、他の生徒の方へ向かう。
私は彼女にバカな女と認識されたらしい····
まぁ、いいか。少なくとも彼女が絡んで来ることは無くなった? と思う。
それにしても彼女はいつもスマホを触っているけれど、何をしているのかなぁ? 時間を惜しんでまでやらなければならない事ねぇ····
あの様子だと、私には教えてくれないね。
でも。
気になる、気になるううぅ!
悶々としたまま次の授業を迎えられない、思い切って彼女に聞いてみるかね。
彼女は自分の席に着き、机の上に借りたノートを広げている。
私は自分の席を離れ彼女の前に立つ。
「ねぇ?」
彼女は私の方をチラ見すると「なあに? おバカさん」
やっぱりバカ認識か。
「いつもスマホを見ているけど一体何をしているの?」会話はキャッチボール 相手が直球ならば私も直球。
「お子様には関係無い事よ」
「お子様って!」
気がつくと教室内がやけに静かだ、クラスメイトの視線が私に集中している。
みんなも知りたいのか、それとも触れてはイケナイ事なのか。
彼女はせっせと自分のノートに書き写している。私の事は意に関せず。
そういえば 新学期が始まって直ぐに彼女に関するあまり良くない噂話を聞いた覚えがある。
聞いてはイケナイ事なのか。
「邪魔をしてごめんなさい」
「判ればいいのよおバカさん」
またまたイラッと来たけど、ここは我慢。私は黙って自分の席に戻った。
終
彼女またやってるよ。
「写したら直ぐに返すから」
授業中は隠れてスマホを触っていて、休み時間になると他の生徒からノートを借りて自分のノートに授業内容を書き写す。
前に委員長が注意をしたら、なんて言ったと思う? 『たった2、3ページの内容を1時間近くかけて書き取るのは時間の無駄! 勉強をしない訳じゃ無いから良いでしょ?』だって。
言いたい事も判るけれどね、ノートに書き取る授業内容は人によって異なる。理解出来る範囲は省略、判らない所を重点的にっていうのが普通だと思う。
彼女がノートに書き写した内容は他人の考え方。それを理解出来るとは思えない。
実際、彼女はテストの結果があまり良くないしね。
テスト勉強が捗らないか、全く勉強をしていないのか? 考えたくは無いけれどね。
あ、何か私の方にやって来るよ? 無視無視。
「ねえ、さっきの授業のノート貸してよ?」私じゃ無かった、前の席の生徒だ。
ん? 彼女を見るとすでに2冊ノートを持っている。
「ねぇ?」
「なによ?」
「もう、ノート借りてるじゃない」
私の問いに対して彼女は溜め息をついて応えた。
「あんたバカなの? ノートに書いて有る事が皆んなバラバラだから、精度を高めるために何冊か必要なのよ!」
イラッときた。
そこまで判っていてあの成績か、ノートを書き写しても意味無いんじゃない?
そう言ってやりたかったけれど、止めておいた。彼女の方も私にはそれ以上かまわずに、他の生徒の方へ向かう。
私は彼女にバカな女と認識されたらしい····
まぁ、いいか。少なくとも彼女が絡んで来ることは無くなった? と思う。
それにしても彼女はいつもスマホを触っているけれど、何をしているのかなぁ? 時間を惜しんでまでやらなければならない事ねぇ····
あの様子だと、私には教えてくれないね。
でも。
気になる、気になるううぅ!
悶々としたまま次の授業を迎えられない、思い切って彼女に聞いてみるかね。
彼女は自分の席に着き、机の上に借りたノートを広げている。
私は自分の席を離れ彼女の前に立つ。
「ねぇ?」
彼女は私の方をチラ見すると「なあに? おバカさん」
やっぱりバカ認識か。
「いつもスマホを見ているけど一体何をしているの?」会話はキャッチボール 相手が直球ならば私も直球。
「お子様には関係無い事よ」
「お子様って!」
気がつくと教室内がやけに静かだ、クラスメイトの視線が私に集中している。
みんなも知りたいのか、それとも触れてはイケナイ事なのか。
彼女はせっせと自分のノートに書き写している。私の事は意に関せず。
そういえば 新学期が始まって直ぐに彼女に関するあまり良くない噂話を聞いた覚えがある。
聞いてはイケナイ事なのか。
「邪魔をしてごめんなさい」
「判ればいいのよおバカさん」
またまたイラッと来たけど、ここは我慢。私は黙って自分の席に戻った。
終