日々の僕たち

 今日は良い日になりそうな予感。

 参考までにスマホで星占いを見ると〜

 1位は、かに座の女の子! やったね☆

 そうと判れば、さっそく学校へ行こう! いや〜学生だから毎日登校するのは当たり前だけどね、どん底気分で1日過ごすのは辛いでしょ?

 そんなの単なる気の持ちようだって? いいじゃない、ささやかな物かも知れないけれど何かが私の背中を推してくれる。

 それだけで気分はもう最高!

 「今日も行くよ! イエーイ!」
 拳を高々と突き上げる。決まった····
 1人で悦に入るこの瞬間、たまらなーい!

 その時、部屋の扉が勢いよく開いた。

 「姉ちゃん! 朝からウルサーイ!」
 怒鳴り込んで来たのは隣の部屋に住まう中学生の弟。花の受験生だ。

 「どうした? 悩める受験生、今日も顔が暗いぞ」

 「ううううぅ」

 「うがどうしたのよ」この年頃の男子は何を考えているのか判らない! なんてね。

 「僕、明け方まで受験勉強してたんだよ? さっきまで仮眠を取っていたのに」なんか目が潤んできたぞ、どうした受験生。

 「だったら部屋に戻って眠っていれば? あと1時間くらいは眠れるよ」
 ほら、私は優しいお姉さん。何も心配いらないんだよ? 悩める受験生君。

 「もう目が冴えちゃったよ、姉ちゃんがウルサイから!」ドッカーン! なぜか怒りの眼差しが私に向けられている、確かに朝からハイテンションだったのは認めるよ? でもそれは喜びに満ちた今日1日の始まりをね····

 「少しは気を使ってよ!」おおっと、私は決して鈍感なのではないぞ。

 「まぁまぁ、少しは落ち着いて。朝からそんなに気が立っていると、上手く行く物も行かなくなるよ?」

 弟は眼光鋭く「そんなに浪人して欲しいの? 高校落ちたら姉ちゃんのせいだからね!」ま、待て! 弟よ、それは逆恨みだぞ? こんな時、優しいお姉さんは何て返せばいいんだろう。

 そうだ! 考えるな、感じろ。

 「学校から帰ったら勉強教えてあげるから、一緒に頑張ろう!」とっておきの笑顔で答える。これ、ベストアンサーだよね!

 「僕が受験するのは進学校だよ、姉ちゃん勉強判るの?」静かに語る弟。

 き、聞き捨てならぬ!

 「もういい、これからは少しは静かにしてよね?」部屋から出て行く弟。

 ま、待たれよ!
 いや、待てよ? 確かに私には勉強を教える事が出来ないかも知れない····
 ここは深追い禁物、放って置こう。

 明日になれば機嫌も直っているかもね。

 朝から色々あったけど難なく切り抜けたよ、やっぱり今日の私はツイている!





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