2.邂逅
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遺体の血の匂いに惹かれて鬼が集うことを懸念し、私達はその場から離れてしばし無言で歩いていた。
考えれば、刀を奪還することを第一の目的としていたので、もう行冥と共に行動する必要は無いのだ。
しかし、このお人好し過ぎる人物が今後無事でいられるのか、気がかりで仕方なかった。
この度の試練を受けた人達が、彼に助けを求めて戦闘を押し付け逃亡したり、はたまた囮にしたりするかもしれない。
鬼に負ける姿は浮かばずとも、人間に利用される姿は何故だか容易に浮かんでしまう。
そんな心配が募るばかりで、果たしてここで解散して良いものかと思い悩んでいた。
(…いや、やっぱりこの最終選別が終わるまでの間だけでも一緒に行動しよう)
人の悪意に晒されるのを見過ごせないと最終的に結論付けた私は、後方を歩いていた彼の方に振り向きながら声を掛けた。
「あの、さ。ちょっと提案があるんだけど」
「…奇遇だな。私も一つ、君に申し出ようとした事がある」
「あ、そうなの?…えーっと……」
何て言い出そうかな、とちょっと口篭って間が空いた所為だろうか、こちらが先に話すのを譲ったものだと相手は判断したのだろう。
私の「共闘しない?」という言葉と行冥の「共闘しないか」という言葉が重なった。
ほぼほぼ同じ折の発言に、お互い驚いて顔を見合う。
やけに息のあった一連の流れに、私は思わず噴き出してしまった。
「あっはははは!何だ、同じ考えだったんだ」
けらけら笑っていると、行冥はちょっと困ったように口を開いた。
「先程の君の戦い方は、あまりにも心許ない…それ故、共闘を申し出た次第だ」
「あ。それを言うなら私だって、行冥が誰かに囮とかにされて利用されるんじゃないかって不安に感じていたよ」
結局のところは、私達はお互い心配し合っていたというわけだ。
初対面でまだ時間もそう経っていないというのに、こうして似通った部分があり少し親近感を感じる。
心のどこかにこそばゆさを感じながら、私は体の向きを変えて彼と真正面に向き合った。
「ま、とりあえず!改めてよろしく!」
「…ああ、こちらこそ宜しく頼む」
私の元気な声色に釣られたのか、行冥の悲しげな表情も少し和らいで、口角も微かに上がっていたように見えた。