第1章
夢小説設定
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「__このアマ!!あやまれっつってんだよ!!」
「嫌よ!!わざとぶつかってきたくせに!!」
久々に大きな町に着いた、と美雨が一息ついた所、近くで揉めている声が聞こえてくる。
目線の先には同い歳位の女の子が厄介な輩に絡まれている様で、どうしても放っておけなかった美雨は気付けば声を掛けていた。
「彼女、嫌がっています。」
男性3人はあぁ?と目線を移動させると、美雨を視界に入れる。何だ女かと嘲笑い、1人が美雨の肩に手をかける。
「何だよ、女のくせに一丁前に出てきやがってよぉ。お前もこいつ共々可愛い顔に傷付けられたくなかったら大人しくしとけよ?」
男達の舐めた様な態度に小さく「舐めないで…」と呟くと懐の護符に手をかけようとする。
が、次の瞬間美雨の肩に手を置いていた男は「ぶぶッ!!」と情けない声を出しながら、地面にひれ伏せていた。
「__ンだどっちもガキかよ。おい、お前らこの辺に宿屋ねェか?宿屋」
ひれ伏せた男の上には赤髪の男がチッと舌打ちしながら乗っている。一応助けてくれた様だ…若干失礼な事を言われた様な気もするな、と美雨は考えていた。
その横にいる茶髪の同い歳位の男の子は、反撃してきた別の男をいとも簡単に殴り飛ばし、返り討ちにしている。
「ビンゴ!」
今がチャンス、と美雨は呆気に取られている女の子の手を取って自分の方に引き寄せる。
大丈夫?と尋ねると女の子はこくり、と頷いた。特に怪我もないようで無事を確認した美雨は再度目線を正面に向ける。
すると助けてくれた男二人の後ろから聞き慣れないブレーキ音が聞こえ、今度は金髪のお坊さん?と優しそうな黒髪の男が声を荒らげながら現れる。
「__おい悟空!悟浄!あんまり派手な行動をとるなっつっただろ!」
「僕らも充分目立ってますよ、三蔵」
「ジープ…?」
突然の出来事に驚いている女の子と横で彼女を支える美雨の元に茶髪の少年が近付いてくると、女の子が落とした野菜を拾って渡す。
「ほい。俺ら旅てんだ。メシのうまい宿屋教えてよ」
「駐車場完備だと嬉しいんですが」
「そっ…それならウチが___」
_____________________
先程助けた女の子__朋茗とその父から感謝したいからと晩御飯と宿を提供して貰えることになり、美雨も男達__三蔵一行もその厚意に甘えることになった。
軽く自己紹介をし、お互いの名前とどちらも旅をしている事が分かった。1人で、尚且つ女である美雨が旅をすることに三蔵は訝しげな目を向けるが、関係の無いこと、と深く聞くことはなかった。
今は三蔵一行と食事を共にしているが美雨には見慣れない光景に驚き、気付けば自分の箸が止まってしまっていた美雨。
ガツガツと食を進める悟空と喧嘩をする悟浄。
そんな2人を黙らせるために「静かに食え静かに!!!」と何処からか取り出したハリセンで叩く三蔵。マイペースにもお茶を頼む八戒。
「これ食わねぇのか?なら貰うぞ!」
「…!食べる…」
自分のお皿から取られそうな焼売を死守するため、美雨はお皿を悟空から遠ざける。
残念そうな目で見られるが自分だって食べたい。ゆっくりと食べられないけどたまには賑やかな食事もいいかな、と美雨はそんな事を思いつつ少しだけ笑みを浮かべる。
「美雨、今笑った?」
「…笑ってない」
ふいっと顔を逸らすと覗き込んでくる悟空。
その瞬間隙あり!と声がしてお皿に乗せておいた焼売は悟空の口に吸い込まれていってしまった。
「あぁ!!焼売…」
そんな様子を見ていた朋茗はくすくすと笑い、お皿に乗った焼売を美雨に渡してくれた。
「まだあるから沢山食べてね?」
「…!ありがとう、朋茗」
「お客さん達!!朋茗を助けてくれた礼だ。どんどん食ってくれ!」
ならお言葉に甘えて、と美雨は朋茗と店主に向かって頷く。八戒も「恩に着ます」と礼を述べる。
隣からズリい!と聞こえてくるが美雨は無視して食べ始める。今度は取られまい、と悟空と反対向いて食べる事は忘れない。
「__ところでお客さん達、東から来たんだってね」
「ああ…俺たちはそうだが」
三蔵はチラリと美雨に目線を送ると、美雨は私も、と小さく呟く。
「珍しいなあ、東の砂漠は物騒であんまり人間は通らないのに。皆さんよく無事でしたね。特に最近すっごく狂暴な四人組の妖怪が出没するってウワサですよ。彼らの通った跡には妖怪の屍のやまができるって。同種争いで人間には被害ないみたいですけど…あ、後は凄く強い陰陽師様がこの辺りにいらっしゃってるってウワサもあります」
「へーその4人組ってまるで俺らのことみた____」
がごっと鈍い音が聞こえたと思うと、悟浄が悟空の頭を机に押さえつけていた。
「ああスマン、今お前の頭にハエがいたんだ。惜しーな、逃げられたか」
「気にしないで下さいね♡」
…明らかに怪しい。四人組ってきっとこの人たちなんだろう。そんな事を考えながら美雨はじとっとした目線を彼らに向ける。
「…その陰陽師ってのはお前か、美雨」
三蔵に声を掛けられ美雨はこくりと頷く。
別に隠すことでもないし、特に知られても問題は無いが…強い陰陽師と言うのは少し語弊がある。
「美雨凄い…!1人で旅してるって聞いてビックリしたけど、そういう事だったのね」
「そんなに強くないよ…自分の身を守るので精一杯。」
苦笑いしつつ、美雨は答える。自分のことを話すのが苦手な性分なので、話題を変えようと「この辺りの妖怪の動向は…?」と尋ねてみる。
「…どうもこうもないがね、ちょっと前まではこの町にも妖怪が普通に生活してたさ。だがある日を境にみんな何処かへ消えちまった。町の人間を10人程食い散らかしてな…!俺たち人間には何が起きたかさっぱりさ」
「…あたし妖怪なんて嫌い」
「朋茗」
「だって人間食べるのよ!?ただの化け物じゃない!人間と妖怪が一緒に暮らすなんて無理よッ町の皆もそう言ってる!」
「朋茗!!…すまんね、妖怪に喰われた被害者の中にこの娘の友達がいたもんだから…」
「嫌よ!!わざとぶつかってきたくせに!!」
久々に大きな町に着いた、と美雨が一息ついた所、近くで揉めている声が聞こえてくる。
目線の先には同い歳位の女の子が厄介な輩に絡まれている様で、どうしても放っておけなかった美雨は気付けば声を掛けていた。
「彼女、嫌がっています。」
男性3人はあぁ?と目線を移動させると、美雨を視界に入れる。何だ女かと嘲笑い、1人が美雨の肩に手をかける。
「何だよ、女のくせに一丁前に出てきやがってよぉ。お前もこいつ共々可愛い顔に傷付けられたくなかったら大人しくしとけよ?」
男達の舐めた様な態度に小さく「舐めないで…」と呟くと懐の護符に手をかけようとする。
が、次の瞬間美雨の肩に手を置いていた男は「ぶぶッ!!」と情けない声を出しながら、地面にひれ伏せていた。
「__ンだどっちもガキかよ。おい、お前らこの辺に宿屋ねェか?宿屋」
ひれ伏せた男の上には赤髪の男がチッと舌打ちしながら乗っている。一応助けてくれた様だ…若干失礼な事を言われた様な気もするな、と美雨は考えていた。
その横にいる茶髪の同い歳位の男の子は、反撃してきた別の男をいとも簡単に殴り飛ばし、返り討ちにしている。
「ビンゴ!」
今がチャンス、と美雨は呆気に取られている女の子の手を取って自分の方に引き寄せる。
大丈夫?と尋ねると女の子はこくり、と頷いた。特に怪我もないようで無事を確認した美雨は再度目線を正面に向ける。
すると助けてくれた男二人の後ろから聞き慣れないブレーキ音が聞こえ、今度は金髪のお坊さん?と優しそうな黒髪の男が声を荒らげながら現れる。
「__おい悟空!悟浄!あんまり派手な行動をとるなっつっただろ!」
「僕らも充分目立ってますよ、三蔵」
「ジープ…?」
突然の出来事に驚いている女の子と横で彼女を支える美雨の元に茶髪の少年が近付いてくると、女の子が落とした野菜を拾って渡す。
「ほい。俺ら旅てんだ。メシのうまい宿屋教えてよ」
「駐車場完備だと嬉しいんですが」
「そっ…それならウチが___」
_____________________
先程助けた女の子__朋茗とその父から感謝したいからと晩御飯と宿を提供して貰えることになり、美雨も男達__三蔵一行もその厚意に甘えることになった。
軽く自己紹介をし、お互いの名前とどちらも旅をしている事が分かった。1人で、尚且つ女である美雨が旅をすることに三蔵は訝しげな目を向けるが、関係の無いこと、と深く聞くことはなかった。
今は三蔵一行と食事を共にしているが美雨には見慣れない光景に驚き、気付けば自分の箸が止まってしまっていた美雨。
ガツガツと食を進める悟空と喧嘩をする悟浄。
そんな2人を黙らせるために「静かに食え静かに!!!」と何処からか取り出したハリセンで叩く三蔵。マイペースにもお茶を頼む八戒。
「これ食わねぇのか?なら貰うぞ!」
「…!食べる…」
自分のお皿から取られそうな焼売を死守するため、美雨はお皿を悟空から遠ざける。
残念そうな目で見られるが自分だって食べたい。ゆっくりと食べられないけどたまには賑やかな食事もいいかな、と美雨はそんな事を思いつつ少しだけ笑みを浮かべる。
「美雨、今笑った?」
「…笑ってない」
ふいっと顔を逸らすと覗き込んでくる悟空。
その瞬間隙あり!と声がしてお皿に乗せておいた焼売は悟空の口に吸い込まれていってしまった。
「あぁ!!焼売…」
そんな様子を見ていた朋茗はくすくすと笑い、お皿に乗った焼売を美雨に渡してくれた。
「まだあるから沢山食べてね?」
「…!ありがとう、朋茗」
「お客さん達!!朋茗を助けてくれた礼だ。どんどん食ってくれ!」
ならお言葉に甘えて、と美雨は朋茗と店主に向かって頷く。八戒も「恩に着ます」と礼を述べる。
隣からズリい!と聞こえてくるが美雨は無視して食べ始める。今度は取られまい、と悟空と反対向いて食べる事は忘れない。
「__ところでお客さん達、東から来たんだってね」
「ああ…俺たちはそうだが」
三蔵はチラリと美雨に目線を送ると、美雨は私も、と小さく呟く。
「珍しいなあ、東の砂漠は物騒であんまり人間は通らないのに。皆さんよく無事でしたね。特に最近すっごく狂暴な四人組の妖怪が出没するってウワサですよ。彼らの通った跡には妖怪の屍のやまができるって。同種争いで人間には被害ないみたいですけど…あ、後は凄く強い陰陽師様がこの辺りにいらっしゃってるってウワサもあります」
「へーその4人組ってまるで俺らのことみた____」
がごっと鈍い音が聞こえたと思うと、悟浄が悟空の頭を机に押さえつけていた。
「ああスマン、今お前の頭にハエがいたんだ。惜しーな、逃げられたか」
「気にしないで下さいね♡」
…明らかに怪しい。四人組ってきっとこの人たちなんだろう。そんな事を考えながら美雨はじとっとした目線を彼らに向ける。
「…その陰陽師ってのはお前か、美雨」
三蔵に声を掛けられ美雨はこくりと頷く。
別に隠すことでもないし、特に知られても問題は無いが…強い陰陽師と言うのは少し語弊がある。
「美雨凄い…!1人で旅してるって聞いてビックリしたけど、そういう事だったのね」
「そんなに強くないよ…自分の身を守るので精一杯。」
苦笑いしつつ、美雨は答える。自分のことを話すのが苦手な性分なので、話題を変えようと「この辺りの妖怪の動向は…?」と尋ねてみる。
「…どうもこうもないがね、ちょっと前まではこの町にも妖怪が普通に生活してたさ。だがある日を境にみんな何処かへ消えちまった。町の人間を10人程食い散らかしてな…!俺たち人間には何が起きたかさっぱりさ」
「…あたし妖怪なんて嫌い」
「朋茗」
「だって人間食べるのよ!?ただの化け物じゃない!人間と妖怪が一緒に暮らすなんて無理よッ町の皆もそう言ってる!」
「朋茗!!…すまんね、妖怪に喰われた被害者の中にこの娘の友達がいたもんだから…」
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