眠れぬ夜に
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「ーーーーーーーあとり?」
名前を呼ばれ、不意に声が聞こえた方を向くと、そこにはあとりのサーヴァントである
アーサー・ペンドラゴンの姿があった
「……アー…サー…?」
「どうしたんだいこんな所で」
心配を顔に滲ませながらあとりの傍に近寄り、
隣に寄り添う様に腰掛けるアーサー
「………なんでもないよ」
ちがう
「ただなんとなく部屋から出ただけだから」
ちがうの
「ごめん…心配させて」
ねむれない
「もう部屋に戻るから」
くるしい
「だからアーサーも早く休んで…」
もどりたくない
「お休み、アーサー」
ーーーーーー1人に、なりたくない
「 あとり 」
部屋に戻ろうとしたあとりを、アーサーは手を握る事で引き留めた
思わず顔を見ると、そこには真剣な表情を浮かべているアーサーの姿
あとりが少し萎縮したのを目に止めると、アーサーは表情を崩し微笑んだ
「…………少し、僕に付き合ってくれないかい?」
ーーーーーーーーーーーーーー
手を引かれるままアーサーに着いていくと、たどり着いたのは食堂だった
アーサーはあとりを椅子に座らせ、少し待つように言い、キッチンへ入っていく
待つこと数分、アーサーは手の中にゆらゆらと湯気を立ち上らせているマグカップを手に戻ってきた
「お待たせ。さあ、どうぞ」
こと、とあとりの目の前に置かれたマグカップの中には、優しく香る乳白色の液体が入っていた
「………ホットミルク…?」
「ああ。でも、ただのホットミルクじゃないんだよ。」
にこやかに言ったアーサーは視線だけで飲んでみてくれ、とあとりに促す
あとりはそっと両手でマグカップを持ち、口元に近づける
数回息を吹き掛け少し冷ましてから口をつけた
舌を滑るのは温かなミルクの味わいと、ミルクのものではない、柔らかな甘さ
「!……これ、メープルシロップ………?」
アーサーの顔には、正解、とでも言うような優し気な表情
「定番は蜂蜜かなとも思ったんだけどね、メープルシロップも中々合うだろう?」
「うん、美味しい…ありがとう、アーサー」