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「あれ...教室どこだっけ」
ある日の朝のことだ。監督生はこの広い校内を、まだ慣れない足取りのまま歩いていた。
「まだ覚えてないのかあ? こっちだゾ」
と言うグリムに従い、角を曲がった先。まばらにいる程度の生徒の中に、ある人物を見つけた。
少し小さい背丈にもかかわらず、その身分相応の威厳を放つ人といえば、リドル寮長しか監督生は知らない。まあ、これは本人に言ったら怒られそうなことだが。
彼は、こちらが来た方向へ歩みを進めており、丁度すれ違う所だった。おはようございます、と監督生が会釈すると、リドルもこちらへ気がついたのか視線を投げてくる。
「ああ、おはよう...って、タイが曲がっているじゃないか、ちゃんと着こなしてこその制服だよ」
リドルは監督生のネクタイを一瞥したのち、少しの驚きと呆れる感情が入り混じった声で話す。規律に関しては厳しいリドルは、朝の挨拶もほどほどに監督生の身嗜みを確認し始めた。
長引きそうだから先教室入ってるんだゾ、と言うグリムを気にする暇もなく、監督生はリドルへ向き直った。
「......シャツや襟は大丈夫そうだね。もう一回結び直してごらん」
監督生は乱れた結び目をもう一度解き、結び直そうとするが、なかなかうまくいかない様子だった。
言い訳っぽくなっちゃいますが、と前置きしてから、
「あまりネクタイをつける習慣がなかったもので...」
と監督生が呟いた。すると、リドルはため息をついて、監督生のネクタイを結び始めた。
「はぁ...仕方ない。今日は特別だよ」
手慣れた手つきのリドルは、30秒も経たないうちにタイを結び終わった。
「あれ? リドル寮長、これって...」
「なんだい、同じ結び方じゃ不満なのかい? 言っただろう、今日は特別だって」
先程のぐちゃっとしたネクタイとは違い、監督生の首にはリボンのようにタイが締められていた。そう、リドルとお揃いの締め方であった。
「いえ! 逆に嬉しいです、素敵な締め方だなって思ってたので」
「ならいいんだ。普通の結び方なら、他の生徒にも聞けるだろうしね。暇な時であれば、両方とも教えてあげよう」
ふ、と得意げに微笑むリドルに釣られて、監督生も顔を綻ばせた。
「ふふ、ありがとうございます。お時間がある時に、また」
そう言って去っていく監督生を、リドルは暫しの間見つめていた。先程とは違い、少し顔を赤らめた様子で。
(...今日は、なんだか上手くいきそうだ)
ある日の朝のことだ。監督生はこの広い校内を、まだ慣れない足取りのまま歩いていた。
「まだ覚えてないのかあ? こっちだゾ」
と言うグリムに従い、角を曲がった先。まばらにいる程度の生徒の中に、ある人物を見つけた。
少し小さい背丈にもかかわらず、その身分相応の威厳を放つ人といえば、リドル寮長しか監督生は知らない。まあ、これは本人に言ったら怒られそうなことだが。
彼は、こちらが来た方向へ歩みを進めており、丁度すれ違う所だった。おはようございます、と監督生が会釈すると、リドルもこちらへ気がついたのか視線を投げてくる。
「ああ、おはよう...って、タイが曲がっているじゃないか、ちゃんと着こなしてこその制服だよ」
リドルは監督生のネクタイを一瞥したのち、少しの驚きと呆れる感情が入り混じった声で話す。規律に関しては厳しいリドルは、朝の挨拶もほどほどに監督生の身嗜みを確認し始めた。
長引きそうだから先教室入ってるんだゾ、と言うグリムを気にする暇もなく、監督生はリドルへ向き直った。
「......シャツや襟は大丈夫そうだね。もう一回結び直してごらん」
監督生は乱れた結び目をもう一度解き、結び直そうとするが、なかなかうまくいかない様子だった。
言い訳っぽくなっちゃいますが、と前置きしてから、
「あまりネクタイをつける習慣がなかったもので...」
と監督生が呟いた。すると、リドルはため息をついて、監督生のネクタイを結び始めた。
「はぁ...仕方ない。今日は特別だよ」
手慣れた手つきのリドルは、30秒も経たないうちにタイを結び終わった。
「あれ? リドル寮長、これって...」
「なんだい、同じ結び方じゃ不満なのかい? 言っただろう、今日は特別だって」
先程のぐちゃっとしたネクタイとは違い、監督生の首にはリボンのようにタイが締められていた。そう、リドルとお揃いの締め方であった。
「いえ! 逆に嬉しいです、素敵な締め方だなって思ってたので」
「ならいいんだ。普通の結び方なら、他の生徒にも聞けるだろうしね。暇な時であれば、両方とも教えてあげよう」
ふ、と得意げに微笑むリドルに釣られて、監督生も顔を綻ばせた。
「ふふ、ありがとうございます。お時間がある時に、また」
そう言って去っていく監督生を、リドルは暫しの間見つめていた。先程とは違い、少し顔を赤らめた様子で。
(...今日は、なんだか上手くいきそうだ)