しっぽや(No.11~22)
「白久、さっきは羽生と長瀞さんの話に入らないでくれてありがと」
俺が言うと
「している時の話は、他の人がいる前でしない、と約束いたしましたから」
白久は真面目な顔でそう答えた。
『そうだ、きちんと誉めてあげないと』
昼にカズハさんが空を誉めていた事を思い出し
「白久、グッボーイ」
そう言ってみたが、白久はキョトントした顔をしている。
『そうか、白久は犬の訓練学校になんて行ったことないから、英語で言われてもピンとこないのか
カズハさんを真似るだけじゃ、ダメなんだ』
俺はそう気が付いた。
白久が誉められてると感じられる言葉…
「白久、よしよし」
そう言って伸び上がって白久の頭を撫でると、うっとりとした顔をして体を寄せてくる。
そんな白久を見ていると
『あいつは、100年近く独りだったんだ』
ゲンさんの言葉が耳に蘇ってきた。
俺は白久が愛しい分だけ切なくなった。
『俺に、白久の100年の孤独を埋められるんだろうか』
ふと、不安が頭をよぎる。
「荒木…、ご褒美をねだってしまっても、よろしいでしょうか?」
白久が俺に頬を寄せて囁いた。
「うん、何が欲しい?」
白久のために俺が用意できるものなら、何でも与えてあげたかった。
「荒木が欲しいです
しても、よろしいですか?」
白久が俺の頬を両手で優しく挟んで、瞳をのぞき込んでくる。
「うん…して
俺も、白久としたい」
俺はそう答えて、白久と唇を合わせた。
「荒木、お慕いしております
荒木と巡り会えて、本当に良かった」
切実な白久の言葉が、胸に刺さる。
「白久、俺、ちゃんと白久のこと飼うから
白久が俺と居て幸せでいられるよう、もっと勉強する
だから、ずっと俺の飼い犬でいるんだぞ!」
カズハさんのように上手く出来たかわからないけど、命令するように言ってみると
「はい!私はずっと、荒木の飼い犬です!」
白久はキッパリとした声で、返事を返す。
その瞳には、薄く涙が光っていた。
俺達はベッドに移動すると愛を確かめ合った。
いつもよりもっと丁寧に、白久の舌が体中を這い回る。
「あ、んん…」
いつのまにか白久は俺の敏感な場所を覚えたようで、そこを集中的に攻めてくるため甘い喘ぎが止まらなかった。
白久と一つになる瞬間、体だけではなく心も繋がっている事を感じられた。
「荒木…」
「白久…」
何度も互いの名前を呼びながら、俺達は愛しい者の存在を確認する。
それはいつもの行為より、神聖な気持ちにさせられるものであった。
行為の後、白久の腕に抱かれる俺に、白久が柔らかに話しかける。
「初めて三峰様にお会いした時
『必ず心惹かれる人と巡り会えるから、それまで寂しくても耐えなさい』
そう、言われたのです
仲間達と共に居ても、ふいに孤独におそわれる時もありました
あのお方が恋しくて、たまらなくもなりました
何故、私は心惹かれる人と会えないのだろうと、悲しくなることもありました
けれども今は荒木、貴方がいる
心惹かれる人に飼っていただけて、愛していただける
私は本当に、幸せです…」
そんな言葉を聞きながら
「うん、俺も白久のこと飼えて嬉しいよ…」
俺は夢うつつで呟いた。
俺を抱く白久の腕に力がこもり、温もりが優しく体を包み込む。
『そうだ、誰かの真似じゃなく、ゲンさんに言われたみたいに、ゆっくりと俺達の関係を築いていけば良いんだ…』
俺はそう感じながら、幸せな眠りに落ちていくのであった。
俺が言うと
「している時の話は、他の人がいる前でしない、と約束いたしましたから」
白久は真面目な顔でそう答えた。
『そうだ、きちんと誉めてあげないと』
昼にカズハさんが空を誉めていた事を思い出し
「白久、グッボーイ」
そう言ってみたが、白久はキョトントした顔をしている。
『そうか、白久は犬の訓練学校になんて行ったことないから、英語で言われてもピンとこないのか
カズハさんを真似るだけじゃ、ダメなんだ』
俺はそう気が付いた。
白久が誉められてると感じられる言葉…
「白久、よしよし」
そう言って伸び上がって白久の頭を撫でると、うっとりとした顔をして体を寄せてくる。
そんな白久を見ていると
『あいつは、100年近く独りだったんだ』
ゲンさんの言葉が耳に蘇ってきた。
俺は白久が愛しい分だけ切なくなった。
『俺に、白久の100年の孤独を埋められるんだろうか』
ふと、不安が頭をよぎる。
「荒木…、ご褒美をねだってしまっても、よろしいでしょうか?」
白久が俺に頬を寄せて囁いた。
「うん、何が欲しい?」
白久のために俺が用意できるものなら、何でも与えてあげたかった。
「荒木が欲しいです
しても、よろしいですか?」
白久が俺の頬を両手で優しく挟んで、瞳をのぞき込んでくる。
「うん…して
俺も、白久としたい」
俺はそう答えて、白久と唇を合わせた。
「荒木、お慕いしております
荒木と巡り会えて、本当に良かった」
切実な白久の言葉が、胸に刺さる。
「白久、俺、ちゃんと白久のこと飼うから
白久が俺と居て幸せでいられるよう、もっと勉強する
だから、ずっと俺の飼い犬でいるんだぞ!」
カズハさんのように上手く出来たかわからないけど、命令するように言ってみると
「はい!私はずっと、荒木の飼い犬です!」
白久はキッパリとした声で、返事を返す。
その瞳には、薄く涙が光っていた。
俺達はベッドに移動すると愛を確かめ合った。
いつもよりもっと丁寧に、白久の舌が体中を這い回る。
「あ、んん…」
いつのまにか白久は俺の敏感な場所を覚えたようで、そこを集中的に攻めてくるため甘い喘ぎが止まらなかった。
白久と一つになる瞬間、体だけではなく心も繋がっている事を感じられた。
「荒木…」
「白久…」
何度も互いの名前を呼びながら、俺達は愛しい者の存在を確認する。
それはいつもの行為より、神聖な気持ちにさせられるものであった。
行為の後、白久の腕に抱かれる俺に、白久が柔らかに話しかける。
「初めて三峰様にお会いした時
『必ず心惹かれる人と巡り会えるから、それまで寂しくても耐えなさい』
そう、言われたのです
仲間達と共に居ても、ふいに孤独におそわれる時もありました
あのお方が恋しくて、たまらなくもなりました
何故、私は心惹かれる人と会えないのだろうと、悲しくなることもありました
けれども今は荒木、貴方がいる
心惹かれる人に飼っていただけて、愛していただける
私は本当に、幸せです…」
そんな言葉を聞きながら
「うん、俺も白久のこと飼えて嬉しいよ…」
俺は夢うつつで呟いた。
俺を抱く白久の腕に力がこもり、温もりが優しく体を包み込む。
『そうだ、誰かの真似じゃなく、ゲンさんに言われたみたいに、ゆっくりと俺達の関係を築いていけば良いんだ…』
俺はそう感じながら、幸せな眠りに落ちていくのであった。