しっぽや(No.70~84)
「カズハさんお勧め、水出し桜緑茶を作っておきましたよ
歩き回って疲れたでしょう
少し休んでください」
僕は氷を入れたグラスにお茶を注ぐとテーブルに置いた。
「捜索に出てるひろせの方が疲れてるだろ?
お疲れさま」
タケシは労るように頭を撫でてくれた。
「俺、駅と事務所近辺のコンビニやスーパー以外この辺探索してないから、新たな発見があって良かったよ
また、一緒に散歩しようね」
嬉しそうな顔のタケシを見ていると、僕も嬉しくてたまらなくなってくる。
自分がタケシに何かを教えてあげられるなんて、不思議な気持ちだった。
「夏休みって、良いですね
こうやってタケシが来てくれて、ゆっくり出来る
でも、再来年には荒木や日野のように、忙しい夏休みになってしまうのですよね」
僕は少し寂しそうな黒谷や白久を思い出していた。
「うん、俺も流石に受験前は予備校行こうかなとは思ってる
大学行ってちゃんと勉強して、その知識を少しでもしっぽやのために役立てたいって思ってるんだ
何が役に立つ知識になるかは学んでみないとわからない、ってゲンちゃんにも言われてるし
俺、頑張るよ」
頼もしいタケシの言葉に、僕は何で黒谷や白久が寂しい夏休みを耐えていけるのか少しわかった気がした。
「けど、それは先の話
今年の夏休みは、いっぱいひろせと過ごすよ
先輩達からも1年の夏休みは思いっきり遊んどけ、って言われてるもんね
ひろせも夏休みもらえる?
旅行とかは無理だけど、ゆっくりデートしたいなって思ってるんだ」
エヘヘッと笑うタケシに
「僕、ショッピングモールに行ってみたいです
いつも皆に自慢されてるから
タケシと映画を見たり、お買い物したり、ご飯食べたりしてみたい」
僕はそんな夢を語っていた。
飼い主とお出かけデートをしている化生が、羨ましかったのだ。
タケシは瞳を潤ませて僕を見ると
「ひろせは健気で、本当に本当に可愛いなぁ」
そう言って強く抱きしめてくれる。
何で誉められているのかよくわからなかったけれど、僕は嬉しくなって彼に抱きついた。
お互いのドキドキする鼓動が感じられる。
このまま一つに溶け合ってしまいたかった。
「シャワー、浴びましょうか」
誘うように僕が囁くと
「うん、一緒にね」
タケシもそう囁き返してくれる。
僕達はシャワールームに移動すると温(ぬる)めのお湯にうたれながら、激しく唇を重ね合った。
タケシの手が優しく僕の体を移動していく。
触れられた場所から甘いしびれが広がっていった。
「ん…タケシ…」
絡め合う舌、触れ合う身体、高まりあう鼓動、お互いへの熱い想い。
「ひろせ…良い…?」
聞かれるまでもなく、僕の身体は激しくタケシを求めていた。
頷くと、彼は背後からゆっくり僕を貫いた。
「くうっ…」
一つになれた喜びと快感に思わず声が出てしまう。
最初は緩やかなタケシの動きが激しいものに変わっていくと、僕の腰もそれに合わせて自然と動いていた。
「ひろせ…ひろせ…」
彼の手が動きに合わせて、僕自身を刺激する。
「ああっ…タケシ…」
あまりの快感に僕は熱い想いを放っていた。
ほとんど同時に、タケシも想いを解放する。
火照った身体に、温いシャワーが心地よかった。
ベッドに移動した後も、僕達は激しく繋がりあう。
彼に抱かれている間、飼い主に契ってもらえる喜びと誇りで、僕は泣きたいほどの幸福を感じていた。
「ごめん、またやり過ぎちゃった
明日も仕事なのに」
ベッドサイドに置いてある時計に気が付いたタケシが、慌てた声を上げる。
時刻は既に深夜になっていた。
「俺、こーゆーとこ、まだまだガキだよね
大人っぽく、格好良くキメたいのに
欲望に負けちゃうなんてさ」
タケシは溜め息を吐いてションボリと肩を落とす。
僕はそんな彼に抱きついて
「それは僕も一緒です
タケシにしてもらえると、気持ち良すぎて時間なんて忘れちゃうから」
そう言って胸に頬ずりする。
タケシは僕の髪を優しく撫でながら
「また、泊まりに来るよ
夏休みは始まったばっかりだもんな」
そう語りかけてくれた。
「お泊まりが出来る夏休みが、こんなに楽しいものだとは思いませんでした」
僕はクスリと笑ってしまう。
ペンションに泊まりに来る子供たちの笑顔が、懐かしく思い起こされた。
「今日もお仕事頑張って、僕も夏休みをもらいます
時間を気にせず、タケシとゆっくり過ごしたいから
そうしたら、また…
いっぱい、してくれますか?」
思い切ってそう聞いてみると
「もちろんだよ」
タケシは僕を抱きしめて、情熱的なキスをしてくれた。
僕達はこれからの夏休みを思い、幸せな眠りに落ちていくのであった。
歩き回って疲れたでしょう
少し休んでください」
僕は氷を入れたグラスにお茶を注ぐとテーブルに置いた。
「捜索に出てるひろせの方が疲れてるだろ?
お疲れさま」
タケシは労るように頭を撫でてくれた。
「俺、駅と事務所近辺のコンビニやスーパー以外この辺探索してないから、新たな発見があって良かったよ
また、一緒に散歩しようね」
嬉しそうな顔のタケシを見ていると、僕も嬉しくてたまらなくなってくる。
自分がタケシに何かを教えてあげられるなんて、不思議な気持ちだった。
「夏休みって、良いですね
こうやってタケシが来てくれて、ゆっくり出来る
でも、再来年には荒木や日野のように、忙しい夏休みになってしまうのですよね」
僕は少し寂しそうな黒谷や白久を思い出していた。
「うん、俺も流石に受験前は予備校行こうかなとは思ってる
大学行ってちゃんと勉強して、その知識を少しでもしっぽやのために役立てたいって思ってるんだ
何が役に立つ知識になるかは学んでみないとわからない、ってゲンちゃんにも言われてるし
俺、頑張るよ」
頼もしいタケシの言葉に、僕は何で黒谷や白久が寂しい夏休みを耐えていけるのか少しわかった気がした。
「けど、それは先の話
今年の夏休みは、いっぱいひろせと過ごすよ
先輩達からも1年の夏休みは思いっきり遊んどけ、って言われてるもんね
ひろせも夏休みもらえる?
旅行とかは無理だけど、ゆっくりデートしたいなって思ってるんだ」
エヘヘッと笑うタケシに
「僕、ショッピングモールに行ってみたいです
いつも皆に自慢されてるから
タケシと映画を見たり、お買い物したり、ご飯食べたりしてみたい」
僕はそんな夢を語っていた。
飼い主とお出かけデートをしている化生が、羨ましかったのだ。
タケシは瞳を潤ませて僕を見ると
「ひろせは健気で、本当に本当に可愛いなぁ」
そう言って強く抱きしめてくれる。
何で誉められているのかよくわからなかったけれど、僕は嬉しくなって彼に抱きついた。
お互いのドキドキする鼓動が感じられる。
このまま一つに溶け合ってしまいたかった。
「シャワー、浴びましょうか」
誘うように僕が囁くと
「うん、一緒にね」
タケシもそう囁き返してくれる。
僕達はシャワールームに移動すると温(ぬる)めのお湯にうたれながら、激しく唇を重ね合った。
タケシの手が優しく僕の体を移動していく。
触れられた場所から甘いしびれが広がっていった。
「ん…タケシ…」
絡め合う舌、触れ合う身体、高まりあう鼓動、お互いへの熱い想い。
「ひろせ…良い…?」
聞かれるまでもなく、僕の身体は激しくタケシを求めていた。
頷くと、彼は背後からゆっくり僕を貫いた。
「くうっ…」
一つになれた喜びと快感に思わず声が出てしまう。
最初は緩やかなタケシの動きが激しいものに変わっていくと、僕の腰もそれに合わせて自然と動いていた。
「ひろせ…ひろせ…」
彼の手が動きに合わせて、僕自身を刺激する。
「ああっ…タケシ…」
あまりの快感に僕は熱い想いを放っていた。
ほとんど同時に、タケシも想いを解放する。
火照った身体に、温いシャワーが心地よかった。
ベッドに移動した後も、僕達は激しく繋がりあう。
彼に抱かれている間、飼い主に契ってもらえる喜びと誇りで、僕は泣きたいほどの幸福を感じていた。
「ごめん、またやり過ぎちゃった
明日も仕事なのに」
ベッドサイドに置いてある時計に気が付いたタケシが、慌てた声を上げる。
時刻は既に深夜になっていた。
「俺、こーゆーとこ、まだまだガキだよね
大人っぽく、格好良くキメたいのに
欲望に負けちゃうなんてさ」
タケシは溜め息を吐いてションボリと肩を落とす。
僕はそんな彼に抱きついて
「それは僕も一緒です
タケシにしてもらえると、気持ち良すぎて時間なんて忘れちゃうから」
そう言って胸に頬ずりする。
タケシは僕の髪を優しく撫でながら
「また、泊まりに来るよ
夏休みは始まったばっかりだもんな」
そう語りかけてくれた。
「お泊まりが出来る夏休みが、こんなに楽しいものだとは思いませんでした」
僕はクスリと笑ってしまう。
ペンションに泊まりに来る子供たちの笑顔が、懐かしく思い起こされた。
「今日もお仕事頑張って、僕も夏休みをもらいます
時間を気にせず、タケシとゆっくり過ごしたいから
そうしたら、また…
いっぱい、してくれますか?」
思い切ってそう聞いてみると
「もちろんだよ」
タケシは僕を抱きしめて、情熱的なキスをしてくれた。
僕達はこれからの夏休みを思い、幸せな眠りに落ちていくのであった。