Sunshine*Rainbow

「光喜く~ん!一緒に遊ぼうよ~」
ゆずは無邪気な顔をして、入園式で知り合った光喜に声をかける
「僕は・・・」
「光喜~そんな奴相手にしてないでこっち来いよ~」
ゆずはいじめられはしないものの、未だに無視を続けられていた
それでも気丈に振る舞うゆずは、以前よりも強くなっていた
「・・・・・・ゆずちゃん。寂しくないの?お友達少なくて」
光喜は、ゆずにそう尋ねた
「・・・・寂しいけど、寂しくないよ!だって、ゆずには翼宿も柳宿もユウもいるもん!」
屈託のない笑顔で笑うゆずに、光喜はどこか羨ましさを覚えた
「僕・・・今度、ゆずちゃんのお家に遊びに行きたいな」
「本当!?光喜君来て来て~v柳宿が唐揚げたくさん作ってくれるよ~v」
こちらの状況は、解決に向かいつつあった

ピンポーン
「はい」
「あの・・・俺です。翼宿です」
「翼宿さん・・・来てくださったんですね!」
玄関から顔を出した玲麗は、嬉しそうな声をあげた
「一応・・・大事なお客様ですから」
「さあ。どうぞ、おあがりになってください!」

ワン?
柳宿がため息をつきながら机に座っている
ユウが首を傾げながらこちらへやってきた
「今日、翼宿・・・ご飯いらないんだってぇ」
ワン?
「接待って言ってたけど・・・本当なのかなあ?」
勿論、営業だから接待もある
しかし、胸騒ぎがしていた
翼宿が遠くに行ってしまうようなそんな胸騒ぎが

「私・・・夫の事をとても愛していました。本当に大切にしてくれる人だったんですよ」
玲麗は、小皿にシチューをよそう
「だけど・・・結婚資金を渡したら逃げるようにここから出て行ったんです」
「・・・・・・・・・・・・・」
「好きな女が埼玉にいるって言っていました。その人と結婚するんだって」
玲麗の涙がまた零れて落ちた
「すみません。どうしても誰かに話さずにいられなくて・・・」
「いえ。俺は別に構いませんが・・・」
「翼宿さん。優しいんですね」
玲麗は、お酒の瓶を開ける
「・・・玲麗さん?仕事中です。お酒はちょっと・・・」
「仕事なんですか・・・?私に会いに来てくれたのではないんですか?」
「や・・・それはそれでまた・・・」
「良いじゃないですか。翼宿さんのお話も色々お聞きしたいんです」
大切な客だ
それを考えると、頼みは強く断れない

「柳宿~翼宿、まだぁ~?」
「今日は・・・帰り遅いみたいなんだ」
「つまんない~」
「・・・ゆず!今度の日曜日、海に行かない?」
「え?」
「パパとママとゆずとユウで!ゆずは、こないだ買った可愛い水着着せてあげる!」
「やったぁ~海海~vvv」
そう言って、柳宿は自分自身を落ち着かせているのではあったけれど

「・・・・・・・・あ~・・・」
「翼宿さん、お酒弱かったんですか?」
「いや・・・すんません。ちょっと・・・アルコールきつかったですわ・・・」
予想以上にきつい酒を飲ませられて、翼宿の顔は真っ赤だった
玲麗は、そっと翼宿に近寄る
「大丈夫ですか?私にもたれても平気です」
「や・・・それはよしておきますわ・・・」
しかし、玲麗は翼宿の腕にぴったり寄り添って離れようとしない
「れ・・・玲麗さん・・・?」
「私・・・翼宿さんの事好きになってしまったみたいなんです」
潤んだ瞳で見つめられる
「翼宿さんがよろしければ・・・今夜このまま・・・」
唇が近づく

『翼宿~v』

愛するゆずの笑顔
「つっ!!」
翼宿は、玲麗を突き飛ばした
「すんません・・・俺・・・帰りますわ・・・」
鞄を持って、よろけながら翼宿は帰って行った
玲麗は、不敵な笑みを浮かべていた
8/12ページ
スキ