Sunshine*Rainbow

「おはようございま~す」
七星親子は、今日も幼稚園の門を潜る
「ああ・・・七星さん!おはようございます!」
「先週は、ご迷惑をおかけしました・・・」
「あやめ先生!ゆずのネックレス見つかったんだよ!!」
「よかったわね~ゆずちゃん!もう、なくさないのよ?」
「うん!!じゃあ、柳宿!ゆず、もう行くね!」
「あ・・・はしゃいで転ばないのよ、ゆず~」
自分がいじめられている事実など露知らず、ゆずははしゃぎながから駆けて行った

「・・・あの。先生。昨日、主人が・・・」
「えぇ。お見えになりましたよ」
「驚かせてしまって、申し訳ありませんでした」
「雨の中・・・傘もささずに探してらっしゃいました。本当に娘思いの良いご主人ではありませんか」
「・・・・・・・・・・え?」
「応援します。なるべく子供たちにいじめられないように、私が見張っておきますので」
「あ・・・ありがとうございます!」

「小島、岩城、長瀬、相良・・・後4軒も残ってるがな・・・」
日も沈みかけている頃、翼宿はまだ外周りの営業をしていた
「・・・・・・・残業代ガポガポやなあ」
しかし、もはや翼宿はタフな男なのでこの状況を楽しんでもいた
「きゃっ・・・」
その時、背後で何かが零れる音がした
「へ?」
振り返ると、自分と同い年くらいだろうか
まだ若い女性が、買い物袋から食材を全て零して転んでいた
「・・・・・・・いったぁ」
「・・・大丈夫っすか?」
「あ・・・すみません。やだ・・・私ったら恥ずかしいところを・・・・・・っ・・・」
女性の瞳からは涙が伝っていた
「・・・え。どっか怪我されました?」
翼宿は袋に物をしまいながら尋ねた
「いえ・・・すみません。あの・・・私・・・」
女性は、澄んだ瞳で翼宿を見上げる

ガシャアン
「きゃ・・・」
「ちょっと!柳宿さん、大丈夫!?」
「あ・・・すみません!ぼーっとしていて」
「柳宿さんらしくないじゃないの!何かあったの?」
娘の事は解決した筈だった
なのに、何だろう。この胸騒ぎは・・・
自分が一番大切な人を失う怖さを、この時まだ柳宿は知らずにいた
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