Sunshine*Rainbow

『結婚しよう』
それは、ある出来事がきっかけで突き付けられた言葉

建設現場で出会った二人
翼宿と柳宿
営業で建設現場に来ていた柳宿と、その案内にあたった、まだ新人の翼宿
二人の出会った頃の気の合わなさといったら半端ではなかった
デリカシーのない男は、プライドの高い女が性に合わない
プライドの高い女は、デリカシーのない男が性に合わない
しかし、翼宿の転勤が決まった時、柳宿は気づいた
彼を愛しているという事に
彼に思いを告げ、二人はめでたく結ばれた
転勤先での同棲を始めた二人

そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・遂に一つの命は生まれた

親には、猛反対されていた
建設現場でもあまり評判がよくない橙頭
父親の後継の為に無理矢理働かされていた為ではあるが、彼自身は建設にあまりやる気がない
そんな男との交際や同棲など、昔から断固反対されていた
しかし、二人は結婚した
大切な命を守る為に

それから、四年後
「・・・・・・・・・・・・・・・ゆず!!早くご飯食べちゃいなさい!!」
「はぁ~い」
桜舞う四月
とある住宅での和やかな風景
柳宿は、四歳になった愛娘ゆずの新品の洋服を箪笥から取り出した
「ゆずも今日から幼稚園生なんだから、洋服も可愛いもの用意したわよ~v」
「やったぁvゆずの好きなピンクvvv」
「なあ・・・めっちゃキツくないか?その洋服」
「そう?友達の鳳綺と選んだから、間違いないと思うんだけど」
ちょっと派手な飾りのついたピンクの洋服を着て、ゆずはくるくる回る
「ねっvv翼宿!!似合うー?」
「お前にはまだ派手な服なんぞ早すぎるわ、ボケ」
「ちょっとぉ~そんな言い方はないでしょお~?」
どうも素直になれない翼宿は、ついそっぽを向いてしまう
しかし、ゆずにはもう慣れっこだった
「いいもーん。柳宿!!一緒に幼稚園行こう!!」
「はいはーい。あたしも化粧するから、ちょっと待っててー」
「ほな、俺は会社行ってくるわ」
「あー行ってらっしゃい。今日、遅くなる?」
「ん・・・多分、付き合いあるからな」
「そう。夜食置いておくから、適当に食べててね」
「へいへい」
ガチャ
ワンワンv
「お前はーいちいちうっさい!!人が出てく時に、出てきよる」
そこに、愛犬のユウが駆け寄ってきた
「犬にあたらない!!現場が営業になったからって、苛々しないでよ~」
「べっ・・・別にそんなん気にしてへんわ!!そんなんで機嫌悪くしてたら、男が廃る!!」
「機嫌悪いじゃないのよ。まあ、営業の事ならあたしに聞いて~vこれでも業績No.1のキャリアウーマンだったんだから!!
その前に、その頭を何とかしてほしいんだけど」
柳宿は、翼宿のツンツンの橙頭を引っ張った
「これは、俺のトレードマークや!!このインパクトで、成績取ってやるわ!!」
「その口の悪さも・・・何とかしなさいよ」
「翼宿っ!!ヘマしてきたら、承知しないからねえ!!」
「ゆず!!お前も幼稚園で泣きべそ掻いてきたら、承知せぇへんぞ!!」
ワンッ!!
現在、七星という姓を受け、翼宿、柳宿、ゆずと愛犬のユウで小さな一軒家を借りて住んでいる
この家族の新しい生活は、波乱の幕開けだった・・・

「むーすーんでひーらーいーて、てーをうってーむすんでー・・・あれ?」
「ゆず。お歌忘れちゃったの?」
「待って~もう一回!」
「今日の入園生発表で披露するんでしょ~?きちんと覚えなきゃ!」
桜舞う歩道を、手をつないで歩く柳宿とゆず
周りには、同じようにめかしこんだ母親と園児が手をつないで歩いている
「ゆず。友達たくさん出来るといいね!」
「うん!」
「おはようございま~す」
すると、横から一人の母親が声をかけてきた
「あ・・・おはようございます」
「今日からすざく幼稚園に入園する白鳥と申します。この子は、光喜といいます。よろしくお願いします~」
「七星といいます・・・この子の名前はゆずです。よろしくお願いします」
「七星・・・さん?」
「はい」
「・・・あらあら。よろしくお願いしますね。それでは、お先に・・・」
自分の姓を名乗った途端、白鳥はそそくさと光喜の手を引いて歩いて行ってしまった
「・・・・・・・???どうしたのかしら?」
「柳宿ー?早く行こうよ~」
「あ・・・ごめんごめん」

「おはようございます!!」
園児がたくさん集まっている教室のドアを開ける柳宿
「おはようございますっ!!」
それに続いて、ゆずもぺこんと頭を下げた
「あ。あやめ組の方ですか?お名前よろしいですか?」
そのクラスの担任らしき保育士が声をかけてきた
「あ・・・七星ゆずといいます。よろしくお願いいたします」
その声に、周りの母親がひそひそ話を始めた
「七星・・・さんですね?よろしくお願いします。担任の雀村カナといいます」
周りの空気を読んだのか、雀村は声のトーンを下げて挨拶をした

「おはようっざいまーす」
一方、翼宿は会社に出勤していた
欠伸をしながら席に着くと、上司の亀田が近寄って来た
「翼宿。今日から営業だな」
「あーはい」
「お前、もう少し身なりをきちんとしてきたらどうだ?」
「・・・・・・・・・・・」
「特にこの頭!」
亀田は、翼宿の頭をぐいと掴んだ
「お前は現場で使えてなかったら、今頃速攻でクビなんだからな?その立場を忘れるなよ」
「・・・・・・・・・・・はい」
「今日から、娘さんも幼稚園だろ?変な噂たてられないようにしねーとな」
嫌味っぽく亀田はそう言うと、立ち去って行った
「・・・・・・・・・・・阿呆くさ」

この話は
社会不適応の翼宿と
その評判の悪さを被った妻の柳宿
そして、二人の愛娘ゆずが世間の冷たさと戦っていく物語である
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