FIRE BOYS

「今日から、ガス室での救命訓練を行う!チーム内での声掛けが大事だ!ボンベの確認を各自行う事!」
「よぉし!!」
遂に、救命士の実習に入った
第一日目は、ガス室での救命訓練
人間に見立てた人形を探し当てて、戻ってくるといった内容だ
この中でも、特に仲が悪いのは五班
ボンベチェックから、不安である
「それでは、五班侵入!!」
「よぉし!」
五班は、一斉に突入した

「誰か、いますかー?」
「返事お願いしまーす」
人形がいるという設定だが、声掛けは各自徹底して行う
「ふぁ~~~暇やな」
「こら、翼宿。テキパキやれよ」
「ふぁ~~~い」
「・・・・・・・・・・・っ!?」
一番後ろで歩いていた張宿が立ち止まった
「どないした?張宿」
「・・・・・・・・・・・・息がっ!」
張宿が突然胸を押さえて苦しみ出した
「・・・・・・・・おい!どないした!?」
「まさか、ボンベが・・・」
「え・・・?」
見ると、張宿の背負っているボンベのメーターが上がっている
「穴空いてたんか!?」
「くそっ・・・!何してんだよ!」
「これ、つけろ!すぐにここから出るで!!」

「五班・・・遅いですね」
小山田と試験監督が顔を見合わせる
「何をやっているんだ・・・あいつらは」
バン!!
突然、扉が開いた
「おい!どうした!?」
「翼宿!?」
「ゲホゲホッ!!」
翼宿と張宿が二人出てきた
「何があった!?」
「張宿のボンベに穴が空いて・・・」
「訓練中止だ!みんな、持ち場へ戻れ!!」

「何なんだよ・・・一体!」
「どこまで、足引っ張れば気が済むんだよ!!」
ロッカールームで、皆から張宿は責め立てられる
「何で、出ていかねえんだよ!」
「お前のせいで、俺らの訓練みんな遅れるんだよ!」
「すみません・・・でした」
「おいおい・・・そんな言い方はないんやないか?」
「せやせや!元々、小泉がボンベの確認怠ったのが悪いんちゃうか?」
功児と翼宿だけは、擁護派だった
「俺は、ちゃんと確認した・・・」
「てめぇ、ふざけんのも大概にせえや!もう少しで、張宿が死ぬトコやったんやで!?」
翼宿が、小泉に掴みかかる
「・・・・・・・・・足手まといは、早く消えた方がいいと思うぞ」
田端が、その後ろからふっとそんな言葉を漏らす
「あ?てめえ、今、何て言うた?」
翼宿が、今度は田端に掴みかかる
「やめてください!翼宿さん!」
振り返ると、頬を濡らした張宿の姿
「僕・・・もう十分です。皆さんと・・・一緒に訓練出来て・・・嬉しかったです。ありがとうございます・・・」
「おい・・・張宿・・・?」
張宿は、鞄を持つとそのまま駆けだして行った
「張宿!!」
廊下を飛び出すと、小山田教官の姿
「小山田教官!張宿が!」
「放っておけ。訓練を逃げ出したい者は、勝手にしておけばいい」
「そんな・・・っ!あいつ・・・今まで頑張ってきたやないですか!」
「所詮、遥かにペースは遅れていた。そんな奴は、辞めて正解だ」
「・・・・・・・・・・っ!!!!」
逃げ出した仲間
追わない仲間

「お疲れ様でーす」
「柳宿。もう上がりなの?」
「はい!お疲れ様でした!」
「あなた、もう少しで救急隊員認定試験でしょ?早く昇格出来るといいわね」
「今日も、怒られてばかりで・・・いつになるんだか」
柳宿は、笑いながらロッカーのドアを開ける
♪♪♪
携帯の着信が鳴る
メールだった
開くと、遂先日に登録した相手の名前
『よう。明日、約束の飯つき合え』
あいつからだった
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