FIRE BOYS

ドシャーン
「張宿!何をしている!!」
「すっ・・・すみませんっ・・・」
「お前だけ遅れを取っているぞ!罰として、五班もう十周!」
「「えーーーーーーー!?」」
「何がえーーーだ!堺!小泉!文句があるなら、もう二十周!」
「すっ・・・すみません。皆さん・・・」
「・・・・・・・・気にすんな。あの教官が阿呆なんや」
「何か言ったかぁ!?翼宿!」
「何でもないですっ!」

「あーーーーーーーーーーーーやってらんねえよなぁ!!」
「誰かさんのせいで、俺らの班だけ遅れ取ってるし!勘弁してくれよなぁ!」
「すみません・・・皆さん・・・本当に・・・」
寮の部屋も、班ごとだ
部屋に戻ってから、堺と小泉から嫌味を言われる張宿
「まあまあ~お前ら、そんなカリカリすんなや!」
「・・・お前もな。ちょっと動けるからって、調子乗ってんじゃねえぞ」
「あ?何やと?」
「そうやって正義感振りまく奴が、一番うざってーんだよなあ!」
♪♪♪
その時、堺の携帯が鳴り響く
「もしもし?あー今から?いいよいいよー全然!じゃあ、今から行くね!」
「何や、堺。こんな時に、女か?」
「悪いかよ?お前らと一緒にいると、男腐るってーの!」
「・・・・・・・・・んやと、こら・・・!!」
「やめてくださいっ!」
張宿の声で、動きが止まる
「僕・・・僕のせいで・・・皆さん・・・喧嘩・・・しないでくださいっ・・・」
「ちっ!」
堺は、翼宿を突き放した
「翼宿さん・・・大丈夫ですか?」
「ああ。気にすんな」
「僕のせいで・・・ごめんなさい」
「お前のせいやないてー!あいつらがカリカリしすぎなだけや!」
「だけど・・・」
「ほな、俺と特訓するか?」
「え・・・?」
「この翼宿様が、仲間を見捨てる訳がないやろーが!」
そう言って、翼宿は笑う

「休日なのに、特訓?」
「ああ。翼宿の奴、張宿連れて港行っちまった。ったく・・・やるだけ無駄だよ、あんなチビ」
休日に、翼宿の部屋を訪ねた功児は、堺と小泉からそう聞かされた
「お前ら、最近仲悪いのか?」
「翼宿にも、いい加減呆れたっつーの。一番ヘラヘラしてる癖に、正義のヒーローぶりやがって」
「・・・・・・・・それが、あいつやからな」
功児は、そう呟いた

「ほらほらー!走れ、走れ!張宿!」
「はぁはぁはぁ・・・」
「そんなんで、救命士になれるかい!救命士になりたくないんかぁーーー!?」
「な・・・なりますっ!!」
朱雀港の周りを走り回る翼宿と張宿
「いーちーにーさーん」
「しーごーろーく」
その後は、二人で腕立て伏せを始める
周りの人間は、おかしな目で二人を見つめる

「はぁーーーーーーーーーー!休日の特訓も気持ちいいなあ!」
「はい!」
「何や、差つけたような気がするなぁ!」
「そうでしょうか・・・」
「そんな暗い顔すんなや!もっと、自信持て!」
「ありがとうございます・・・翼宿さん。翼宿さんがいなかったら、僕・・・」
「あーんな堅苦しい事言わんでも!仲間やろ?」
「僕・・・何か飲み物買ってきますね!翼宿さん、何にしますか?」
「おーじゃあ、スポーツドリンクでえぇわ!」
張宿は、コンビニへと走って行った

「おい」
「んあ?」
翼宿は、間抜けな返事で振り返る
そこには、FIRE BOYSのあの男
「あっ!こっ、こんちわ!!」
「何をしている?」
「いや・・・特訓を少々・・・」
「今日は、訓練は休みだろう?」
「そうなんすけど・・・班の奴と自主練を・・・」
「あの小さい坊やか?とても、救命士に向いてるとは思えないが」
「いっ・・・いや!んな事ないです!人一倍頑張ってます!その内、めきめき上達しますよって!」
男は、溜息をつく
「お前は全く・・・自分の心配をしたらどうだ」
「俺はタフなんで、しばらくは平気です!」
「そういう奴に限って、一番心配なのだが」
しかし、男の口元には笑みが浮かんでいた
「あの・・・?」
「翼宿といったな?」
「はい!」
「俺は魄狼。機会があれば、また会おう」
「へ・・・」
名前を名乗られた
自分が少しは認められたのだろうか

「お待たせしました!・・・あれ?翼宿さん?」
「や・・・やったでええええええええ!!」
「えっ・・・どうしたんですか!?」
戻ってきた張宿に、翼宿はいきなり抱きついた
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