FIRE BOYS

「あーーーーーーだる!はよう、退院したいわーーー」
翼宿は、一日もすればベッド生活に飽きてしまう
やっぱり、中身は変わっていないようだ
「・・・・・・・・・・心配する事もなさそうね」
「は?」
声がして振り返ると、柳宿が立っていた
「柳宿・・・」
「これ、お弁当。お昼に食べて?」
「お・・・おぉ。おおきに」
いきなり、弁当を机に置かれて、翼宿は驚いた
「・・・・・・・・・・・・・・・ありがとう」
「ん?」
「あの日は・・・」

『お前は・・・・・・・・・・・・お前だけは、絶対に・・・・・・・・・・・・・俺が護る・・・・・・・・・・・・・・!!もう・・・・・・・・・・・・誰も・・・誰も・・・・・・・・・・・・・・・・・・死なせるかいっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!』

「・・・・・・・・・・・・ああ。当たり前の事をしたまでや」
「だけど・・・あんたが助けに来てくれて、本当に・・・・・・・・・嬉しかった」
「そ・・・か」
柳宿は、なぜか緊張しているようだ
「・・・・・・・・・・・あたし、救急隊員やってみる」
「え?」
「昇格試験だって、何度でも受けてみる。絶対に諦めない」
「そか・・・」
「・・・・・・・・・・・・・だから、あんたも」
「俺は、どうかなあ~」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「また、今回無茶な事したしな。どうなってるか・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・そんな事ないわよ。きっと・・・きっと、小山田教官はあんたの事見てるわよ」
「そぉかぁ?」
「あたしは・・・ずっと見てきた。あんたの事・・・絶対に諦めない強い心を持ってるあんたを・・・」
「柳宿?」
功児が、病室の前にやってきていた
「・・・・・・・・・・・・翼宿。あたしね」
「ん」
「あんたの事・・・・・・・・・・・・・・・好きになったみたい」
「・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「離れたくないの・・・」
「柳宿・・・」
翼宿の顔がみるみる赤くなっていく
わざと、顔を逸らした
「ちょお待て・・・冗談・・・やろ?」
「冗談で、何でこんな事言うのよ!」
「んな・・・んな・・・んな事言うたって・・・俺・・・今、採用試験の事しか考えられないし・・・そいで・・・そいで、俺・・・お前の事・・・そういう対象には・・・」
「・・・・・・・・・・・・っ・・・」
「あー・・・いや!別に嫌いやないけどな!けど、愛とか恋とかそーいうんは・・・」
「分かった」
柳宿は、無理に笑う
「ごめんね・・・変な事言って。忘れて・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・あ」
「お弁当箱返さなくていいから・・・じゃあ、お大事に」
「柳宿・・・」
柳宿は鞄を持つと、病室から出て行った

「あーあ。フッてもうた」
「こっ、功児!盗み聞きしてたんかいな!?」
「たまたまや。お前もー彼女に期待させる事するからや!」
「期待ー?」
「抱きついてたやろーが」
「あっ・・・あれはあ!あいつにこれ以上煙を吸わせないようにやなあ!」
「女のロマンの欠片も分からんお前を説得するのが間違いやったわ」
「・・・・・・・・・・・・どーいう意味やねん」
「ホンマに、あの子はお前の事をずっと見てたと思うで。そういう存在がいて、嬉しいやろーが」
「・・・・・・・・・・・・そら、そやけども」
「試験の結果分かったら、きちんと返事したれ。お前かて、嫌いやないやろ?あの子」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
恋愛なんて、マトモにした事なかった
自分に告白してきた女は、全員柳宿のような反応だった
けれど、本当に大切な「女」って・・・
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