FIRE BOYS

「何や~張宿の買い出し遅いな~」
「本当に柳宿ちゃんとデートしてたりしてなーv」
「どないするー?翼宿?」
「なっ・・・何で、俺にフるんや!」
Pllllllllllllllll
「おあ?」
翼宿の携帯の着信が鳴った
『着信:柳宿』
ピッ
「んあ?どないした?」
『翼宿!!!!すぐに病院に来て!!張宿君が・・・張宿君が・・・!』
柳宿の涙声が聞こえた

バタン
病院に駆けつけると、張宿が寝台に横たわっていた
「・・・・・・・・・柳宿・・・!?」
その横で、俯いて椅子に座る柳宿
「・・・・・・・・工事現場で事故があって・・・要救助者を助けて・・・その後に・・・」
涙でむせかえる柳宿
「・・・・・・・おい。張宿・・・」
翼宿が寝台の横に跪く
「お前・・・もう少しで採用試験やで・・・こんなトコで寝てる場合やないやろ・・・」
六人の中に、泣き声が漏れる
「おい・・・お前・・・もう少しで一人前になれるんやで!?母ちゃんや父ちゃんやばあちゃんに喜んでもらえるんやで!?」
張宿は、返事をしない
「おい・・・張宿!ちりっ・・・・・・・・・・・・!!!!」
蕾は、花を咲かす事なく、静かに散った・・・

静かに、汽笛が鳴る
朱雀消防署員は、全員スーツ
「敬礼!!」
その掛け声で、皆が一斉に敬礼
その間をゆっくりと、一つの棺桶が通る
誰しもが、その光景を呆然と眺めていた

ロッカールームで、張宿のロッカーを見つめる翼宿
遺品として残されたノートを、翼宿は握り締める
その時、田端が入ってきた
二人は目が合うが、そのまま逸らす
「・・・・・・・・・・・・・・・・・馬鹿だろ」
田端の声
翼宿は、すぐに物凄い形相で彼を睨みつける
「あ?今、何か言うたか?」
「馬鹿だって言ってんだよ、あのチビ。訓練に余計な時間取らせやがって・・・」
翼宿は、ノートを放り出した

「・・・・・・・・お前ら、切り替えしろや」
「・・・・・・・・・・・・おう」
「採用試験は、待ってくれへん。俺らはしっかりせなあかん」
功児を含む六人は、そう言いながらロッカールームへ向かう

ドシャアアアアアアアアン

ロッカールームから、凄い音が聞こえてきた
「何や!?」
「翼宿!?」
ロッカールームでは、田端に馬乗りになっている翼宿
「お前・・・・・・・もう一遍言ってみろ!!!!」
「ああ、何度でも言ってやるよ!あいつは屑だ!!最期まで俺らの足手まといになった屑以外の何者でもない!!」
「貴様・・・!!」
「翼宿!!落ち着け!!」
そこに、小山田教官が顔を出した
「き・・・気をつけ!!」
皆が、気をつけをする
翼宿と田端は、渋々立ち上がる
「余計な諍いをするのではない」
「余計て・・・!教官!こいつは、張宿の事足手まといの屑て言うたんですよ!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだ」
「なっ・・・!!」
「救助の際に、自分の命を落とすなど、救命士として恥ずべき行為だ!!!」
小山田の発言は、冷たかった
「くっ・・・・・・・・・・・・・・・・・わああああああああああああああああ!!!」
翼宿は、机に拳を叩きつけると、叫んだ
大事な仲間を失う事は・・・何よりも辛い事だった
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