FIRE BOYS

『横浜市内工場で、火災発生ー火災発生ー』
消防署内に響き渡るアナウンス
一斉に、待機していた団員は防護服の着用に走る
「おい、急げ三班!」
「翼宿!お前、こないだも消火ミスったんやろ!?今度はちゃっちゃとせぇよ!」
「分かってるわ!ちょっと手が滑っただけや!」
そんな団員達の会話を団長に遮られながらも、皆が車に乗り込んだ

「お疲れ様です・・・状況は!?」
「団長!中は凄い熱気で・・・こっちでもまだ応戦出来ません。取り残されている女性がいる模様で・・・」
団長同士の会話を尻目に、一人の少年が車から飛び降りてその横を凄い勢いで通り過ぎた
「ちょっ・・・待てや、翼宿!まだ、指示出てへんやろ!」
「指示も何も、もう半分燃え尽きてるやろが!はよ消火なり救助なりせな!」
「翼宿ぃ!!」
団長の怒鳴り声が炸裂した
「お前はいつも団長の俺様の指示に従わんと!勝手な行動ばっかり!」
「いだだだだっ!団長、耳!耳!」
「助けてーーーーーーーーーーーーーーー!!」
一人の女性の叫び声が、辺りを静まらせた

時を同じくして、救急隊員の間でもパニックが起こっていた
「もう、大丈夫ですよ!しっかりしてください!」
「酒田さん!分かりますか?すぐに病院に着きますからね!」
被害者の数が多く、今ある救急車だけでは足りない事態だった
「柳宿!早く酸素ボンベを!」
その中で、特に何も出来ずに突っ立っている一人の少女がいた
指示をされても、相変わらず呆然としている
「柳宿!何をしているの!?」
先輩の声で、ハッと我に返る
「すみません・・・」
「もう!あなたは、避難者の誘導にあたって!」
現場を前にして、未だに動けない柳宿という少女
涙を堪えて、走りだす

「だーからーーーーーーーーーーーーー!!走るな、翼宿!」
「こっちのが早いわー!」
「こらーーーーーー翼宿!!」
屋上から女性が助けを求めている
相変わらず、自分勝手な行動に出ている翼宿が向こうから駆けてくる
ドンッ
「きゃ・・・」
ドサッ
「・・・・・・・・わっ!すまん!大丈夫か!?」
その少女は顔をあげた
その瞳には涙が伝っていた
「・・・・・・・・・・・っあ・・・?」
「こらぁーーーーーーー翼宿!!」
「どわっ!!!」
親友であり同じ団員である、功児と団長が同時に彼を捕えた
「何すんねん!怪我したらどないすんねや!!」
「もっと怪我する事になんねん、お前はぁ!」
「団長の言う事が聞けんのか、お前はぁ!」

ブロロロロロロロロ

その時、四人の頭上にヘリコプターの影が覆い被さった
『FIRE BOYS 到着! FIRE BOYS 到着!』
「FIRE BOYS来たかぁ!」
「ファイヤーボーイズ??」
「何や、お前知らんのか!!FIRE BOYSっていやあ、都心一の救助隊やないか!」
「へあ・・・?」

『助かった!FIRE BOYS!!すぐさま、屋上で逃げ遅れている女性を助けてくれ!!』
『ラジャー』
すぐにヘリコプターは屋上の真上に到達
ヘリコプターの底から紐が垂れてきて、隊員が滑り降りてきた
すぐさま、女性をくくりつけ、再びヘリコプターへ登って行った
その素早さと言ったら、尋常ではない

「すっげ・・・」
パチパチパチパチ
周囲から、歓声が沸き起こった
「さすがだなあ・・・」
「あれが・・・ファイヤーボーイズ・・・」
「せや。俺ら消防士は、火を消す事が目的。無理な救助は、あいつらに任せとくんや」
「・・・・・・・・・・・・・なる」
「は?」
「なる!!!!!!」
突然、翼宿が勢いよく立ちあがった
その勢いで、団長と功児が吹き飛ばされた
「「何!!??」」
「俺、FIRE BOYSになる!!!!!!!!!!!!!!」
こうして、少年の無謀な挑戦が始まった
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