紡歌

コンコン
「美朱?」
「鬼宿っ・・・!?」
美朱は、鬼宿の訪問にすぐさま扉を開ける
「鬼宿・・・あの・・・」
しかし、美朱は抱きつく事は出来ない
だから、鬼宿から抱きしめた
「鬼宿・・・」
「美朱・・・ごめんな。俺、どうかしてた。お前の事を好きすぎて、逆に理性を失ってた。許してくれないか・・・?」
「鬼宿・・・本当に?あたしの事、嫌いになったんじゃないの・・・?」
鬼宿は、美朱を引き離して言った
「そんな訳ないだろ!?誰よりも、お前を愛してるよ!!」
「鬼宿っ!!」
美朱は、もう一度鬼宿に抱きついた
何だかんだで、こうしているのが一番落ち着く鬼宿であった

その数日後、北甲国への船は幟を揚げた
遂に、朱雀七星の出発の日が来たのだ
「・・・・・・・美朱。気をつけるのだよ。何かあったら、この神剣を私だと思ってくれ」
星宿はそう言って、美朱に神剣を託した
「うん・・・分かった!じゃあ・・・行ってきます!」
美朱は笑顔で、船に乗り込んだ
その後ろには朱雀七星士

「よう」
「あら・・・翼宿」
「出発してもうたな」
「そうね・・・無事に帰ってこられるわよね」
「当たり前やろ~この天下の翼宿様がついてる限りはなぁ!」
「・・・あんたが一番心配なんだけど」
「何や、たまの奴。家族殺されて辛い筈なのに、あんな明るい顔して」
「そこが・・・たまちゃんのいいトコでしょ」
鬼宿の家族が角宿に殺された現場を目撃した柳宿は、俯いてこう言った
「ホンマ、根性座った奴やで」
「大人なんでしょ~?翼宿ちゃんも見習ったら?」
「ばっ・・・!!俺が餓鬼や言うんか!?」
「別にそうとは言ってないけどぉ~?」
「おい・・・お前、ホンマにあいつと何も・・・?」
「さぁーてねぇvvv」
海には、翼宿と柳宿の笑い声が響いていた

「~~~~~~~~~~~~~~~」
「鬼宿・・・何歌ってるの?」
「ん・・・?大事な人を失った時に歌う歌だよ。昔教えて貰ったんだ」
「鬼宿・・・」
それは、昔柳宿に教えて貰った手毬歌だった
「美朱・・・」
「なあに・・・?」
「俺・・・親父の墓の前で誓ったよ」
「・・・・・・・何を?」
「絶対にお前だけは、全身全霊をかけて護り抜く」
美朱はその言葉に、ハッと顔をあげる
「絶対に・・・みんなで帰ってこような」
「・・・・・・・・・・・・・うん!!」
朱雀七星を乗せた船は、今新たな目的に向かって旅立った
みんなで一緒に帰ってこれますように
そんな祈りも乗せながら・・・
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