百花繚乱・第二部

『そんな気張ってて、疲れへんのか?』

朱雀七星士一のお調子者に見透かされたのは、 ずっと隠してきた自分の心。
でもね。あの頃はまだ、生意気な弟ね…としか思えなかったんだ。


『ええんや!お前はお前で』

七星である事に疲れて、自分の能力を人と比べる事しか出来ないでいた自分にかけられた言葉。
あの時、背中を支えてくれた手がとっても暖かかったんだよ。


『これからは…大事な時期やもんな。朱雀呼んでからで、ええ』

星見祭りの夜。あんなに近くで顔を合わせて、確かに自分の鼓動は早鐘を打っていた。
ねえ?本当は、あの日に何を言おうとしていたの?


『…柳宿。死ぬなよ…?』

まだまだ、あんたと漫才やっていけると思った。だから、笑って答えたの…


『このアホんだら!目覚まさんかい!柳宿お!!』


ごめんね?約束破って…ごめんなさい。


あんたと笑って、あんたと泣いた日々。
こんなにかけがえないものだったんだって、離れてみてやっと気付いたんだよ。


もっと、たくさん話したい。
もっと、たくさん笑いたい。


ねえ。翼宿…会いたいよ。
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