太陽に咲く秋桜
『なぁ。柳宿?』
『何よぉ?』
『そんな毎日面倒ばっか見て、疲れんのかぁ?』
『何よ、いきなり~?』
ここはどこだろう
昔の中国にあるみたいな居酒屋で、酒を飲みながらあたしは誰かに話しかけられている
『疲れないわよ~みんな可愛くて仕方無いものv』
『あーあー。怖いわ~そういうの。いつか自分が潰れんねんな~』
『何よ、それ?』
『自分の弱みくらい見せれる相手一人でも作っとかんと~自分が潰れる事や!!』
『別にあたしは~・・・』
『あぁ。お前には俺がおるから平気かv』
『何言ってんのよ!!あんたなんかに誰が相談するもんですかぁ!!』
『ほな、酒いただくで~俺の奢りやしなぁv』
『あー返しなさいよ!!弱い癖して!!』
楽しそうに笑う橙頭
・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?何か俊に似てる・・・
誰だろう。こいつは一体あたしの何・・・
PiPiPiPiPiPi
「・・・・・・・・・・ん」
いつも通りの目覚ましの音が聞こえる
「夢・・・?」
そっと目を開けると、部屋の天井が見えた
「変な夢・・・やけにリアルだったわ」
俊がコスプレみたいなのして、あたしと飲みながら笑ってた
馬鹿ね。そんな事ある訳ないのに・・・
すると、棚の上に飾ってあった一枚の色紙が目に入った
綺麗な紫色の秋桜
それを見たら、何だか笑みがこぼれた
「さてと・・・・・・・・・・・・・今日も頑張りますか!!」
「柳さぁんv契約が取れましたよ!!」
出勤すると、同僚が飛びついて来た
「本当!?」
「先週、二度も柳さんが顔を出した「和化粧亀」さんで、アクセサリーを取り扱ってくれるそうです!!」
「やったぁv初契約じゃない!!」
自分がチーフに就任して、初の契約だ
柳は嬉しくなって、同僚と抱き合って喜んだ
その光景を、佐々木はじっと見つめていた
「お疲れ様でした~」
バイク屋で、今日も俊はシフトを終わらせる
「俊~お前、また絵売りに行くのかぁ?」
「えぇまぁ。これしないと、旅費稼げないんですよ~」
「いつか日本を回って写生だっけか?その前に一緒に回る彼女作れよ~」
「金貯まったら、考えますわ」
笑いながら、俊は鞄からバイクキーを取り出す
パタン
その時、何かが落ちた
「んあ?」
拾ってみると、紫のパスケース
その中には、「YANAGI チーフ 柴咲柳」と書かれた名刺が数枚入っていた
「・・・・・・・・・・・・・・あいつ、昨日俺の鞄に落として行きよったんやな?」
多分、座ってる時にポケットからでも落ちたんだろう
「ったく・・・チーフが落し物多いなんぞ困るわぁ」
名刺なので、当然会社の住所も載っている
「・・・・・・・・・・・・届けるか。しゃあない」
「お疲れ様でした~」
「明日も頑張りましょうねv」
「分かってるわよ!!」
退勤の時間
柳が書類を片付ける手も軽い
(何だか、幸先いい感じよね~)
自分の事を清算出来た途端に、契約も取れて
鏡を取り出し、薄く唇に紅を引く
(契約取れたって、お礼言わなきゃな。肩の力抜く事教えてくれたあいつに)
ギィ
突然扉が開いた
そこには、佐々木の姿
「・・・・・・・・・・・・・佐々木」
「お疲れ様です」
「・・・・・・・・・・・・お疲れ様」
「契約取れたんですね」
「えぇ・・・まぁ」
「よかったですね。足元が掬われて」
「・・・・・・・・・ねぇ。あんた、あたしの事嫌いでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「前から思ってたけど、最近何だか急にきつくなって・・・あたし、何かしたの?出来れば気持ちよく仕事していきたいんだけど」
冷静に問いかける事が出来た
「・・・・・・・・・・・・・・・・・俺は」
ガタガタッ
「・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
「YANAGIのオフィスは、6Fになっております。お約束の方ですか?」
「や。忘れ物届けに」
「それでしたら、我々がお預かりしておきますが」
「ああ・・・じゃあ、そうしてください。お願いします」
顔を見たかったけれど、まぁいいや
またその内、店の方に来るだろう
そう思い、受付に預け、俊はオフィスを出た
出ようとして、足が止まった
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
柳は、佐々木に口づけられていた
「やだっ!!!!離して!!佐々木!!」
「俺は・・・・・・・・俺はずっと・・・柳・・・・・・・・・お前が・・・」
「きゃあっ!!」
ソファに押し倒される
「・・・・・・・・・・・・・・・・バイクで男にぶつかったって聞いて・・・お前にも遂に男の影がって思ったら・・・入社したてからあなたを見ていた俺は悔しくて・・・わざと冷たくして気を引こうとしたんだ・・・!!!!」
目をギラギラさせて、自分を押さえつける佐々木に鳥肌が立った
「柳・・・・・・・・・俺だけを見ろ・・・・・・・・・・・俺だけを!!!」
「いやぁっ!!!!!」
ワイシャツを引きちぎられる
バタン
「すんません・・・あの」
そこに聞こえてきた声
そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・目が合う
「・・・・・・・・・・・・・誰だ、お前は!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何やっとんねん」
「邪魔をするな!!取り込み中だぞ!!」
「俊っ・・・・・・・・・・・・・・」
柳の涙を見て、俊は佐々木を睨む
「取り込み中?泣いてるやろが」
「てめえには関係ねえだろ!!!!」
再び柳に触れそうになった手を、俊は物凄いスピードで押さえた
そして突き飛ばす
「何なんだ、お前は!!」
「逃げろ」
「え・・・?」
「えぇから、早く逃げろ!!」
凄い表情の翼に戸惑いながらも、柳はオフィスを出た
「つっ・・・・・・・・・・・・・!!!!」
階段の踊り場で足がもつれてそのまましゃがみこむ
壁にもたれると、自分の震えが止まらないのが分かった
(何で・・・どうしてなの・・・佐々木・・・!!あたしの事・・・あんな風に)
認めたくない・・・認められない
唇をゴシゴシ擦る
プライドはやはり捨てられない
好きでもない男と・・・・・・・・・・・・・・・・
「おい」
声をかけられ、びくつく
「・・・・・・・・・・・・・・俊」
階段の上に俊が立っていた
「佐々木は・・・」
「会社の奴戻ってきたから、逃げたわ」
「俊・・・怪我は・・・」
「俺はない。本気で殴りかかってきたけどな」
「何であんた・・・」
「名刺昨日忘れてったから、届けに来たんや。まだオフィスいるて受付に言われたから預けてきたんやけど、6F見たら電気ついてないから、おかしい思うて」
(じゃあ、俊が来なかったら・・・私はあのまま・・・)
「まぁ・・・話は後や。とりあえず・・・立てるか?」
手を差し出してくる
プライドが高くて強がってて
誰にも甘えられなかった
そんな事がたまらなく寂しくて
だけど・・・だけどね。こいつはずーっと
あたしの事を見ててくれていたような気がしたんだ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つっ!!!!」
その手を通り越して、私は俊に抱きついた
「うっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うっ・・・・・・・・・・・・・・・・くっ・・・ひっく・・・・・・・・・・・・・・」
男の人が怖いと初めて知って
だけど、自分はもう一人じゃないって
そう感じた瞬間だったから
手放したくなかったんだ
俊は、ずっと私の背中を摩ってくれていた
オレンジの香りが涙に染みた
『何よぉ?』
『そんな毎日面倒ばっか見て、疲れんのかぁ?』
『何よ、いきなり~?』
ここはどこだろう
昔の中国にあるみたいな居酒屋で、酒を飲みながらあたしは誰かに話しかけられている
『疲れないわよ~みんな可愛くて仕方無いものv』
『あーあー。怖いわ~そういうの。いつか自分が潰れんねんな~』
『何よ、それ?』
『自分の弱みくらい見せれる相手一人でも作っとかんと~自分が潰れる事や!!』
『別にあたしは~・・・』
『あぁ。お前には俺がおるから平気かv』
『何言ってんのよ!!あんたなんかに誰が相談するもんですかぁ!!』
『ほな、酒いただくで~俺の奢りやしなぁv』
『あー返しなさいよ!!弱い癖して!!』
楽しそうに笑う橙頭
・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?何か俊に似てる・・・
誰だろう。こいつは一体あたしの何・・・
PiPiPiPiPiPi
「・・・・・・・・・・ん」
いつも通りの目覚ましの音が聞こえる
「夢・・・?」
そっと目を開けると、部屋の天井が見えた
「変な夢・・・やけにリアルだったわ」
俊がコスプレみたいなのして、あたしと飲みながら笑ってた
馬鹿ね。そんな事ある訳ないのに・・・
すると、棚の上に飾ってあった一枚の色紙が目に入った
綺麗な紫色の秋桜
それを見たら、何だか笑みがこぼれた
「さてと・・・・・・・・・・・・・今日も頑張りますか!!」
「柳さぁんv契約が取れましたよ!!」
出勤すると、同僚が飛びついて来た
「本当!?」
「先週、二度も柳さんが顔を出した「和化粧亀」さんで、アクセサリーを取り扱ってくれるそうです!!」
「やったぁv初契約じゃない!!」
自分がチーフに就任して、初の契約だ
柳は嬉しくなって、同僚と抱き合って喜んだ
その光景を、佐々木はじっと見つめていた
「お疲れ様でした~」
バイク屋で、今日も俊はシフトを終わらせる
「俊~お前、また絵売りに行くのかぁ?」
「えぇまぁ。これしないと、旅費稼げないんですよ~」
「いつか日本を回って写生だっけか?その前に一緒に回る彼女作れよ~」
「金貯まったら、考えますわ」
笑いながら、俊は鞄からバイクキーを取り出す
パタン
その時、何かが落ちた
「んあ?」
拾ってみると、紫のパスケース
その中には、「YANAGI チーフ 柴咲柳」と書かれた名刺が数枚入っていた
「・・・・・・・・・・・・・・あいつ、昨日俺の鞄に落として行きよったんやな?」
多分、座ってる時にポケットからでも落ちたんだろう
「ったく・・・チーフが落し物多いなんぞ困るわぁ」
名刺なので、当然会社の住所も載っている
「・・・・・・・・・・・・届けるか。しゃあない」
「お疲れ様でした~」
「明日も頑張りましょうねv」
「分かってるわよ!!」
退勤の時間
柳が書類を片付ける手も軽い
(何だか、幸先いい感じよね~)
自分の事を清算出来た途端に、契約も取れて
鏡を取り出し、薄く唇に紅を引く
(契約取れたって、お礼言わなきゃな。肩の力抜く事教えてくれたあいつに)
ギィ
突然扉が開いた
そこには、佐々木の姿
「・・・・・・・・・・・・・佐々木」
「お疲れ様です」
「・・・・・・・・・・・・お疲れ様」
「契約取れたんですね」
「えぇ・・・まぁ」
「よかったですね。足元が掬われて」
「・・・・・・・・・ねぇ。あんた、あたしの事嫌いでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「前から思ってたけど、最近何だか急にきつくなって・・・あたし、何かしたの?出来れば気持ちよく仕事していきたいんだけど」
冷静に問いかける事が出来た
「・・・・・・・・・・・・・・・・・俺は」
ガタガタッ
「・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
「YANAGIのオフィスは、6Fになっております。お約束の方ですか?」
「や。忘れ物届けに」
「それでしたら、我々がお預かりしておきますが」
「ああ・・・じゃあ、そうしてください。お願いします」
顔を見たかったけれど、まぁいいや
またその内、店の方に来るだろう
そう思い、受付に預け、俊はオフィスを出た
出ようとして、足が止まった
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
柳は、佐々木に口づけられていた
「やだっ!!!!離して!!佐々木!!」
「俺は・・・・・・・・俺はずっと・・・柳・・・・・・・・・お前が・・・」
「きゃあっ!!」
ソファに押し倒される
「・・・・・・・・・・・・・・・・バイクで男にぶつかったって聞いて・・・お前にも遂に男の影がって思ったら・・・入社したてからあなたを見ていた俺は悔しくて・・・わざと冷たくして気を引こうとしたんだ・・・!!!!」
目をギラギラさせて、自分を押さえつける佐々木に鳥肌が立った
「柳・・・・・・・・・俺だけを見ろ・・・・・・・・・・・俺だけを!!!」
「いやぁっ!!!!!」
ワイシャツを引きちぎられる
バタン
「すんません・・・あの」
そこに聞こえてきた声
そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・目が合う
「・・・・・・・・・・・・・誰だ、お前は!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何やっとんねん」
「邪魔をするな!!取り込み中だぞ!!」
「俊っ・・・・・・・・・・・・・・」
柳の涙を見て、俊は佐々木を睨む
「取り込み中?泣いてるやろが」
「てめえには関係ねえだろ!!!!」
再び柳に触れそうになった手を、俊は物凄いスピードで押さえた
そして突き飛ばす
「何なんだ、お前は!!」
「逃げろ」
「え・・・?」
「えぇから、早く逃げろ!!」
凄い表情の翼に戸惑いながらも、柳はオフィスを出た
「つっ・・・・・・・・・・・・・!!!!」
階段の踊り場で足がもつれてそのまましゃがみこむ
壁にもたれると、自分の震えが止まらないのが分かった
(何で・・・どうしてなの・・・佐々木・・・!!あたしの事・・・あんな風に)
認めたくない・・・認められない
唇をゴシゴシ擦る
プライドはやはり捨てられない
好きでもない男と・・・・・・・・・・・・・・・・
「おい」
声をかけられ、びくつく
「・・・・・・・・・・・・・・俊」
階段の上に俊が立っていた
「佐々木は・・・」
「会社の奴戻ってきたから、逃げたわ」
「俊・・・怪我は・・・」
「俺はない。本気で殴りかかってきたけどな」
「何であんた・・・」
「名刺昨日忘れてったから、届けに来たんや。まだオフィスいるて受付に言われたから預けてきたんやけど、6F見たら電気ついてないから、おかしい思うて」
(じゃあ、俊が来なかったら・・・私はあのまま・・・)
「まぁ・・・話は後や。とりあえず・・・立てるか?」
手を差し出してくる
プライドが高くて強がってて
誰にも甘えられなかった
そんな事がたまらなく寂しくて
だけど・・・だけどね。こいつはずーっと
あたしの事を見ててくれていたような気がしたんだ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つっ!!!!」
その手を通り越して、私は俊に抱きついた
「うっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うっ・・・・・・・・・・・・・・・・くっ・・・ひっく・・・・・・・・・・・・・・」
男の人が怖いと初めて知って
だけど、自分はもう一人じゃないって
そう感じた瞬間だったから
手放したくなかったんだ
俊は、ずっと私の背中を摩ってくれていた
オレンジの香りが涙に染みた