太陽に咲く秋桜

新たな仲間に加わった翼宿
一時は翼宿は死んだと嘘をつき自分を追い払ったが、山賊の仲間に背中を押されて七星になる決意をした

ひとまず落ち着いて、一行は野宿をする事にした
パシャパシャ
翼宿は、泉で顔を洗っていた
泉に映るその顔は、もう山族ではない
国を護る朱雀七星士の一人
「・・・・・・・・・・・・・・重いなぁ。しっかし」
「・・・・・・・・・ねぇ。あんた、何で山を離れたくなかったのさ?」
後ろから声が聞こえた
振り向くと・・・確か柳宿という奴だ
「何やねん。別にどうでもえぇやんか」
初対面の・・・しかも女性に話しかけられるのには抵抗がある
「何か山賊稼業の他にも、大切な思い出があるみたい~」
柳宿は、翼宿の隣に座る
間近で見ると、とても綺麗な顔をしていた
女性に興味がなかった翼宿でも、さすがに鼓動が鳴った
秋の夜風が吹き抜ける
その風を感じ、なぜか素直になれる気がした
「・・・・・・・・・随分勘がえぇ女やな・・・・・・・・・・・・・・そうや。あっこには俺が妹のように可愛がってた女がおった」
「へぇ・・・」
「やけど、この鉄扇護る為に死んでしもた」
「え・・・?」
翼宿は、鉄扇を取り出した
月の光に反射されて、キラキラ輝いている
「やけど、そいつとそん時約束したんや。きちんと巫女守って、朱雀七星士として働くて」
「翼宿・・・」
「だから、名残惜しかったんやろなぁ。そいつから離れるいうんが」
「・・・・・・・・・・・・・・・・意外に熱い奴なのねぇ、あんた」
「へ?」
「あたしと気が合いそうじゃないv」
柳宿は笑い、翼宿も笑った

確かに、そうかもな
初対面なのに落ち着けたのは、彼女・・・彼が放つ空気のお陰
この旅・・・少しは楽しくなるかもしれない
新参者で少し不安を抱えていた翼宿の気持ちは、ほんの少し軽くなったのだ
25/30ページ
スキ