太陽に咲く秋桜

朝が来た
今日が最後の日
柳は・・・・一睡も出来なかった
午前7時 家を出る

「あれー?柳さん?」
「YANAGI」のオフィスに着くと、真菜が声をかけてきた
「今日、お休みじゃなかったんですか?先週の土曜日の代休でー」
真菜は、入社当初から私が叱りつけてばっかりの新人だった
毎回泣きべそかきながらも、絶対に辞めなかった可愛くて可愛くて仕方がない存在
「明日出発だからね・・・挨拶に来たのよ」
「そういえば、そうでしたねーv頑張ってくださいね!!私、ずっと柳さんを応援しています!!」
真菜が柳の手を取る
「あれ?何か、柳さん。今日はおめかししてません?この後、どこか行くんですかぁー???」
明らかに、何をしに行くのか勘づいている真菜
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・真菜。ありがとう」
「そんなぁ。今更ですよv」
涙ぐんだが、見えないように堪えた

コツ・・・
まだ、開店していない「YANAGI」の店舗
引き継ぎは、真菜に任せた
いよいよ、「PAL」との合併も来週に控え、隅の方は少しずつ片づけが始まっている
「見届けてやれなくて・・・ごめんね」
「・・・・・・・・・柳」
後ろから声をかけられる
「おじいちゃん・・・・・・・・・・どうしたの?」
「いや。私も見たくなってな。店舗単位の「YANAGI」の姿を」
「・・・・・開店式以来、来てなかったもんね」
「私は、お前に店を継がせてよかったと思っているよ」
「・・・・・・・・・・・おじいちゃん」
「女性が喜ぶものは、女性にしか作れないからな」
「今後は、真菜がしっかり引き継いでくれると思います」
「日本は、任せた。私も、頻繁に顔を出すようにするよ」
「おじいちゃん」
「ん?」
「今まで・・・ありがとうございました」
「何を今更。照れくさいじゃないか」
二人で笑い合った

午前10時
豊島園
「やば・・・少し遅れちゃった・・・」
門に行くと、橙頭が見える
「俊・・・!!」
「よう。寝ぼすけ。デート遅刻するんじゃないわ」
「寝てた訳じゃ・・・ないわよ!!」
鞄で俊を叩くと、そのまま少し寂しそうに俯く
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・言ってきたんやな?」
「・・・・・・・・・・・・・うん。例の本人は、まだ渋ってるけどね」
そのまま、先を行く
「よぉーーーーーーーーーーーし!!今日は遊ぶわよ!!」
俊は呆気に取られていたが、その後を笑顔で追った
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