太陽に咲く秋桜
「柳さん」
赤いドレスに身を包んだ柳が振り返る
「あ・・・菊田社長」
「やぁやぁ。先日は、我がブランドに素材の提供をしてくださってありがとう」
「いいえ。いつもお世話になっていますから」
今日は、アパレルイベント
今日は、柳の作品を含め、六作品が候補にあがっている
この中から、一着が海外の提携ブランドへ提供されるのだ
「お互い・・・頑張りましょうね」
社長は、そのまま去って行った
「柳さんvv」
「真菜・・・なーに?こんなに着飾っちゃって」
「そりゃあ、柳さんの晴れ舞台ですものv」
「まだ晴れ舞台と決まった訳じゃあ・・・」
「俊さん、何時頃来るんです?」
「バイト16時にはあがれるから、17時には到着するって今朝メール入ってた」
「色々と楽しみですねーv」
楽しみというより、緊張の方が大きかったけれど
『それでは、これよ第三十五回「FourStars」フォーラムを開催いたします』
日本を代表するブランドが紹介され、その後に今回選考を通った六作品が紹介される事になっている
『次に、「YANAGI」の代表作品」「鳳凰」です。この作品は、中国の孔雀と秋桜をかけた淡いイメージの作品です。奇抜なデザインが多い「YANAGI」の作品にしては、今回は割と控えめな珍しいデザインで話題を呼んでいます』
自分の作品の出番になってくると、鳥肌が立つものだ
一時間後に、選考結果が発表になる
時計を見ると、17時半
柳は、ホールの前の時計台の前にいた
「・・・・・・・・・どうしたんだろう」
残業でもしているのか
あの会場にはいなかったのだろう
メールも電話も繋がらない
「・・・・・・・・・・・・参ったな」
「柳さん」
「菊田社長・・・」
「いやーよかったよ。君が考えたのかい?今までの作品を覆すいいイメージの作品だったよ」
「ありがとうございます」
「でも、うちの会社も結構反響が大きいんだよ。星空をイメージしたスパンコールのドレス。海外のセレブに一押しだって、審査員が漏らしてたみたいでね」
「・・・・・・・・・・そうなんですか」
この社長は、自慢話が好きな社長で有名だった
「勝っても負けても・・・これからも仲良くしましょうね」
いつも言われている嫌味でも、今回は腹が立つ
・・・と、同時に寂しくなる
「恋人がいると・・・・・・・・・・・・泣き上戸になっちゃうのね」
柳は時計を見上げて・・・会場に戻った
『これより、審査結果の発表を行います。今回与えられる賞は、グランプリと準グランプリのみです』
「て事は・・・二作品だけなんですね」
隣の真菜が柳に声をかける
もう、返事も出来なかった
『初めに、準グランプリは「龍」の「Stardust」。スパンコールを散りばめた豪華なドレスが反響を呼びました』
その言葉に、頭が真っ白になった
あんなに話題を呼んだドレスが、準グランプリ
菊田社長の唖然とした顔が見える
と・・・いう事は
『グランプリは、「YANAGI」の「鳳凰」です』
司会者のコメントなんて頭に入らなかった
真菜の雄たけびなんて耳に入らなかった
ただ・・・涙が流れた
21時半
たくさんのお祝いを受けて、やっと会場を出る
結局、一番お祝いしてほしかった人は来なかった
時計台の下で、自然と足が止まる
手いっぱいの花束よりも、彼の太陽のような笑顔が何よりもほしかった
「・・・・・・・俊」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぎ!!!」
誰かの声が遠くから聞こえる
その声は、段々近づいてくる
「・・・・・・・柳!!!!!」
俊がこちらに駆けてくる
「・・・・・・・・・すまん・・・急なメンテナンスが入って・・・定時でもあがれんかった」
今、イベントで会場周りは混雑している
バイクを置いて走ってきてくれたのか
片手には、たくさんの秋桜の花束
「・・・・・・・・・・・・・・すまんな。遅くなってもうて・・・結果・・・もう、出たよな?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・グランプリ」
「・・・・・・・・・え?」
「あたし・・・・・・・・・・・・グランプリ取った・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ホンマか?」
「うん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本当に・・・本当に・・・」
涙が溢れた
俊は、柳を思い切り抱きしめた
「・・・・・・・・・・・やったな!!柳!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・本当に・・・怖かったんだよ・・・・・・・・・・・社長に嫌味言われるし・・・・・・・・・・・・・人の声に敏感になるしで・・・本当に・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・すまんな」
俊は、柳の頬の涙を両手で拭う
「・・・・・・・・・・・・・・おめでとう」
「・・・・・・・・・・・・・・ありがとう」
二人の目が合う
そっと・・・・・・・・・・・・・・・・唇が近づいた
『私は康琳。七星名は、柳宿と申します』
『翼宿は俺や。騙して悪かったな』
二人の脳裏に同時に流れる声
目の前が開ける
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。あの・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・何してんねん・・・・・・・・・・・・俺ら」
その瞳に、光が戻った
「翼宿・・・何て格好を・・・」
「お前こそ・・・・・・・・・いっちょ前に女の格好しよって・・・柳宿」
記憶が戻った
赤いドレスに身を包んだ柳が振り返る
「あ・・・菊田社長」
「やぁやぁ。先日は、我がブランドに素材の提供をしてくださってありがとう」
「いいえ。いつもお世話になっていますから」
今日は、アパレルイベント
今日は、柳の作品を含め、六作品が候補にあがっている
この中から、一着が海外の提携ブランドへ提供されるのだ
「お互い・・・頑張りましょうね」
社長は、そのまま去って行った
「柳さんvv」
「真菜・・・なーに?こんなに着飾っちゃって」
「そりゃあ、柳さんの晴れ舞台ですものv」
「まだ晴れ舞台と決まった訳じゃあ・・・」
「俊さん、何時頃来るんです?」
「バイト16時にはあがれるから、17時には到着するって今朝メール入ってた」
「色々と楽しみですねーv」
楽しみというより、緊張の方が大きかったけれど
『それでは、これよ第三十五回「FourStars」フォーラムを開催いたします』
日本を代表するブランドが紹介され、その後に今回選考を通った六作品が紹介される事になっている
『次に、「YANAGI」の代表作品」「鳳凰」です。この作品は、中国の孔雀と秋桜をかけた淡いイメージの作品です。奇抜なデザインが多い「YANAGI」の作品にしては、今回は割と控えめな珍しいデザインで話題を呼んでいます』
自分の作品の出番になってくると、鳥肌が立つものだ
一時間後に、選考結果が発表になる
時計を見ると、17時半
柳は、ホールの前の時計台の前にいた
「・・・・・・・・・どうしたんだろう」
残業でもしているのか
あの会場にはいなかったのだろう
メールも電話も繋がらない
「・・・・・・・・・・・・参ったな」
「柳さん」
「菊田社長・・・」
「いやーよかったよ。君が考えたのかい?今までの作品を覆すいいイメージの作品だったよ」
「ありがとうございます」
「でも、うちの会社も結構反響が大きいんだよ。星空をイメージしたスパンコールのドレス。海外のセレブに一押しだって、審査員が漏らしてたみたいでね」
「・・・・・・・・・・そうなんですか」
この社長は、自慢話が好きな社長で有名だった
「勝っても負けても・・・これからも仲良くしましょうね」
いつも言われている嫌味でも、今回は腹が立つ
・・・と、同時に寂しくなる
「恋人がいると・・・・・・・・・・・・泣き上戸になっちゃうのね」
柳は時計を見上げて・・・会場に戻った
『これより、審査結果の発表を行います。今回与えられる賞は、グランプリと準グランプリのみです』
「て事は・・・二作品だけなんですね」
隣の真菜が柳に声をかける
もう、返事も出来なかった
『初めに、準グランプリは「龍」の「Stardust」。スパンコールを散りばめた豪華なドレスが反響を呼びました』
その言葉に、頭が真っ白になった
あんなに話題を呼んだドレスが、準グランプリ
菊田社長の唖然とした顔が見える
と・・・いう事は
『グランプリは、「YANAGI」の「鳳凰」です』
司会者のコメントなんて頭に入らなかった
真菜の雄たけびなんて耳に入らなかった
ただ・・・涙が流れた
21時半
たくさんのお祝いを受けて、やっと会場を出る
結局、一番お祝いしてほしかった人は来なかった
時計台の下で、自然と足が止まる
手いっぱいの花束よりも、彼の太陽のような笑顔が何よりもほしかった
「・・・・・・・俊」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぎ!!!」
誰かの声が遠くから聞こえる
その声は、段々近づいてくる
「・・・・・・・柳!!!!!」
俊がこちらに駆けてくる
「・・・・・・・・・すまん・・・急なメンテナンスが入って・・・定時でもあがれんかった」
今、イベントで会場周りは混雑している
バイクを置いて走ってきてくれたのか
片手には、たくさんの秋桜の花束
「・・・・・・・・・・・・・・すまんな。遅くなってもうて・・・結果・・・もう、出たよな?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・グランプリ」
「・・・・・・・・・え?」
「あたし・・・・・・・・・・・・グランプリ取った・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ホンマか?」
「うん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本当に・・・本当に・・・」
涙が溢れた
俊は、柳を思い切り抱きしめた
「・・・・・・・・・・・やったな!!柳!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・本当に・・・怖かったんだよ・・・・・・・・・・・社長に嫌味言われるし・・・・・・・・・・・・・人の声に敏感になるしで・・・本当に・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・すまんな」
俊は、柳の頬の涙を両手で拭う
「・・・・・・・・・・・・・・おめでとう」
「・・・・・・・・・・・・・・ありがとう」
二人の目が合う
そっと・・・・・・・・・・・・・・・・唇が近づいた
『私は康琳。七星名は、柳宿と申します』
『翼宿は俺や。騙して悪かったな』
二人の脳裏に同時に流れる声
目の前が開ける
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。あの・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・何してんねん・・・・・・・・・・・・俺ら」
その瞳に、光が戻った
「翼宿・・・何て格好を・・・」
「お前こそ・・・・・・・・・いっちょ前に女の格好しよって・・・柳宿」
記憶が戻った