太陽に咲く秋桜

「で・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・出来たーーーーーーーーーーーーーーーーーーーv」
夜中の2時
やっと、一枚のプロットが出来上がった
「俊のお陰だよーvありがとーv」
「・・・・・・・・ま、近所迷惑考えろや」
「あーごめん・・・とりあえず、今からFAXするね!!」
柳は、FAXで支度を始める
「・・・・・・・・・・・それにしても、俊のアイデア一つでこんなにすんなりデザインが浮かぶなんて思わなかった」
「そぉかぁ?」
「孔雀に紫をかけて・・・模様は秋桜なんてどう考えても洒落てるわよ」
だけど、自信がある
俊との合作
「・・・・・・・・・・・・受かればいいけどね」
「落ちても、そっから這い上がればえぇやろ」
振り返ると、俊の優しい笑顔
ここが最終地点ではないという事を教えてくれる
「・・・だけど、何だか懐かしいイメージがあるんだよね」
「え?」
「このデザインのモチーフ・・・孔雀」
二人の脳裏に、同時に同じ言葉がよぎった

「「・・・・・・・・・・・・・・・朱雀」」

そして、同時にその名を呼ぶ
「・・・え?」
「って鳥が、確か中国の星座だかの伝説でいたよな」
「あ・・・そうそう。それでか・・・」
何か違和感

「ねぇ・・・・・・・・・・・・・・・・婚約者は・・・どうなったの?」
祝酒を継ぎ足し、柳は問う
「別れたで」
「え!?」
「歌舞伎町で働いてたんや。父親がリストラされて、わざわざ東京まで出て働いてたらしい。俺が焦って結婚持ちかけよったから、資金も兼ねて一日中働いてたんやろ。そんな姿見たら敵わなくなってなぁ・・・俺がこうさせたんやろかって。あいつ、元々美容師目指して専門学校行ってたんや。暴走族やって退学になった俺は、那美攫ってさっさと結婚しよ思うて・・・あいつの夢を奪ってしもた。でも、あいつは俺が好きだから平気だって笑って言ってたんや」
「・・・・・・・・・・・そうだったんだ」
「人生は恋愛だけやないって・・・一番分かってたのはあいつだった筈なのにな。どっちも両立しよって・・・俺は夢を追うように言うた。自分の事しか考えてない俺じゃ、あいつを護っていけない事にも気付いたしな」
「俊・・・」
「俺・・・余計な時間かからせてしもたんやな、あいつに・・・」
「そんな事ないよ・・・那美ちゃんは、俊の事きっと本当に好きだったんだよ。夢も恋愛もなんて・・・難しいのよ」
自分だって、結局俊に救われてしまった
「・・・・・・・・・・・・・・それに、俺気づいたからな」
「え・・・?」
「本当に大事な奴は、もっと近くにおるって」
その言葉に、鼓動が鳴る
彼の瞳がまっすぐに自分を見据える
「俺と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・付き合わん?」
その言葉は、自然に空気と溶け合い自分の中に入ってくる
素直に受け入れられるその言葉
以前にも・・・言われた事がある

『好きや・・・お前の事が』

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」

彼の照れくさそうな笑みが、私の涙を誘った
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